NHK キラー・ストレス 見ましたか?2016年06月20日 11:47

 2回にわたってストレスを特集したNスペでした。私は2回目しか見れませんでしたが、まあ、おもしろかったです。

 それで、簡単に内容をまとめると、まず、ストレスとは何かというおそらく1回目のおさらいがありました。
 ストレスは、ストレッサーという環境要因がもたらす身体と脳の反応で、副腎から分泌されるコルチゾールというストレスホルモンが問題となると言うこと。
 これ自体は問題ない身体反応です。昔、人間の祖先も食うか食われるかという時代には、ストレスホルモンによって身体機能をアップし、「逃げる」と言うことが重要であった、その反応なわけですが、問題は、いまや天敵もいなくなった人間がなぜストレスホルモンを過剰に出し続ける生活を送るかと言うことになります。
 例えば、それは、アドラーのいう、「全ての人は平等であるが、全てのことは人間関係のことである」というように、人どおしが天敵となっているのに他ならないと言うことです。

 それで、そのストレスをコーピング(対処・対処行動)する方法が第2回目の目玉でした。

 一つは、「気晴らしのリストアップ」と言うことで、常日頃から、自分の気晴らし方法について、リストアップし、それを試してランクをつけておくと言うこと。
 そして、ストレスを受けたと感じたら、あるいは、自分のストレスレベルが高くなったと感じたら、このリストの気張らし方法を行って、ストレスレベルを下げると言うことでした。
 これで特に大事なことは、常に自分のストレスレベルを「感じておく」と言うこと、そして、気晴らし方法としては、「何かを行ったと言う達成感」のあるものを用意するということでした。
 「気分と行動の調和を試す」と表現されていました。

 それと、これは知らなかったことですが、「扁桃体」がストレスと身体反応に関与することは知っていても、その大きさが、子供の頃のストレス経験が大きい場合、扁桃体自身が大きくなり少しのストレスでも過敏に反応すると言うことです。
 これで思い出したのは、「愛着」と言うことでした。番組でははっきりさせませんでしたが、私は子供の頃の愛着に問題を抱えると、安全地帯を失い、大きなストレスを経験するわけですから、これかなと思いました。

 まあしかし、これはよい方法です。
 よく言うことは、ストレスの原因を紙に書いて引き出しにしまっておき、あとで冷静になってから考えるというのがありますが、この方法も確かに効果あるようですが、重要な点は、二つあります。
 一つは、「感じる」という自分との距離感を認識していることが前提であることと、ほぼ同じ意味で、「もういっぱいいっぱい」ではないということ。つまり、うつ病などの疾患領域にはなく、例えば、少なくとも一歩手前の「閾値下(いきちか)」である必要があると言うことになります。

 もう一つの方法として、結構話題になっている「マインド・フルネス」と言うことでした。
 これは、マサチューセッツ大学のサキ・サントレリが開発したそうですけど、「瞑想」の分析中に見つけた方法だとか。

 方法は以下のように説明されていました。

① 椅子に背骨をまっすぐにして座る。(少し上体を左右に揺すってまっすぐを見つけるとよいと)
② 身体の力を抜く。特に顔のりきみを取る。
③ 自分の呼吸に意識を集中する(「呼吸を感じ続ける」)
④ 雑念をはらう。
⑤ 部屋の空気の動きや部屋の広さを感じたりして、こころを空虚にする。
⑥ 10分くらいで、まぶたの裏に注意を移し、目を開く。

 開発者のところではこれらの方法を8週間行うと言うことですが、いまや大手企業や役所、病院などでもマインド・フルネスは大流行みたいなことを言っていました。宇宙飛行士もでていて、訓練や宇宙基地でも取り入れているとか。

 これは要するに「瞑想」です。メディテーションというやつ。
 したがって、日本では、禅の修行をはじめ、こころを落ち着ける方法として一般的と言ってもいいかと思います。
 ただし、要の点は、身体の力を抜くと言うこと。
 座禅も慣れるまでは、身体の力を抜くことが非常に困難です。
 それと、特に普段意識しない顔のりきみを取るのは、大事です。

 このメンタル・フルネスによって、扁桃体をコントロールする前頭前野の活動が活性化して、扁桃体の働きを抑えることにより、ストレスフルを改善するというメカニズムらしいです。

 当方では、「簡易筋弛緩法」を紹介していますが、これでりきみを取って、瞑想に入るとどうなるでしょうか。
 一度ヒマなときにやってみたいと思っています。
 じゃんじゃんと。

※ 番組でも、何回も注意が流れていましたが、これらの方法は精神疾患で治療中の場合、別な反応になる可能性がありますので、主治医と相談してから行うべきです。