くだらない集団的自衛権論争 ― 2014年05月16日 10:35

 安倍晋三が調子に乗って、集団的自衛権を憲法解釈変更で乗り切ろうとしている。実にくだらない行為であり、それに異を唱えない(支持率が下がらない)国民にもあきれたモンだ。

 そもそも、国連憲章は以下のようになっている。

 「第7章 平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動」において、第42条〔軍事的措置〕では「安全保障理事会は、第41条に定める措置では不十分であろうと認め、又は不十分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍又は陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる。」と規定し、第51条〔自衛権〕では「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国が措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。」としている。
 つまり、国際的な枠組みでは、国際紛争を安保理がコントロ-ルすることを原則とし、「急迫不正の侵害があること(急迫性、違法性)」、「他にこれを排除して、国を防衛する手段がないこと(必要性)」、「必要な限度にとどめること(相当性、均衡性)」がある場合に、すでに明確な攻撃が認められる場合に限って、個別的・集団的自衛権を認めており、行使後は速やかに安保理に報告することになっている。

 これは国連に加盟する以上、守るべき枠組みであり、はみ出してはならないものだと理解する。ただし、「拒否権」問題で、安保理が有効に機能しているかどうかと言うことは、別にある。

 一方、日本国憲法は、第9条で「国の交戦権はこれを認めない」と宣言しているのだから、仮に日本を他国が攻撃する事態になっても、反撃しないで、国連安保理の始動を待つことになる。
 ただ、現状は、自衛隊が存在して、抑止力を誇示しているが、実際行動では、専守防衛を基本に、日本の領土・領海・領空を侵犯するものに対しては、「排除行動」を取ることになり、さらに日米安保が発動されれば、それに米軍が参加することになる。日米安保を国民が否定しない限り、現状ではそのように機能するはずである。
 この状況である限り、日本国自衛隊の「排除行動」は個別的自衛権の範囲であり、米国が集団的自衛権を行使することになるから、今更特別に憲法解釈の変更など必要ない。

 ではなぜ今安倍晋三が集団的自衛権問題を持ち出したか。
 昨年秋に日米と米韓は個別に「先制的自衛権」の議論をはじめた。これは北朝鮮がミサイルによる核攻撃を企図したと明確になった場合に、「先制的自衛権」をもって、事前に先制攻撃を行い発射を阻止するというもので、極めて危険な枠組みであるが、あまり報道では騒がれなかった。
 つまり、今の自衛権論争は、具体的に北朝鮮をターゲットにした先制自衛権論争となっているのである。
 もしそうでないというのであれば反論してほしいが、集団的自衛権行使のみを議論しているとすれば、これほどばかばかしい議論はなく、米国民さえも、「いつから日本はこんなに右翼的になったのか?」と感ずるほど、空虚な、誇大妄想議論だと思う。
 集団的自衛権行使というならば、どの国がどこの国を侵略しようとしているのか、北朝鮮なのか、中国なのか、あるいは韓国なのか。実際にその能力(脅威)が存在するのか。それをまず国の情勢分析として確立してから、「じゃあその際にどのように対処するのか」のなかで、解釈改憲などと言う姑息な手段ではなく、交戦権を規定する憲法改正に進むのが筋ではないか。

 今のところ、国民にその意思はないと思うが、どうだろう。
 じゃんじゃん。

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