シリーズ 医療について考えた その4 ついて回る夜勤 ― 2016年02月29日 09:50
今日は4年に一度の閏年の29日ですね。
さてさてさて、どうでしょうか。いままで述べてきた医療職場の問題点に関する考察はどうでしょうか。
私の考えは浅はかですか?
4回目は、「夜勤」問題です。
看護労働は24時間ですから、どうしても「夜勤」というのがついて回ります。じつはここが一番の要なのです。
夜勤は、若いうちは「稼げる」ということなのですが、家庭を持つことになった途端に、特に子供が授かった途端に、えらいことになるのです。
看護労働は単純にいうと、「日勤」、「準夜勤」、「深夜勤」があります。
ここで問題は二つ。「正循環」か「逆循環」か、ということと、月何回かということ。
まず、「正循環」とは、「日勤」→「準夜勤」→「深夜勤」→「明け」→「公休」というふうに、勤務開始がだんだん後ろに行くのが「正循環」。
逆に、「日勤」→「深夜勤」→「準夜勤」→「明け」→「公休」と、勤務開始がだんだん前に来ることを「逆循環」といいます。
実は、時差ボケにも正循環と逆循環があります。ハワイは日本より19時間遅い、つまり6時間進んでいるので、日本にいるときよりも6時間早く寝ないといけません。人間は早く寝るのは苦手なので、ハワイの時差ボケは逆循環になります。
それに対してフランスは日本より8時間遅いので、日本にいるときより8時間余計に起きている必要があります。しかしこれは夜更かしをどんどんしていけばよいことになるので、フランスの時差ボケは正循環になり、ハワイの時差ボケよりも解消しやすいのです。
これは体内時計が25時間であることとも関係しています。
実態はどうでしょうか。
「医労連」の調査です。
2009年より2013年は夜勤回数が増加し、
3交替では、9日以上夜勤が36.6%(4.9ポイント増)、
2交替では5回以上が41.0%(3.4ポイント増)と4割を超えています。
夜勤の拘束時間は、2交替では16時間以上が53.9%を占めています。
では、一番短い勤務間隔(残業した場合はその終了時からの時間)は、
全体では8時間未満が41%、
12時間未満が70%、
3交替では4時間未満が7.5%、
8時間未満が48.4%と約半数を占めます。
現在の三交替の多くが、「日勤・深夜」、「準夜・日勤」など、逆循環で短い勤務間隔のキツイ勤務となっていることがデータからもわかります。
このような体制が改まらない限り、潜在看護師の職場復帰は進みません。「寝るまもなく働く」ことになるからです。
もう一つの問題「夜勤回数」。
北海道の実態報告でも、三交代で「準夜勤」と「深夜勤」を合計すると月に8回以上。多い場合は13回程度となっていますし、2交替(日勤と16時間の夜勤)では、平均で5回、多い場合は6回と報告されています。
深夜勤には2~3時間の「仮眠時間」がありますが、聞くところでは、患者に呼ばれてほとんど睡眠をとる時間はないとか。
看護師に「睡眠薬はつきもの」といわれていることをご存じですか?
医師は「当直」で看護師は「夜勤」であるとか?「当直」というのは労働時間に入らないそうで、医師は当直明けでそのまま日勤業務に入るという勤務形態が日常茶飯事となっています。しかしどちらも日常勤務と変わらない「労働」であるにも関わらず、労働基準監督署や厚労省はあくまで黙認を決めこんでいるのが現状のようです。
一般的に 夜勤というのは 通常業務の一部が夜間にもあることを言い、看護師 工場や道路工事などにもあります。
一方、当直は もしかして何かおこるかもしれないというときの備えのために泊り込むもので、市役所の災害対策や、警察の刑事部、アナウンサー、医者などということになっています。
正確なことははっきりしませんが、普通の企業で言うと、「当直」とは日常業務をするわけではなく「防犯の為の夜間の見回りをやってる」などということになりますが、これも労働であることに変わりありませんから、本来区別できることではありませんけど、昔からの習わしでやっている場合もあるようです。
看護師が、「当直」と言うことで、通常の10:1位の勤務人数の上、褥瘡(じょくそう)対策やナースコール対応などをしていたら、それは「夜勤」です。
そのほか、「オンコール」という自宅待機もありますけど、これは「持ち帰り残業」と同じで、労働時間です。ただし、待機時間と同じに1時間を0.5時間とカウントされるかもしれません。
さて、重大な問題がごく最近改訂されました。
それは、「夜勤時間は平均で72時間を超えてはならない」という、いわゆる72時間ルールのことです。
2016.2.10中央社会保険医療協議会 総会(第328回)で、夜勤の上限とされる「月あたり72時間」の規制が緩和されてしまいました。
看護職員の夜勤時間は、入院基本料の算定要件に含まれ、看護職員1人当たりの月平均夜勤時間数が72時間以下であることが求められる(=「72時間ルール」)がありました。月平均夜勤時間数の計算方法は、月当たり夜勤時間数が16時間以下の者は含まないとされていましたが、この計算方法の見直しを厚労省が今回提案しました。
制度では、この「72時間ルール」を遵守できなかった場合、月の入院基本料が2割減になり、その3カ月以内に改善できなかった場合は特別入院基本料(7対1入院基本料のおよそ3分の1)しか算定できなくなるというペナルティがありました。
しかし、漏れ聞くところでは、15時間以下はいままで通り含まないが、16時間は含むことにするということらしいです。
これでどうなるかというと、72時間-16時間=56時間分が、月16時間夜勤をする人以外の他の人が月72時間を超えて夜勤をする(3交替で10回以上、2交替で5回以上)するようになるか、誰かにしわ寄せして月のほとんどが夜勤という勤務もあり得るわけでして、とにかく「月平均72時間」に納めたらOKということがまかり通ることになります。
おそらく、72時間平均が超えそうになったら、誰か日勤者を16時間未満で夜勤したことにするということもあり得るかもしれません。
はてさて、人の命を預かるはずの医療職場には、安全衛生の観点から見ても、まだまだ多くの問題がありそうです。
ということで、話は続きます。
じゃんじゃん。
さてさてさて、どうでしょうか。いままで述べてきた医療職場の問題点に関する考察はどうでしょうか。
私の考えは浅はかですか?
4回目は、「夜勤」問題です。
看護労働は24時間ですから、どうしても「夜勤」というのがついて回ります。じつはここが一番の要なのです。
夜勤は、若いうちは「稼げる」ということなのですが、家庭を持つことになった途端に、特に子供が授かった途端に、えらいことになるのです。
看護労働は単純にいうと、「日勤」、「準夜勤」、「深夜勤」があります。
ここで問題は二つ。「正循環」か「逆循環」か、ということと、月何回かということ。
まず、「正循環」とは、「日勤」→「準夜勤」→「深夜勤」→「明け」→「公休」というふうに、勤務開始がだんだん後ろに行くのが「正循環」。
逆に、「日勤」→「深夜勤」→「準夜勤」→「明け」→「公休」と、勤務開始がだんだん前に来ることを「逆循環」といいます。
実は、時差ボケにも正循環と逆循環があります。ハワイは日本より19時間遅い、つまり6時間進んでいるので、日本にいるときよりも6時間早く寝ないといけません。人間は早く寝るのは苦手なので、ハワイの時差ボケは逆循環になります。
それに対してフランスは日本より8時間遅いので、日本にいるときより8時間余計に起きている必要があります。しかしこれは夜更かしをどんどんしていけばよいことになるので、フランスの時差ボケは正循環になり、ハワイの時差ボケよりも解消しやすいのです。
これは体内時計が25時間であることとも関係しています。
実態はどうでしょうか。
「医労連」の調査です。
2009年より2013年は夜勤回数が増加し、
3交替では、9日以上夜勤が36.6%(4.9ポイント増)、
2交替では5回以上が41.0%(3.4ポイント増)と4割を超えています。
夜勤の拘束時間は、2交替では16時間以上が53.9%を占めています。
では、一番短い勤務間隔(残業した場合はその終了時からの時間)は、
全体では8時間未満が41%、
12時間未満が70%、
3交替では4時間未満が7.5%、
8時間未満が48.4%と約半数を占めます。
現在の三交替の多くが、「日勤・深夜」、「準夜・日勤」など、逆循環で短い勤務間隔のキツイ勤務となっていることがデータからもわかります。
このような体制が改まらない限り、潜在看護師の職場復帰は進みません。「寝るまもなく働く」ことになるからです。
もう一つの問題「夜勤回数」。
北海道の実態報告でも、三交代で「準夜勤」と「深夜勤」を合計すると月に8回以上。多い場合は13回程度となっていますし、2交替(日勤と16時間の夜勤)では、平均で5回、多い場合は6回と報告されています。
深夜勤には2~3時間の「仮眠時間」がありますが、聞くところでは、患者に呼ばれてほとんど睡眠をとる時間はないとか。
看護師に「睡眠薬はつきもの」といわれていることをご存じですか?
医師は「当直」で看護師は「夜勤」であるとか?「当直」というのは労働時間に入らないそうで、医師は当直明けでそのまま日勤業務に入るという勤務形態が日常茶飯事となっています。しかしどちらも日常勤務と変わらない「労働」であるにも関わらず、労働基準監督署や厚労省はあくまで黙認を決めこんでいるのが現状のようです。
一般的に 夜勤というのは 通常業務の一部が夜間にもあることを言い、看護師 工場や道路工事などにもあります。
一方、当直は もしかして何かおこるかもしれないというときの備えのために泊り込むもので、市役所の災害対策や、警察の刑事部、アナウンサー、医者などということになっています。
正確なことははっきりしませんが、普通の企業で言うと、「当直」とは日常業務をするわけではなく「防犯の為の夜間の見回りをやってる」などということになりますが、これも労働であることに変わりありませんから、本来区別できることではありませんけど、昔からの習わしでやっている場合もあるようです。
看護師が、「当直」と言うことで、通常の10:1位の勤務人数の上、褥瘡(じょくそう)対策やナースコール対応などをしていたら、それは「夜勤」です。
そのほか、「オンコール」という自宅待機もありますけど、これは「持ち帰り残業」と同じで、労働時間です。ただし、待機時間と同じに1時間を0.5時間とカウントされるかもしれません。
さて、重大な問題がごく最近改訂されました。
それは、「夜勤時間は平均で72時間を超えてはならない」という、いわゆる72時間ルールのことです。
2016.2.10中央社会保険医療協議会 総会(第328回)で、夜勤の上限とされる「月あたり72時間」の規制が緩和されてしまいました。
看護職員の夜勤時間は、入院基本料の算定要件に含まれ、看護職員1人当たりの月平均夜勤時間数が72時間以下であることが求められる(=「72時間ルール」)がありました。月平均夜勤時間数の計算方法は、月当たり夜勤時間数が16時間以下の者は含まないとされていましたが、この計算方法の見直しを厚労省が今回提案しました。
制度では、この「72時間ルール」を遵守できなかった場合、月の入院基本料が2割減になり、その3カ月以内に改善できなかった場合は特別入院基本料(7対1入院基本料のおよそ3分の1)しか算定できなくなるというペナルティがありました。
しかし、漏れ聞くところでは、15時間以下はいままで通り含まないが、16時間は含むことにするということらしいです。
これでどうなるかというと、72時間-16時間=56時間分が、月16時間夜勤をする人以外の他の人が月72時間を超えて夜勤をする(3交替で10回以上、2交替で5回以上)するようになるか、誰かにしわ寄せして月のほとんどが夜勤という勤務もあり得るわけでして、とにかく「月平均72時間」に納めたらOKということがまかり通ることになります。
おそらく、72時間平均が超えそうになったら、誰か日勤者を16時間未満で夜勤したことにするということもあり得るかもしれません。
はてさて、人の命を預かるはずの医療職場には、安全衛生の観点から見ても、まだまだ多くの問題がありそうです。
ということで、話は続きます。
じゃんじゃん。
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