シリーズ 睡眠について その17 ぐっすり快眠のために その4 生き方を変えれば2015年10月27日 09:29

◎ 眠れないことを気にしない

 眠れない、眠れないと一人で悩んでいると、どんどん気持ちが焦ってきます。気にすればするほど、寝ようと努力すればするほど、逆に脳が覚醒してしまい眠れなくなってしまいます。こうした状態から抜け出すためには、眠れないことを気にしないようにするのが一番です。気にしないことが一番難しいことなのですが、考え方を少し変えれば、「気にしない」人に変わることができます。

 眠れないということは、眠っている時間が少なく活動時間が多いため、他の人よりも長い人生を楽しめるわけです。ずっと読みたかった本を読んだり、音楽を聴いたり、好きな映画を思う存分見るなどして自分の時間を楽しみましょう。

 気持ちを楽にして好きなことに熱中しているうちに、眠れないストレスからいつの間に開放され、疲労によって自然と眠くなってきます。不眠の多くは心が作り出したものですから、心さえラクにすることができれば、体は放っておいても眠ろうとしますから、自然に眠気が訪れます。

 「眠れなかったらどうしよう」「寝なくてはいけない」という焦りや強迫観念が、実際はありもしない不眠症という状態を作り出してしまっていることが多いのです。つまり、不眠症はあなた自身が自分で作り上げたと言えるのです。不眠症とは身体的な病ではなく、一種の神経症(心の病)だと言われているのはこのためです。

 「眠れなくても死ぬことはない」「人間、いつかは必ず眠れる」と気楽にかまえていきましょう。眠ろう、などと気合を入れてがんばってはいけないのです。

◎ 不眠であることを認めて開き直る

 不眠とは一種の心の病です。自分が眠れないことに対して、焦り、危機感、劣等感、不安、といった気持ちを常に抱いています。そして自分がそうした感情に支配されていることを認めたがらないばかりか、そのことを周囲に知られることも嫌います。心の奥底にあるさまざまな葛藤をどこかで認識しているにもかかわらず、それを認めようとしないのです。

 つまり、自然体とはかけ離れた無理をした状態です。こうした無理が続くと、いずれ限界がきます。それまでなんとか持ちこたえていた心の堤防が崩れ、精神的に崩壊してしまう恐れもあります。

 不安は取り除こうとしても、簡単には消えない。取り除こうとするのではなく、すべては自分の内部のことなのですから、開き直って受け入れてしまうことです。「不眠症になってしまった。仕方がないんだ」とあっさり認めてしまいましょう。この開き直りが、不眠症の人にはなかなかできません。しかし、「眠れないことなんて、誰にだって起こること。自分だけではない」「これは決して深刻な病気ではない」と努力して思い込むようにしてみてください。

 何度も繰り返して声に出して自分に言い聞かせれば、人間とは不思議なもので、少しずつ暗示効果が出てきて、本当に開き直ってきます。「今日はぐっすり眠れそうだ」「ああ、眠くなってきたぞ」などと自分自身に言い聞かせれば、人間とは不思議胃なもので自己暗示にかかって、本当に眠くなってきたりするものです。とにかく、深刻に考えすぎないようにすることが大切です。

 開き直ることができたら、不眠症脱却のプロセスの最大の難所を通過できたことになります。以前のような心のつっかえは、いつの間にか消え去り、精神的にだいぶラクになっているはずです。こうして不眠であることを受け入れてしまえば、それだけで自然と治っていくのです。

◎ 人生を楽しんで、密度の濃い睡眠を

 人間に必要な睡眠時間は、性別、年齢、職業、体調などによって変化します。また、同じ人でも、常に一定というわけではありませんから、睡眠時間の標準的な基準など存在しません。
 周りの人間関係で問題があったり、人生の方向性を見失うなど、心配ごとが尽きないときは、人は眠りへの欲求が高くなり、十分に眠ったとしても寝不足感があり、一日頭がすっきりしません。これは俗に言う「現実逃避」という精神状態が原因だと考えられます。あまり気の進まない仕事に行かなくてはいけないが、できれば行きたくない、といった後ろ向きな考えが無意識に眠りへと逃避させようとするのでしょう。

 日々の生活が充実していて、人生をエンジョイしているときは、多少睡眠時間が短くてもそれほど苦になることはありません。時間的には短くてもぐっすり寝たという満足感があり、目覚めもよく寝不足感もありません。
 楽しいことがたくさんある、やりたいことがたくさんある、という生活を送っている人は、このように短くても充実した熟睡ライフを送ることができます。ワクワクして、いつまでも寝ていられてない、という気持ちが意識的にも無意識的にも強くなり、それが短い睡眠時間でも睡眠不足を感じさせない原因になっていると考えられます。

◎ 熱中できる趣味・やりがいを見つける

 特にこれといった趣味があるわけでもなく、仕事一筋という人がいます。連日の残業で家に帰ると食事もそこそこに寝るだけの生活。週末もどこへ出かけるわけでも、何をするわけでもなく漫然と自宅でゴロゴロしてしまう。こうした状態だと精神衛生上も不健康で、健全な睡眠がとれないのも当然です。

 平日は仕事に全力投球し、一方で仕事以外に何か熱中できるものが見つかれば、心にゆとりのある生活を楽しむことができます。読書や音楽に打ち込むのもいいでしょうし、運動をしたり人が集まる場所に参加するなど、楽しいことをどんどん見つけてください。生き生きとした生活を送っていれば、自然と充実した眠りを手に入れることができるでしょう。心身ともに健康になれば、不眠症などいつの間にか消えてしまいます。

◎ 眠ってはいけないと思うと逆に眠れる

 眠ろうと努力すればするほど、人間は頭が冴えてしまって眠れなくなってしまいます。特に、「羊が一匹・・・」はあまり効果がありません。100匹までいったのに、まったく眠くなってこない自分に焦りを感じて、どんどん神経が高ぶってしまいかえって逆効果です。

 一方で、クラシックコンサートや重要な会議など、「ここで眠ったらまずい」と手足をつねったりして必死に睡魔と闘えば闘うほど、眠気はどんどん強くなるという経験があるかと思います。眠いときに「眠ってはいけない」と強く思うことで、かえってそれが眠気を誘ってしまうのです。
 ベッドに入ってからなかなか寝つけないときは、この法則をうまく利用して「眠っちゃダメだ」と自分自身と競争をするつもりで、なんとか眠らないようにがんばってみてください。きっと、気付いたら朝になっていることでしょう。

◎ 眠りたい時に、眠りたいだけ眠ればいい

 不眠に悩む人は、眠りに対してある種の義務感と忠誠心を持っています。12時になったから寝なくてはいけない、一日に8時間は必ず練る必要があるはずだ、といったルールに必要以上に縛られて苦しんでいることがあります。「必要な睡眠量」の絶対的な基準など存在しません。必要な睡眠時間、という考え方を忘れてしまいましょう。

 ○時から○時までは寝る時間、などと決める必要はどこにもありませんし、そもそも自然体ではありません。体が求めるとき、体が求めるだけ眠ればいいんだ、と気楽に考えましょう。
 12時になったから寝なくてはいけない、と無理に寝ようとする必要はありません。眠くないのなら起きていればいいのです。体が発する自然のメッセージを素直に受け取りましょう。眠くないのに無理に寝ようとしても寝られなくて当然です。

 一般的に、食事をした後は人間は眠くなるようにできています。これは食べたものを消化するのに多くのエネルギーを使用するので、できれば他の活動に限りあるエネルギーを使わないように体を眠らせてしまおうと無意識が指令を出しているからです。
 こうした眠気に襲われたときには、10分でも15分でも横になってしまうのが自然と人間の摂理です。職場ではなかなか難しいかもしれませんが、自宅にいるときや外出先では横になったりゆったり座ったりして目を閉じて、自然な睡眠を受け入れましょう。

◎ 笑いは天然の睡眠薬?

 笑う門には福来る、ということわざがありますが、実はこれにはちゃんとした科学的根拠があるのです。

 大きく口を開けて大声で笑うことで、大量の酸素を取り入れることができます。深呼吸をしたときと同じように血中の酸素量が一気に増えますので、脳も体も疲労を回復することができ、同時に免疫力も上がります。血行が促進され全身の代謝が良くなるため、健全な睡眠サイクルを整えることにも役立ちます。

 また、よく笑う人はストレスをためにくく、自分自身だけでなく周囲の人をもリラックスさせることができます。こうした心身のリラックスが、体の健康や理想的な睡眠につながり、他の人も幸せにします。
 疲れて帰宅した後、テレビでお笑い番組やバラエティ番組を見て、おもいっきり笑うことは健康にも良い睡眠にもとっても良いことなのです。


 さあ、「ぐっすりシリーズ」が終わりました。いかがでしたでしょうか。
 「睡眠」が大事な行為であることはご理解いただけたと思いますが、特別なことをしなくても、普通なら、気にすることもない自然の営みであるということなんですけど、この、「普通なら」が昨今は難しいのではないでしょうか。
 ですから、もし睡眠が不調であることに「気付くことができたら」お薬の力を借りてかまいません。
 もう一つの問題は、この、「気づけたら」ということです。特に高ストレスや過労になると、脳が不調になりますから、「気付き」も不調になります。常日頃、“気付いてくれる家族や仲間”を大切にしましょう。

 ということで、少しお休みします。
 明日から名古屋で「全国産業安全衛生大会」です。
 「えびふりゃー」を食べてきます。じゃんじゃん。

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