メンタル不調者の職場復帰支援セミナー ― 2013年01月28日 12:16
標題のセミナーが開催され、参加しました。
セミナーはグループワークで始まりました。テーマは「職場復帰に関しての悩み」でそれぞれの職場での悩みや困っていることを出し合いましたが、休養期間が満了したときの対処や、休養が必要なのかどうかの判断は誰がするのか、復帰後の就業制限に対する周囲の理解を得るためには、病気の情報共有をどこまでしたらいいのかなど、それぞれの職場で共通した悩みがあることがわかりました。
講師の中外製薬統括産業医の難波克行医師は、これらの悩みをグループから聞いた後、復帰率が5割から9割に劇的にあがった中外製薬の産業医として、制度変更の過程や考え方、社内の認識の統一などについて詳しく説明されました。
中外製薬でも制度変更の前は、復職判定や就業制限が現場任せであったため、「内勤」部門にメンタル復帰者が溜まっていくことや、復帰しても3ヶ月程度で「燃え尽きる」ため再発するなど、うまく復帰プログラムが機能せず、再発率は平均的といわれる5割くらいでしたが、制度変更後はこれまでの4年間で9割前後の実績を維持しています。これは、従来、厚生労働省が示してきた「段階的復帰」を主とする復帰プログラムが、どうもよく機能しない、効果を上げていないことからすると、まさに驚異的な実績であり、しかも制度変更自体は特別に産業衛生スタッフを大幅に増やすこともなく、低コストで実現しています。
まず取り組んだのは休業者に「生活記録表」を2週間つけてもらうことで、その表により休業者の生活リズムが正確に把握できるとともに、その情報が職場と労務担当、産業医で共通情報となったため、復帰判断が適切にできるようになったことがあげられます。表自体は睡眠状況や食事・服薬、外出など簡単なものですが、書いてもらうタイミングは病状のきつい休業初期ではなく、主治医と連携してある程度回復に向かってからにしているとのことでした。
二つ目は、復職プランを現場任せにしないで、産業医や人事スタッフも関与して、本人や職場に無理のない復帰プランを作る「全社復職プラン検討会」を創設し、就業規則に定められた6ヶ月間の復帰職場や業務軽減などについて、産業保健スタッフと人事担当者、管理監督者が合議した上でプランを立てるようになったことです。しかもその復職プランが職種別なモデルとして全国各地で活用されているということでした。
そして、三つ目に産業医面談を休業中から復帰後6ヶ月間は月1回定期化して、状況把握をさらに綿密にすることにしました。これらを通じて産業医と人事が緊密に連携をとり、見通しを共有できるようになったことで、復帰支援が円滑になったと言うことです。
参加しての感想では、産業医が常駐できている職場では、確かに綿密なケアができるかもしれませんが、多くの、ほとんどの職場ではせいぜい月一回の産業医巡視でしかないわけで、この成功事例をそのまま取り入れることは困難だとしても、一つの方法が示されたものと感じましたし、中小職場での実践につては、下記の資料も示されています。それと、職場の理解を「腫れ物にさわるような」理解から、「休まれるよりも少しずつならしていく方が戦力になる」と変えることができたのは、やはりすばらしいと感じました。
ただ、発生率は大きく変わらないということも前に聞いていましたので、今度は一次予防に取り組んでもらいたいモンです。
久しぶりの、じゃんじゃん。
参考HP http://e-doc.xii.jp/fukushoku
セミナーはグループワークで始まりました。テーマは「職場復帰に関しての悩み」でそれぞれの職場での悩みや困っていることを出し合いましたが、休養期間が満了したときの対処や、休養が必要なのかどうかの判断は誰がするのか、復帰後の就業制限に対する周囲の理解を得るためには、病気の情報共有をどこまでしたらいいのかなど、それぞれの職場で共通した悩みがあることがわかりました。
講師の中外製薬統括産業医の難波克行医師は、これらの悩みをグループから聞いた後、復帰率が5割から9割に劇的にあがった中外製薬の産業医として、制度変更の過程や考え方、社内の認識の統一などについて詳しく説明されました。
中外製薬でも制度変更の前は、復職判定や就業制限が現場任せであったため、「内勤」部門にメンタル復帰者が溜まっていくことや、復帰しても3ヶ月程度で「燃え尽きる」ため再発するなど、うまく復帰プログラムが機能せず、再発率は平均的といわれる5割くらいでしたが、制度変更後はこれまでの4年間で9割前後の実績を維持しています。これは、従来、厚生労働省が示してきた「段階的復帰」を主とする復帰プログラムが、どうもよく機能しない、効果を上げていないことからすると、まさに驚異的な実績であり、しかも制度変更自体は特別に産業衛生スタッフを大幅に増やすこともなく、低コストで実現しています。
まず取り組んだのは休業者に「生活記録表」を2週間つけてもらうことで、その表により休業者の生活リズムが正確に把握できるとともに、その情報が職場と労務担当、産業医で共通情報となったため、復帰判断が適切にできるようになったことがあげられます。表自体は睡眠状況や食事・服薬、外出など簡単なものですが、書いてもらうタイミングは病状のきつい休業初期ではなく、主治医と連携してある程度回復に向かってからにしているとのことでした。
二つ目は、復職プランを現場任せにしないで、産業医や人事スタッフも関与して、本人や職場に無理のない復帰プランを作る「全社復職プラン検討会」を創設し、就業規則に定められた6ヶ月間の復帰職場や業務軽減などについて、産業保健スタッフと人事担当者、管理監督者が合議した上でプランを立てるようになったことです。しかもその復職プランが職種別なモデルとして全国各地で活用されているということでした。
そして、三つ目に産業医面談を休業中から復帰後6ヶ月間は月1回定期化して、状況把握をさらに綿密にすることにしました。これらを通じて産業医と人事が緊密に連携をとり、見通しを共有できるようになったことで、復帰支援が円滑になったと言うことです。
参加しての感想では、産業医が常駐できている職場では、確かに綿密なケアができるかもしれませんが、多くの、ほとんどの職場ではせいぜい月一回の産業医巡視でしかないわけで、この成功事例をそのまま取り入れることは困難だとしても、一つの方法が示されたものと感じましたし、中小職場での実践につては、下記の資料も示されています。それと、職場の理解を「腫れ物にさわるような」理解から、「休まれるよりも少しずつならしていく方が戦力になる」と変えることができたのは、やはりすばらしいと感じました。
ただ、発生率は大きく変わらないということも前に聞いていましたので、今度は一次予防に取り組んでもらいたいモンです。
久しぶりの、じゃんじゃん。
参考HP http://e-doc.xii.jp/fukushoku
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