5区補選をめぐる報道の行き過ぎ2010年10月25日 16:50

 5区で町村が勝った。しかしほんとに勝利といえるのか。投票率が22%も下がった結果を考えると、いわゆる浮動票が投票に行かなかった結果が大きく影響したと思うし、それがいわゆる政権批判なのかというと、少し違うのではないかと思う次第。
 大きな原因は、小林選対の金問題であることは明かだろうし、これはルールを守れなかったこととして真摯な反省が必要だろうと思う。政治団体を通じてきちんとした献金であったなら、誰にも文句は言われないところだろう。今の法律に沿って。
 しかし、マスコミと札幌地検はとんでもない極悪犯罪とばかりに一種の「魔女狩り」で小林を葬り、民主党極悪人のイメージを躍起になって作った。これらの手法は、経験的に町村の手法であり、隙を見せた民主党の負けであることは、その筋の人間ならほぼ誰でも認識できるだろう。
 だからといって町村の勝ちを無効だと言うつもりはないが、これらの情勢を打破できなかった民主党側に、何というか、無力感を感ずる。
 せっかく与党となっているのに、その権力を活用しないで、なすがままに自民党の役立たずを勝利させた原因は、ひとえに民主党の選挙下手にあるのではないか。権力の有効活用といっても、地検を押さえ込むとか餌をばらまくということではない。
 5区といえども広い地域で、都市型、農業や土建、自衛隊など地域の特色を持っており、それぞれに有効な対策を講じないまま、ただ後ろ向きの雰囲気で小手先に終わったという印象が強い。それでも10万に近い得票ができたことはむしろ驚異的といえないだろうか。
 敗因としては、まず、候補者選びが唐突であったこと、これに関連して候補者の顔が見えなかったこと、選挙をになう側に積極的な動機作りがなされなかったことなどが、言えるのではないだろうか。決して国民が「全国的」に民主党内閣に不信を突きつけたとする「曲解」は当たらないし、マスコミの謀略といえるものだろう。
 この闘いで言えることはただ一つ。このままでは、来年の知事選も同じだということのみ。じゃんじゃん。