大人のADHD その2 ― 2016年04月25日 09:30
さて、大人のADHD。続きです。
よく言われることですが、ADHDには2タイプあります。
「ジャイアン型」と「のび太型」です。あのドラえもんに出てくる子供たちですね。
「ジャイアン型」というのは、多動・衝動優先型で、したがって落ち着きが無く、我慢することが苦手であり、感情の起伏が激しくて、いじめっ子になりやすい。
「のび太型」は、ドジでぼんやりしていて、根気強くすることが苦手であり、いじめられっ子になりやすい。
子供ではだいたい5%位はADHDといわれていますが、大人でも、3%くらいいるのではないかと考えられます。
雇用労働者6,500万人の3%と言うと、約200万人です。
「多いね」でしょうか?「まあまあかな?」でしょうか。
職場の中では、こんな感じの人になります。
・折り返しの電話を忘れる
・人の発言に割り込む。
・借りたものを返さない。
・早とちりが多い。
・転職が多い。
・スピード違反や駐車違反が多い。
・他の人をせかす。
・誘惑に弱く、浪費しがち。
・ギャンブルにのめり込む。
一方、家庭では、こんな感じのことになります。
・食器がたまっている。
・炊事の段取りができない。
・家計のきりもりが下手。
・いざというときの備えができない。
・保険証や通帳など大事なものがいつも見つからない。
・あれこれ興味を持って始めるが続けられない。
・計画的に物事が進められない。
これらのことは、子供のときには、親が「しょうがないなぁ」と何とかしてくれていましたが、大人になると、特別には誰もやってくれません。当然ながら。また、自立した生活ではやるべきことが大幅に増えます。そして行ったことの責任はその人のものとなりますから、したがって、大人のADHDは目立つことになります。
○ ADHDとアスペルガー
よく比較されるものに「アスペルガー症候群(AS)」があります。しかし、ADHDとASの大きな違いは「対人関係」で見られます。
ADHDは対人関係で「どうすべきか」はわかっているのに「できない」のであり、ASは「どうすべきかわからない」のです。
その結果、次のようなことが起こります。
<遅刻や朝の支度>
ADHD~気が散りやすくうまくいかない。すべきことをすぐ忘れるので場当たり的。
AS~一つのことにとらわれて流れがうまくこなせない。何かに気を取られると時間を忘れてしまう。
<期限に間に合わない>
ADHD~面倒なことは先延ばし。ぎりぎりに取りかかってやっつけ仕事。
AS~興味関心のあること以外やろうとしない。完璧を求めすぎて納得しないと外に出さない。
<忘れっぽい>
ADHD~記憶容量がもともと少ないので忘れやすい。
AS~関心度合いにより極端になる。常に頭はフル回転のため、他に注意が回らない。一連のつながりを理解することが苦手。
<片付け>
ADHD~やりっ放しが多い。後片付けに気が回らない。やろうと思っても忘れてしまう。
AS~ものへの執着が強く捨てられない。ただし、優先順位はつけられない。やり始めると完璧を求めすぎ、ほどほどにできない。
<衝動的に話す>
ADHD~考えずに思ったことを言ってしまい、あとから後悔する。言うべきかどうかは理解できる。
AS~自分が正しいと思ったことは言わないと気が済まない。言ったことを他人がどう受け取るかが理解できない。
<相手を怒らせる>
ADHD~遅刻やミスで他人の怒りを買うことは多いが、怒る人の気持ちはくみ取れる。
AS~失礼な態度や発言をよくするが、相手がなぜ怒っているのか理解できない。
○ ADHDと学習障害(LD)
ADHDとLDは併発しやすいようです。
LDはIQは標準でも、「読字障害」、「算数障害」、「書字障害」を持っている状態を言います。
LDだと、授業について行くことは至難です。飲み込みが悪いなど自己評価の低い日々を過ごします。
算数障害があると、金銭管理が苦手になります。買い物の釣り銭は店員の出すがままになりますし、小銭がうまく使えないため、財布の中はいつも小銭だらけになります。これは認知症でも似たようなことは起こりますけど。
ローンやカードの損得がわからず、消費弱者になりやすくなります。
書字障害は、最近PCの普及で増えていませんか?
私も、会議のメモがひらがなだらけになってきています。漢字がとっさに出ないからです。「便利の不便」でしょうか。
このほか、ADHDに似た症状は、うつ病や双極性障害でも出ますので、これはもう専門家(精神科医)の出番です。
ところで、ADHDは実は一つの才能でもあります。
というのは、既成のルールや常識にとらわれないことが、誰も思いつかない異様な斬新なアイディアを導くなど、創造性や独創性につながるからです。
芸術や発明、起業などではうまく能力を発揮することもあります。また、素早い判断は、危険な職業や災害現場などで能力を認められることもあるかもしれません。
十人十色、人もいろいろ、職場もいろいろといって人気を取り、その裏で国の膨大な借金を作った総理大臣もいましたが、案外、ADHDであったかもしれませんよ。とても変わった人ですから。
つうこって、じゃんじゃん。
よく言われることですが、ADHDには2タイプあります。
「ジャイアン型」と「のび太型」です。あのドラえもんに出てくる子供たちですね。
「ジャイアン型」というのは、多動・衝動優先型で、したがって落ち着きが無く、我慢することが苦手であり、感情の起伏が激しくて、いじめっ子になりやすい。
「のび太型」は、ドジでぼんやりしていて、根気強くすることが苦手であり、いじめられっ子になりやすい。
子供ではだいたい5%位はADHDといわれていますが、大人でも、3%くらいいるのではないかと考えられます。
雇用労働者6,500万人の3%と言うと、約200万人です。
「多いね」でしょうか?「まあまあかな?」でしょうか。
職場の中では、こんな感じの人になります。
・折り返しの電話を忘れる
・人の発言に割り込む。
・借りたものを返さない。
・早とちりが多い。
・転職が多い。
・スピード違反や駐車違反が多い。
・他の人をせかす。
・誘惑に弱く、浪費しがち。
・ギャンブルにのめり込む。
一方、家庭では、こんな感じのことになります。
・食器がたまっている。
・炊事の段取りができない。
・家計のきりもりが下手。
・いざというときの備えができない。
・保険証や通帳など大事なものがいつも見つからない。
・あれこれ興味を持って始めるが続けられない。
・計画的に物事が進められない。
これらのことは、子供のときには、親が「しょうがないなぁ」と何とかしてくれていましたが、大人になると、特別には誰もやってくれません。当然ながら。また、自立した生活ではやるべきことが大幅に増えます。そして行ったことの責任はその人のものとなりますから、したがって、大人のADHDは目立つことになります。
○ ADHDとアスペルガー
よく比較されるものに「アスペルガー症候群(AS)」があります。しかし、ADHDとASの大きな違いは「対人関係」で見られます。
ADHDは対人関係で「どうすべきか」はわかっているのに「できない」のであり、ASは「どうすべきかわからない」のです。
その結果、次のようなことが起こります。
<遅刻や朝の支度>
ADHD~気が散りやすくうまくいかない。すべきことをすぐ忘れるので場当たり的。
AS~一つのことにとらわれて流れがうまくこなせない。何かに気を取られると時間を忘れてしまう。
<期限に間に合わない>
ADHD~面倒なことは先延ばし。ぎりぎりに取りかかってやっつけ仕事。
AS~興味関心のあること以外やろうとしない。完璧を求めすぎて納得しないと外に出さない。
<忘れっぽい>
ADHD~記憶容量がもともと少ないので忘れやすい。
AS~関心度合いにより極端になる。常に頭はフル回転のため、他に注意が回らない。一連のつながりを理解することが苦手。
<片付け>
ADHD~やりっ放しが多い。後片付けに気が回らない。やろうと思っても忘れてしまう。
AS~ものへの執着が強く捨てられない。ただし、優先順位はつけられない。やり始めると完璧を求めすぎ、ほどほどにできない。
<衝動的に話す>
ADHD~考えずに思ったことを言ってしまい、あとから後悔する。言うべきかどうかは理解できる。
AS~自分が正しいと思ったことは言わないと気が済まない。言ったことを他人がどう受け取るかが理解できない。
<相手を怒らせる>
ADHD~遅刻やミスで他人の怒りを買うことは多いが、怒る人の気持ちはくみ取れる。
AS~失礼な態度や発言をよくするが、相手がなぜ怒っているのか理解できない。
○ ADHDと学習障害(LD)
ADHDとLDは併発しやすいようです。
LDはIQは標準でも、「読字障害」、「算数障害」、「書字障害」を持っている状態を言います。
LDだと、授業について行くことは至難です。飲み込みが悪いなど自己評価の低い日々を過ごします。
算数障害があると、金銭管理が苦手になります。買い物の釣り銭は店員の出すがままになりますし、小銭がうまく使えないため、財布の中はいつも小銭だらけになります。これは認知症でも似たようなことは起こりますけど。
ローンやカードの損得がわからず、消費弱者になりやすくなります。
書字障害は、最近PCの普及で増えていませんか?
私も、会議のメモがひらがなだらけになってきています。漢字がとっさに出ないからです。「便利の不便」でしょうか。
このほか、ADHDに似た症状は、うつ病や双極性障害でも出ますので、これはもう専門家(精神科医)の出番です。
ところで、ADHDは実は一つの才能でもあります。
というのは、既成のルールや常識にとらわれないことが、誰も思いつかない異様な斬新なアイディアを導くなど、創造性や独創性につながるからです。
芸術や発明、起業などではうまく能力を発揮することもあります。また、素早い判断は、危険な職業や災害現場などで能力を認められることもあるかもしれません。
十人十色、人もいろいろ、職場もいろいろといって人気を取り、その裏で国の膨大な借金を作った総理大臣もいましたが、案外、ADHDであったかもしれませんよ。とても変わった人ですから。
つうこって、じゃんじゃん。
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