NHKスペシャル 貧者の兵器とロボット兵器2010年10月21日 09:33

 最近はどうも気分が乗らなくて、全然だめです。
 ところで、標題の番組を見たでしょうか。非常にショックが大きい番組でした。
 内容は、アフガニスタンのタリバンと米軍の戦いで、米軍は遠隔操作の爆撃・偵察ロボットをすでに2万も配置し、人的な損害を無くしてまさにテレビゲームのような戦争をすでに始めており、それに対抗するものとして、タリバン側の貧者の兵器とは自爆攻撃=人間であることを表現したものです。
 番組はタリバン側が宣伝のために公開した自爆攻撃のビデオ(人が吹っ飛ぶ場面もあった)と、自爆に向かう青年の変化、失敗した青年が麻薬漬けであった事実などをつなぎ合わせながら、一方で、米軍のロボット兵器については、士官が必須基礎訓練として操縦を習っている場面や、誘導のために村人を金銭で勧誘し、誘導のためのマイクロチップをタリバン幹部の部屋に投げ入れたこと。そしてそれがばれて処刑されたことなども入れていました。
 特に米軍の爆撃では「本当にそこ(爆撃地点)が戦争のターゲットであるかどうか確信無く行っている」という操縦者の言葉もあって、“憎しみの連鎖”という言葉がどこまで継続するのかという恐ろしさとともに、米国の軍需産業がこの戦争の継続を望んでいることのみが、戦争の理由であるのではないかと感じました。
 戦時国際法というものがあって、非戦闘員は保護されることになっていますが、アフガン戦争で犠牲になっているのはまさに非戦闘員が圧倒的ではないでしょうか。
 東西冷戦の時、米国は自由と民主主義のために戦い続けました。今中東で戦っているのは自由と民主主義ではなく、復讐と石油利権のためです。そしてその現場では、遠く離れた基地からロボット兵器を操縦し、めくら爆撃を行って、非戦闘員であろうと無かろうと、区別無く殺戮を行っています。これが正義の闘いであるわけがありません。
 かつて日本も特攻や回天や桜花という自爆攻撃を実行しました。それで失った人材の損失は計り知れないものがあったと思います。それが今、中東で行われ続けているのです。しかもロボット兵器という無機質な敵に対して。もしかすると、もしかすると、米軍はアフガンで核兵器を使用するかもしれません。この危惧は高まりました。
 このような野蛮を阻止できるのは今や英雄ではなく、国際世論だと思います。
 経済戦争も熾烈ですが、物理戦争も未だ盛んです。関心と声を上げ続けたいと思います。