クリミアについて ― 2014年03月20日 10:29
ウクライナからのクリミア独立とロシア併合について、世の中騒然としてきましたね。
米欧の圧力と路線に沿って日本は動いているようですが、北方領土を抱える北海道として、はたしてそれでいいのかと思います。
以下の理由です。
米国のネオコンは、以前からウクライナの反露極右だけでなく、チェチェンの反露テロリストを支援し、チェチェン人の対露テロはテロでなくロシアの支配に対する抵抗運動だ、と正当化してきた。その点で、ネオコンに支持されたウクライナの極右がチェチェン人の反露テロを支持するのは当然といえるが、この支持表明はロシア政府に「ウクライナ新政権はテロリストだ」と非難する正当性を与えてしまい、国際政治的にウクライナ新政権自身を不利にしている。
露政府は、発言者のヤロシを、テロを公然と支持するテロリストとして逮捕すべく、国際指名手配した。
ウクライナの中でも、ロシア系が人口の6割を占め、古くからロシアの海軍基地もあるクリミア自治共和国では、議会が3月5日に、ウクライナからの分離とロシアへの編入を、全会一致で可決した(賛成78、反対0、棄権8)。
さらに、3月16日に行われた住民投票において投票率83%、支持率97%という圧倒的多数で、クリミアのウクライナからの分離独立とロシアへの編入が支持されたのを受け、クリミア自治共和国の議会は、独立と、ロシアへの併合を決議した。同決議を受けて、3月18日、ロシアとクリミアが国家合併の条約に調印した。ロシアのプーチン大統領がクリミアの併合を決定し、両国間で併合条約に調印したのだ。今週中にロシア議会が併合条約を批准し、正式な国家併合になるとおもわれる。
今回のウクライナ問題を機に、米欧が経済的・国際政治的に意外と弱く、しかも(特に米国の)やり方が自滅的に下手くそである半面、ロシアが意外に優勢であることが顕在化し始めている。プーチンは、クリミア併合を発表した演説の中で、米欧から制裁されても打撃にならないと述べている。プーチンのクリミア併合決定を受け、ロシアの株価は上昇した。
米国は対露制裁の第一弾として、ロシアの政治家7人とクリミアの政治家4人に対する、在米資産凍結や米入国拒否などの制裁を発動した。彼らの多くは米国に資産を持たず、米国に行く予定もないので、制裁は無意味だ。プーチンの側近は、制裁を「子供のいたずら」と嘲笑している。
フランスの外相が3月18日、G8がロシアを除外する決定をしたと表明した。しかしドイツの首相は、ロシアは引き続きG8のメンバーだと言っている。EUの中枢である独仏の間で、ロシアに対する姿勢が分裂している。ロシア自身は、時代遅れの米英主導のG8より、多極型のG20やBRICSを重視しており、独仏の分裂をあざ笑う状況だ。
EU諸国は、消費するガスの4割がロシアからの輸入で、その大半はウクライナを通るパイプラインで運ばれる。ウクライナ新政権の中枢にいる過激な極右は、すでに「ロシアを困らせるため、ウクライナを通るガスパイプラインを破壊しよう」と放言している。今後、米欧とロシアの対立が激化し、ウクライナも過激になり、ロシアからEUへのガス供給が止まる可能性が増している。EUはガスを止められた場合、今年10月分までガスの備蓄があるが、その後の冬季の分のガスが足りなくなる。次の冬は、欧州の市民にとって厳しいものになりそうだ。
ウクライナはロシアに比べて軍隊が非常に弱い。それを補うため、ウクライナ新政権の安保部門の最高責任者であるネオナチ政党スボボダの創設者、アンドリー・パルビーは、6万人の極右ネオナチ支持者に軍事訓練をほどこして「国家防衛隊」を組織しようとしている。これは全く、悪名高きナチスの親衛隊の再現だ。極右の彼らはおそらくロシア軍と戦うより、ウクライナ国内のロシア系など自分たちに従わない者たちへのテロ行為に注力する。下手をすれば内戦だ。ウクライナ新政権を支援している米欧の倫理欠如が国際的に問題になり、国際政治的な米欧の弱さが増すだろう。米国がいずれウクライナをNATOに入れるとの予測もあり、そうなると米欧の倫理的な弱さがさらに増す。
クリミアは歴史的、民族的にロシアとのつながりが非常に強く、ウクライナの他の地域と異なる独自性があり、住民投票は国際基準からみて正当だ。アルゼンチンの大統領の主張は正しい。その分、米欧の国際信用が下落している。
今回の危機直前の昨年11月、ロシアはEUに対し、ウクライナも入れた3者間でウクライナの安定について協議しようと提案しが、EUは無視し、逆にウクライナに「EUとロシアとどちらにつくか」と二者択一を強要した。当時の親露的なウクライナがロシアを選択すると、EUは、米国と協力してウクライナの政権を転覆した。こうした米欧のロシアに対する横暴やウソは、ソ連崩壊後のロシアが弱く、米国の覇権が圧倒的に強かったからだ。しかし今、米国の覇権は自滅的に崩壊する一方、ロシアは強さを取り戻すプーチンの長期戦略が成功し、今回のウクライナ危機で形勢の顕在化している。
ウクライナをめぐるロシアと米国の対立で、米国の強硬策についていけない傾向を露呈している。表向き米国のロシア制裁に賛成しているものの、実体面で、ロシアに対して強硬な姿勢をとりたがらないということ。たとえば英国は、米国の対露金融制裁に賛成したものの「英金融界を制裁対象から外すなら対露制裁に賛成する」との条件をつけた。これは事実上「制裁反対」の表明だ。
というわけで、日本が米国のネオコンに脅かされて、さらに泥沼に足を入れないよう願うばかり。
じゃんじゃん。
米欧の圧力と路線に沿って日本は動いているようですが、北方領土を抱える北海道として、はたしてそれでいいのかと思います。
以下の理由です。
米国のネオコンは、以前からウクライナの反露極右だけでなく、チェチェンの反露テロリストを支援し、チェチェン人の対露テロはテロでなくロシアの支配に対する抵抗運動だ、と正当化してきた。その点で、ネオコンに支持されたウクライナの極右がチェチェン人の反露テロを支持するのは当然といえるが、この支持表明はロシア政府に「ウクライナ新政権はテロリストだ」と非難する正当性を与えてしまい、国際政治的にウクライナ新政権自身を不利にしている。
露政府は、発言者のヤロシを、テロを公然と支持するテロリストとして逮捕すべく、国際指名手配した。
ウクライナの中でも、ロシア系が人口の6割を占め、古くからロシアの海軍基地もあるクリミア自治共和国では、議会が3月5日に、ウクライナからの分離とロシアへの編入を、全会一致で可決した(賛成78、反対0、棄権8)。
さらに、3月16日に行われた住民投票において投票率83%、支持率97%という圧倒的多数で、クリミアのウクライナからの分離独立とロシアへの編入が支持されたのを受け、クリミア自治共和国の議会は、独立と、ロシアへの併合を決議した。同決議を受けて、3月18日、ロシアとクリミアが国家合併の条約に調印した。ロシアのプーチン大統領がクリミアの併合を決定し、両国間で併合条約に調印したのだ。今週中にロシア議会が併合条約を批准し、正式な国家併合になるとおもわれる。
今回のウクライナ問題を機に、米欧が経済的・国際政治的に意外と弱く、しかも(特に米国の)やり方が自滅的に下手くそである半面、ロシアが意外に優勢であることが顕在化し始めている。プーチンは、クリミア併合を発表した演説の中で、米欧から制裁されても打撃にならないと述べている。プーチンのクリミア併合決定を受け、ロシアの株価は上昇した。
米国は対露制裁の第一弾として、ロシアの政治家7人とクリミアの政治家4人に対する、在米資産凍結や米入国拒否などの制裁を発動した。彼らの多くは米国に資産を持たず、米国に行く予定もないので、制裁は無意味だ。プーチンの側近は、制裁を「子供のいたずら」と嘲笑している。
フランスの外相が3月18日、G8がロシアを除外する決定をしたと表明した。しかしドイツの首相は、ロシアは引き続きG8のメンバーだと言っている。EUの中枢である独仏の間で、ロシアに対する姿勢が分裂している。ロシア自身は、時代遅れの米英主導のG8より、多極型のG20やBRICSを重視しており、独仏の分裂をあざ笑う状況だ。
EU諸国は、消費するガスの4割がロシアからの輸入で、その大半はウクライナを通るパイプラインで運ばれる。ウクライナ新政権の中枢にいる過激な極右は、すでに「ロシアを困らせるため、ウクライナを通るガスパイプラインを破壊しよう」と放言している。今後、米欧とロシアの対立が激化し、ウクライナも過激になり、ロシアからEUへのガス供給が止まる可能性が増している。EUはガスを止められた場合、今年10月分までガスの備蓄があるが、その後の冬季の分のガスが足りなくなる。次の冬は、欧州の市民にとって厳しいものになりそうだ。
ウクライナはロシアに比べて軍隊が非常に弱い。それを補うため、ウクライナ新政権の安保部門の最高責任者であるネオナチ政党スボボダの創設者、アンドリー・パルビーは、6万人の極右ネオナチ支持者に軍事訓練をほどこして「国家防衛隊」を組織しようとしている。これは全く、悪名高きナチスの親衛隊の再現だ。極右の彼らはおそらくロシア軍と戦うより、ウクライナ国内のロシア系など自分たちに従わない者たちへのテロ行為に注力する。下手をすれば内戦だ。ウクライナ新政権を支援している米欧の倫理欠如が国際的に問題になり、国際政治的な米欧の弱さが増すだろう。米国がいずれウクライナをNATOに入れるとの予測もあり、そうなると米欧の倫理的な弱さがさらに増す。
クリミアは歴史的、民族的にロシアとのつながりが非常に強く、ウクライナの他の地域と異なる独自性があり、住民投票は国際基準からみて正当だ。アルゼンチンの大統領の主張は正しい。その分、米欧の国際信用が下落している。
今回の危機直前の昨年11月、ロシアはEUに対し、ウクライナも入れた3者間でウクライナの安定について協議しようと提案しが、EUは無視し、逆にウクライナに「EUとロシアとどちらにつくか」と二者択一を強要した。当時の親露的なウクライナがロシアを選択すると、EUは、米国と協力してウクライナの政権を転覆した。こうした米欧のロシアに対する横暴やウソは、ソ連崩壊後のロシアが弱く、米国の覇権が圧倒的に強かったからだ。しかし今、米国の覇権は自滅的に崩壊する一方、ロシアは強さを取り戻すプーチンの長期戦略が成功し、今回のウクライナ危機で形勢の顕在化している。
ウクライナをめぐるロシアと米国の対立で、米国の強硬策についていけない傾向を露呈している。表向き米国のロシア制裁に賛成しているものの、実体面で、ロシアに対して強硬な姿勢をとりたがらないということ。たとえば英国は、米国の対露金融制裁に賛成したものの「英金融界を制裁対象から外すなら対露制裁に賛成する」との条件をつけた。これは事実上「制裁反対」の表明だ。
というわけで、日本が米国のネオコンに脅かされて、さらに泥沼に足を入れないよう願うばかり。
じゃんじゃん。
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