シリーズ 睡眠について その16 ぐっすり快眠のために その3 ― 2015年10月23日 09:27
◎ タバコは快眠・熟睡の大敵
寝付けないときに、ついタバコに火をつけてしまう人がいますが、これはわざわざ自分から不眠を招いているようなものです。タバコに含まれるニコチンは刺激が強く、しかも効果が非常に早く表れます。(タバコを吸ってから10秒以内にニコチンは脳に到達します)
ニコチンにはアドレナリンの分泌を促して脳を覚醒させる働きがあるため、体は活動モードに切り替わって血圧や心拍数も上がってしまいます。寝つきは悪くなり、眠れたとしても健全な深い眠りを得ることはできません。
安眠のためだと思って、少なくとも寝る1時間前はタバコを吸わないようにしてください。眠るための儀式としてタバコを吸っている人もいます。自分がリラックするできることであれば、睡眠のための儀式は基本的に何でもOKですが、タバコは数少ない例外です。
寝る前の一服は、リラックスするどころか脳を覚醒させ、寝つきを悪くさせるだけです。タバコを吸う人は、吸わない人に比べて、眠りに落ちるまでの時間が15分程度長いという調査結果もあります。
一般的に、喫煙者のほうがタバコを吸わない人と比べて寝付きが悪く、夜中に目を覚ましやすい傾向があり、睡眠時間の長さも短いようです。実はニコチンはコーヒーに含まれるカフェインよりも強い興奮剤で、あらゆる薬物の中でも中毒性は非常に高いレベルに分類されます。
ヘビースモーカーになると2から3時間で「ニコチン切れ」の状態となるため、夜中でも目が覚めてしまいます。目が覚めるたびに、タバコに火をつけていたのでは不眠症になって当然です。不眠症に悩む喫煙者が、数日間禁煙をするだけで、睡眠障害が軽くなったという報告もあります。いきなり禁煙することはなかなか難しいでしょうから、まずは一日に吸う本数を半分、4分の1と少しずつ減らしていきましょう。体が要求するニコチンの量を減らしていけば、ニコチン切れで夜中に目を覚ますこともなくなっていきます。
世界には、禁煙を促すためにタバコの値段を上げている国があります。イギリスでは20本入りの一箱が約800円、ノルウェーでは約1,000円以上と、日本の250円~300円程度とは大きな違いがあります。一箱が1,000円だとすると、一日一箱吸うとすると、タバコ代が月に3万円にもなります。日本でもタバコの値段は上がる流れにありますから、高くなる前に禁煙をしてしまいましょう。
◎ 寝酒は熟睡を遠ざける
ぐっすり熟睡するために、寝る前にビールを一本、ワインを一杯などとアルコールを飲むことを、いわゆる寝酒といいます。(英語ではナイトキャップといいます)
アルコールには確かに鎮静効果や睡眠促進効果がありますが、人間の体はそのアルコール量にすぐに順応してしまい、効かなくなってしまいます。寝酒の習慣を続けているうちに、睡眠促進効果が下がってきて、同じ効果を得るためには必要なアルコール摂取量がどんどん増えてしまいます。下手をすると、これはアルコール依存につながってしまいますから要注意です。
また、アルコールは入眠を誘う効果はありますが、良質な睡眠を持続させる力はありません。自分では認識していなくても、睡眠中に数分間の中途覚醒が起きて、朝までぐっすり眠ることができません。また、深いレム睡眠の割合は増えますが、睡眠時間の合計は変わらずとても非効率な眠りとなってしまいます。
■飲んだ後は実はよく眠れていない
泥酔してから眠りにつくと、自分では「泥のように」深く眠っているような気がするかもしれませんが、実際には健康的に熟睡できていません。アルコールによって体が一時的な麻痺状態になって強制的に眠らされているだけで、そうした睡眠によって疲労回復することはありません。
飲んで帰ったときは、夜中にトイレに起きてしまい、意識が冴えてしまって眠れなくなった経験はないでしょうか。これはアルコールを体内で分解するのに多大なエネルギーを必要とするために、眠りに入っても体が休息できず、眠りが浅くなってしまうからです。「体の休息」の時間であるはずのレム睡眠も減ってしまいます。
■寝酒に依存するのが一番危険
また、寝酒がエスカレートして、アルコールに依存する状態になるとさらに危険です。「飲まないと眠れない」という状態になると深刻な危険信号です。「酒さえあれば眠れるのに」と精神的に依存するようににない、近くの酒屋やコンビニまで夜中に酒を買いに行ってまで飲もうとします。そして深夜まで飲み続けてしまい、翌朝にはアルコールが抜けないので二日酔いとなります。
こんな生活を続けていると次第に仕事も欠勤がちになり、精神的依存に加えて肉体的依存に発展してしまいます。ここまでくると、イライラ感、不安感、体の震えや発汗、発熱、頭痛、吐き気などの症状が常にあらわれて、正常な社会生活が送れなくなってしまいます。
寝酒の習慣のある人は、飲まずにベッドに入ったときはなかなか眠れないことがあります。お酒がなくては眠れない、ということは決してないので、睡眠をアルコールに依存する状態をなんとか脱却してほしいものです。ただし、寝酒の習慣を急にやめるとその急激な変化に心身が抵抗しますから、徐々に量を減らすようにしてください。少ない量に減らしても、かならず次第に眠れるようになります。
■控えめの量なら問題なし
一般的に、アルコールは精神安定剤としては有効でも、眠るための手段としては害になることのほうが多いのが現実です。
アルコールに頼ることは必ずしも悪いことではないので、睡眠のための環境を整えるといった他の手段と並行して、多少のアルコールを利用することは決して悪いことではありません。ビールなら大ビン一本(630ml)、日本酒なら1合弱が目安です。あくまでも「毎日の習慣」にしないことがもっとも大切です。
◎ 寝る前にテレビとゲームは避ける
ごろんと横になりながら、テレビを見るのが好きな人もいるでしょう。そして、テレビを見ながらいつの間にか寝てしまったという経験は誰でもあるでしょう。
一人暮らしの人の中には、テレビをつけっぱなしにしておかないと眠れないという人もいますが、人がテレビから受ける映像・音声の刺激は決して弱いものではありません。寝る直前までテレビを見ていると、脳が興奮した状態で眠りにつくことになり、寝つきが悪くなる原因となります。
また、テレビをつけっぱなしで寝てしまうと、眠りに入ってからも音がずっと聞こえているので、体は寝ていても無意識に脳はずっと刺激され続けることになり、深い眠りに入ることができません。テレビと同様に、ゲームも脳を強く刺激します。寝る直前にゲームをすることは、脳を覚醒し、安眠を妨げてしまいます。
ぐっすり安眠するためには、寝る直前の刺激はできるだけ少なくしましょう。就寝前のテレビやゲームは避けたほうが、より質の高い安眠を手に入れることができます。脳に過剰な刺激と情報を与えなければ、普通の健康体の人は3~10分程度で眠りに入ることができます。
◎ 週末の朝寝坊と寝だめはダメ!
■週末の寝坊は実は逆効果
仕事があまりに忙しくて残業が続き、平日は慢性的な睡眠不足。週末になると待ってましたとばかりに、昼近くまで眠ってしまうというのが、一般的な会社員の生活ではないでしょうか。しかし、人間は長く眠れば眠るほど疲れが取れるという単純なものではありません。多くの人が経験しているように、あまり長い時間寝てしまうと、逆に疲労感を感じることがあります。これはいわゆる寝疲れと呼ばれるもので、普段より多く寝ることによって体内時計と睡眠のリズムが狂ってしまい、不快な疲労感が残ってしまう現象です。
こうした週末のまとめた睡眠は日頃の睡眠不足を補うために良かれと思ってやったとしても、実はまったくの逆効果です。平日の睡眠時間が短い人は、週末は多少の寝坊はかまいませんが、遅くとも平日の起床時間の2時間後までには起きるようにすると、睡眠リズムの乱れを防ぐことができます。週末でも早く起きれば、より充実した休日を過ごすことができるので、夜は健康的にぐっすり熟睡できることでしょう。そうした活力が次の週を乗り切るエネルギーになりますから、週末の過度の朝寝坊はやめましょう。
人がぐっすり熟睡できるのは眠りの最初の段階だけで、眠りに入ってから3時間くらいの間に深い眠り(ノンレム睡眠)は集中的に発生します。その後は、朝の目覚めの時に向けてだんだん眠りは浅くなっていきます。まだ眠くて朝がつらい時も、そこからさらに眠ろうとしても熟睡することはできません。中途半端な睡眠と覚醒を浅いレベルで繰り返すばかりで、眠りの充実感を得ることはできないのです。よって時間的には長く眠ったつもりでも、体はぐったりした上に精神的にも満足感の少ない状態となり、かえって不満が残ってしまいます。
思い切ってベッドを飛び出して一日の活動をスタートし、活動的な一日を過ごすことができれば、夜になれば充実した熟睡を得ることができるようになります。こちらのほうが肉体的にも精神衛生上もずっと良いでしょう。
■寝だめも睡眠サイクルを乱すだけ
中には、来週からも残業が続くからと、前もって土日続けて長時間「寝だめ」をしようとする人もいます。しかし、人間は寝だめをすることはできませんし、土日だけたくさん寝てしまうと体内時計が狂ってしまい、月曜日からの平日の睡眠サイクルも乱れてしまいます。理想的には週末も平日と同じ時間に起きて、日曜の夜はいつもより少し早く眠りにつくといいでしょう。リフレッシュした気分で元気に月曜日を迎えることができます。平日とまったく同じ時間に起きるのがつらいという人は、週末は少々睡眠時間を増やしてもかまいませんが、1時間程度にしましょう。2時間以上長くしてしまうと、一日のサイクルが乱れてしまいます。
◎ 抱き枕で安心してぐっすり熟睡
女性の間で抱き枕(ボディピロー)の人気が上がってきています。さまざまな形のものがありますが、主流派細長いS字流線型のクッションのようなもので、自然に抱きつきやすい形になっています。
人間はもともと、何かをつかんだり抱きついたりすると安心する習性があります。赤ちゃんは母親に抱きつくと安心して眠ってしまいます。実はこれは大人になってからも本質的には変わっておらず、本能的に何かにつかまりたい、抱きつきたいという欲求があります。
不眠に悩む人は、なんらかの理由で心が不安定で、孤独感を感じている場合が少なくありません。抱き枕を抱くことで、そうした不安や孤独感が癒され、安心して眠れるようになることもあります。抱き枕を抱いていると、自然と体が丸まりますが、この姿勢が実は動物的にはもっとも安定した姿勢だと言われており、安心して眠れる姿勢でもあるようです。
また、単純に横向きで寝るよりも、抱き枕に抱きついて寝たほうが、体にかかる負担が分散し物理的にもラクであることもわかっています。
インテリアとしてもおしゃれな抱き枕は、特に一人暮らしの人にとって安眠アイテムとしておすすめです。
◎ カーテンを少し開けて自然な目覚めを
朝日を浴びることで、人間の脳は覚醒し自然に目覚めるようにできています。遮光カーテンやシャッターを使って、日光を完全に遮断した部屋で寝ている人は、日光が脳を刺激してくれないので寝起きがよくない傾向があります。
すっきりと起きることができない人は、カーテンを少し開けてから寝るといいでしょう。朝起きる頃には少しずつ日の光が自然に差し込んでくるので、スムーズに起きられるようになります。自分よりも早く起きる家族がいる場合は、起きる時間の30分ほど前に、カーテンを少し開けてもらうといいでしょう。
急激に強い光を浴びるとストレスに感じますが、少しずつ明るくなっていく光に対してはうまく適応することができます。よって、完全に朝の日光を遮断してしまう遮光カーテンやシャッターを閉めて寝るよりも、ある程度光を通すカーテンを使ったほうが、朝が来たことを体が自然に知ることができ、すっきり起きることができます。
年とともに、本当に睡眠は浅くなります。夏至の頃の早い朝には、いくらカーテンを閉めていても、明るくて目が覚めてしまうのです。
そこで、「遮光カーテン」がおすすめです。
遮光カーテンには1~3級の等級があります。1級はほとんど光が入りませんので、寝坊癖がある人にはまずいですが、3級は人の顔がわかる程度の暗さです。
ちなみにうちの寝室のカーテンは1級ですが、上下の隙間から多少光が入るので、全く真っ暗ということはありませんが、遮光性のない前のカーテンよりずっと睡眠には貢献しています。
おすすめです。年寄りには。
じゃんじゃん。
寝付けないときに、ついタバコに火をつけてしまう人がいますが、これはわざわざ自分から不眠を招いているようなものです。タバコに含まれるニコチンは刺激が強く、しかも効果が非常に早く表れます。(タバコを吸ってから10秒以内にニコチンは脳に到達します)
ニコチンにはアドレナリンの分泌を促して脳を覚醒させる働きがあるため、体は活動モードに切り替わって血圧や心拍数も上がってしまいます。寝つきは悪くなり、眠れたとしても健全な深い眠りを得ることはできません。
安眠のためだと思って、少なくとも寝る1時間前はタバコを吸わないようにしてください。眠るための儀式としてタバコを吸っている人もいます。自分がリラックするできることであれば、睡眠のための儀式は基本的に何でもOKですが、タバコは数少ない例外です。
寝る前の一服は、リラックスするどころか脳を覚醒させ、寝つきを悪くさせるだけです。タバコを吸う人は、吸わない人に比べて、眠りに落ちるまでの時間が15分程度長いという調査結果もあります。
一般的に、喫煙者のほうがタバコを吸わない人と比べて寝付きが悪く、夜中に目を覚ましやすい傾向があり、睡眠時間の長さも短いようです。実はニコチンはコーヒーに含まれるカフェインよりも強い興奮剤で、あらゆる薬物の中でも中毒性は非常に高いレベルに分類されます。
ヘビースモーカーになると2から3時間で「ニコチン切れ」の状態となるため、夜中でも目が覚めてしまいます。目が覚めるたびに、タバコに火をつけていたのでは不眠症になって当然です。不眠症に悩む喫煙者が、数日間禁煙をするだけで、睡眠障害が軽くなったという報告もあります。いきなり禁煙することはなかなか難しいでしょうから、まずは一日に吸う本数を半分、4分の1と少しずつ減らしていきましょう。体が要求するニコチンの量を減らしていけば、ニコチン切れで夜中に目を覚ますこともなくなっていきます。
世界には、禁煙を促すためにタバコの値段を上げている国があります。イギリスでは20本入りの一箱が約800円、ノルウェーでは約1,000円以上と、日本の250円~300円程度とは大きな違いがあります。一箱が1,000円だとすると、一日一箱吸うとすると、タバコ代が月に3万円にもなります。日本でもタバコの値段は上がる流れにありますから、高くなる前に禁煙をしてしまいましょう。
◎ 寝酒は熟睡を遠ざける
ぐっすり熟睡するために、寝る前にビールを一本、ワインを一杯などとアルコールを飲むことを、いわゆる寝酒といいます。(英語ではナイトキャップといいます)
アルコールには確かに鎮静効果や睡眠促進効果がありますが、人間の体はそのアルコール量にすぐに順応してしまい、効かなくなってしまいます。寝酒の習慣を続けているうちに、睡眠促進効果が下がってきて、同じ効果を得るためには必要なアルコール摂取量がどんどん増えてしまいます。下手をすると、これはアルコール依存につながってしまいますから要注意です。
また、アルコールは入眠を誘う効果はありますが、良質な睡眠を持続させる力はありません。自分では認識していなくても、睡眠中に数分間の中途覚醒が起きて、朝までぐっすり眠ることができません。また、深いレム睡眠の割合は増えますが、睡眠時間の合計は変わらずとても非効率な眠りとなってしまいます。
■飲んだ後は実はよく眠れていない
泥酔してから眠りにつくと、自分では「泥のように」深く眠っているような気がするかもしれませんが、実際には健康的に熟睡できていません。アルコールによって体が一時的な麻痺状態になって強制的に眠らされているだけで、そうした睡眠によって疲労回復することはありません。
飲んで帰ったときは、夜中にトイレに起きてしまい、意識が冴えてしまって眠れなくなった経験はないでしょうか。これはアルコールを体内で分解するのに多大なエネルギーを必要とするために、眠りに入っても体が休息できず、眠りが浅くなってしまうからです。「体の休息」の時間であるはずのレム睡眠も減ってしまいます。
■寝酒に依存するのが一番危険
また、寝酒がエスカレートして、アルコールに依存する状態になるとさらに危険です。「飲まないと眠れない」という状態になると深刻な危険信号です。「酒さえあれば眠れるのに」と精神的に依存するようににない、近くの酒屋やコンビニまで夜中に酒を買いに行ってまで飲もうとします。そして深夜まで飲み続けてしまい、翌朝にはアルコールが抜けないので二日酔いとなります。
こんな生活を続けていると次第に仕事も欠勤がちになり、精神的依存に加えて肉体的依存に発展してしまいます。ここまでくると、イライラ感、不安感、体の震えや発汗、発熱、頭痛、吐き気などの症状が常にあらわれて、正常な社会生活が送れなくなってしまいます。
寝酒の習慣のある人は、飲まずにベッドに入ったときはなかなか眠れないことがあります。お酒がなくては眠れない、ということは決してないので、睡眠をアルコールに依存する状態をなんとか脱却してほしいものです。ただし、寝酒の習慣を急にやめるとその急激な変化に心身が抵抗しますから、徐々に量を減らすようにしてください。少ない量に減らしても、かならず次第に眠れるようになります。
■控えめの量なら問題なし
一般的に、アルコールは精神安定剤としては有効でも、眠るための手段としては害になることのほうが多いのが現実です。
アルコールに頼ることは必ずしも悪いことではないので、睡眠のための環境を整えるといった他の手段と並行して、多少のアルコールを利用することは決して悪いことではありません。ビールなら大ビン一本(630ml)、日本酒なら1合弱が目安です。あくまでも「毎日の習慣」にしないことがもっとも大切です。
◎ 寝る前にテレビとゲームは避ける
ごろんと横になりながら、テレビを見るのが好きな人もいるでしょう。そして、テレビを見ながらいつの間にか寝てしまったという経験は誰でもあるでしょう。
一人暮らしの人の中には、テレビをつけっぱなしにしておかないと眠れないという人もいますが、人がテレビから受ける映像・音声の刺激は決して弱いものではありません。寝る直前までテレビを見ていると、脳が興奮した状態で眠りにつくことになり、寝つきが悪くなる原因となります。
また、テレビをつけっぱなしで寝てしまうと、眠りに入ってからも音がずっと聞こえているので、体は寝ていても無意識に脳はずっと刺激され続けることになり、深い眠りに入ることができません。テレビと同様に、ゲームも脳を強く刺激します。寝る直前にゲームをすることは、脳を覚醒し、安眠を妨げてしまいます。
ぐっすり安眠するためには、寝る直前の刺激はできるだけ少なくしましょう。就寝前のテレビやゲームは避けたほうが、より質の高い安眠を手に入れることができます。脳に過剰な刺激と情報を与えなければ、普通の健康体の人は3~10分程度で眠りに入ることができます。
◎ 週末の朝寝坊と寝だめはダメ!
■週末の寝坊は実は逆効果
仕事があまりに忙しくて残業が続き、平日は慢性的な睡眠不足。週末になると待ってましたとばかりに、昼近くまで眠ってしまうというのが、一般的な会社員の生活ではないでしょうか。しかし、人間は長く眠れば眠るほど疲れが取れるという単純なものではありません。多くの人が経験しているように、あまり長い時間寝てしまうと、逆に疲労感を感じることがあります。これはいわゆる寝疲れと呼ばれるもので、普段より多く寝ることによって体内時計と睡眠のリズムが狂ってしまい、不快な疲労感が残ってしまう現象です。
こうした週末のまとめた睡眠は日頃の睡眠不足を補うために良かれと思ってやったとしても、実はまったくの逆効果です。平日の睡眠時間が短い人は、週末は多少の寝坊はかまいませんが、遅くとも平日の起床時間の2時間後までには起きるようにすると、睡眠リズムの乱れを防ぐことができます。週末でも早く起きれば、より充実した休日を過ごすことができるので、夜は健康的にぐっすり熟睡できることでしょう。そうした活力が次の週を乗り切るエネルギーになりますから、週末の過度の朝寝坊はやめましょう。
人がぐっすり熟睡できるのは眠りの最初の段階だけで、眠りに入ってから3時間くらいの間に深い眠り(ノンレム睡眠)は集中的に発生します。その後は、朝の目覚めの時に向けてだんだん眠りは浅くなっていきます。まだ眠くて朝がつらい時も、そこからさらに眠ろうとしても熟睡することはできません。中途半端な睡眠と覚醒を浅いレベルで繰り返すばかりで、眠りの充実感を得ることはできないのです。よって時間的には長く眠ったつもりでも、体はぐったりした上に精神的にも満足感の少ない状態となり、かえって不満が残ってしまいます。
思い切ってベッドを飛び出して一日の活動をスタートし、活動的な一日を過ごすことができれば、夜になれば充実した熟睡を得ることができるようになります。こちらのほうが肉体的にも精神衛生上もずっと良いでしょう。
■寝だめも睡眠サイクルを乱すだけ
中には、来週からも残業が続くからと、前もって土日続けて長時間「寝だめ」をしようとする人もいます。しかし、人間は寝だめをすることはできませんし、土日だけたくさん寝てしまうと体内時計が狂ってしまい、月曜日からの平日の睡眠サイクルも乱れてしまいます。理想的には週末も平日と同じ時間に起きて、日曜の夜はいつもより少し早く眠りにつくといいでしょう。リフレッシュした気分で元気に月曜日を迎えることができます。平日とまったく同じ時間に起きるのがつらいという人は、週末は少々睡眠時間を増やしてもかまいませんが、1時間程度にしましょう。2時間以上長くしてしまうと、一日のサイクルが乱れてしまいます。
◎ 抱き枕で安心してぐっすり熟睡
女性の間で抱き枕(ボディピロー)の人気が上がってきています。さまざまな形のものがありますが、主流派細長いS字流線型のクッションのようなもので、自然に抱きつきやすい形になっています。
人間はもともと、何かをつかんだり抱きついたりすると安心する習性があります。赤ちゃんは母親に抱きつくと安心して眠ってしまいます。実はこれは大人になってからも本質的には変わっておらず、本能的に何かにつかまりたい、抱きつきたいという欲求があります。
不眠に悩む人は、なんらかの理由で心が不安定で、孤独感を感じている場合が少なくありません。抱き枕を抱くことで、そうした不安や孤独感が癒され、安心して眠れるようになることもあります。抱き枕を抱いていると、自然と体が丸まりますが、この姿勢が実は動物的にはもっとも安定した姿勢だと言われており、安心して眠れる姿勢でもあるようです。
また、単純に横向きで寝るよりも、抱き枕に抱きついて寝たほうが、体にかかる負担が分散し物理的にもラクであることもわかっています。
インテリアとしてもおしゃれな抱き枕は、特に一人暮らしの人にとって安眠アイテムとしておすすめです。
◎ カーテンを少し開けて自然な目覚めを
朝日を浴びることで、人間の脳は覚醒し自然に目覚めるようにできています。遮光カーテンやシャッターを使って、日光を完全に遮断した部屋で寝ている人は、日光が脳を刺激してくれないので寝起きがよくない傾向があります。
すっきりと起きることができない人は、カーテンを少し開けてから寝るといいでしょう。朝起きる頃には少しずつ日の光が自然に差し込んでくるので、スムーズに起きられるようになります。自分よりも早く起きる家族がいる場合は、起きる時間の30分ほど前に、カーテンを少し開けてもらうといいでしょう。
急激に強い光を浴びるとストレスに感じますが、少しずつ明るくなっていく光に対してはうまく適応することができます。よって、完全に朝の日光を遮断してしまう遮光カーテンやシャッターを閉めて寝るよりも、ある程度光を通すカーテンを使ったほうが、朝が来たことを体が自然に知ることができ、すっきり起きることができます。
年とともに、本当に睡眠は浅くなります。夏至の頃の早い朝には、いくらカーテンを閉めていても、明るくて目が覚めてしまうのです。
そこで、「遮光カーテン」がおすすめです。
遮光カーテンには1~3級の等級があります。1級はほとんど光が入りませんので、寝坊癖がある人にはまずいですが、3級は人の顔がわかる程度の暗さです。
ちなみにうちの寝室のカーテンは1級ですが、上下の隙間から多少光が入るので、全く真っ暗ということはありませんが、遮光性のない前のカーテンよりずっと睡眠には貢献しています。
おすすめです。年寄りには。
じゃんじゃん。
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