大人のADHD その6 おわり2016年05月06日 10:39

 さあ、いよいよADHDのまとめ。治療についてです。

 治療すべきかどうかは、本人が自覚して生活や社会活動で困っているか、会社の同僚や家族など周りが困っていれば、治療に向かうべきなのですが、一番困難なのは、「本人の自覚」でしょう。

 いままでまとめてきたとおりでいろいろな不都合があれば、それを本人と話し合うことから始まります。
 そのためには、このシリーズ程度の基礎知識が必要です。

 具体的に治療と言うことになれば、精神科でも「発達障害」を特に標榜するところが一番ですが、なかなかありませんし、あっても子供専門などというところです。
 したがって、大人のADHDは一般の精神科や心療内科で見てもらうことになります。まあその前に精神保健センターに相談することもできます。

<北海道(札幌市を除く)>
〒003-0027
北海道札幌市白石区本通16丁目北6番34号
代表電話011-864-7121
FAX011-864-9546

<札幌市>
札幌こころのセンター(札幌市精神保健福祉センター)
〒060-0042 札幌市中央区大通西19丁目 WEST19 4階
電話番号:011-622-0556
ファクス番号:011-622-5244

 そして、まず「自覚する」ことが成功したら、「心理療法」から始めましょう。
 その他の重篤な精神症状に比べて、深刻ではないかもしれませんが、小さいときから叱責を受けたり、自己評価がいつも低いなど、心理的に弱っている場合が多く、下手をすると二次障害(うつ病など)の可能性もあります。
 ADHDは「困っていること」を修正する「コーチング」で一つずつなおしていきます。「目標設定」と「達成」を繰り返します。

 「家族療法」もありますが、これは、家族だけではなく、医師やカウンセラーが介在して、本人の気付きと家族の困っていることをつきあわせ、改善の方法を探していきます。
 同様なものに、「集団療法」もあって、小グループで専門家が話し合いをサポートします。

「薬物療法」は「コンサータ」と「ストラテラ」という薬を使います。
 「コンサータ」は中枢神経刺激剤で多動性や衝動性を抑える効果があります。
 「ストラテラ」は選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤で、不安や緊張の高い人に向きます。
 どちらが効くかは試してみなければと言うことになります。

 最後に、二次障害の問題に触れます。
 家庭的にあるいは社会的に「特異な」面を持っているのがADHDです。それらが災いして、うつ病や不安障害、強迫性障害などと診断されることがありますが、根底にあるADHDを治療することによってこれらの二次障害が改善されることも多くあります。
 これらの対応を適切に、あるいは円滑に進めるには、「特異面の発揮」の舞台となる家庭と職場の連携が大事です。
 発達障害の治療は「もう遅い」などと言うことはありません。
 困っていれば、専門家に相談してみましょう。

 ということで、ADHDはここまでです。
 とりあえず、次は「アスペルガー」に取り組みます。そのうちに。
 じゃんじゃんと。

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