大人のADHD その52016年05月02日 10:06

 少し息が切れてきましたかね。
 もう少しですから、がんばりましょうね。

 九つ目は「うっかりミス」。

 「うっかり」というのは誰にもありますが、頻度があまりに高ければ「だめな人」となってしまいます。
 ADHDの人は記憶のメモリーが小さいため、忘れがちになってしまいます。したがってそれを防ぐには「道具」をうまく利用することが必要です。
 一つは「ルーティン化」。決めたやり方で決めたようにすることで習慣化します。この場合チェックリストは必須です。
 もう一つは手帳やスマホのアラーム機能などを活用します。
 仕事においては早くてもミスが多いより、遅くとも確実な方が好まれます。

 十番目は、「くよくよしてしまう」。

 ミスや遅刻を改善しようとしても失敗することは、最初のうちは特に、よくあるでしょう。
 ADHDの人はそのときに「くよくよ」考えすぎます。むしろ、それしか考えていないといってもいいかもしれません。パニックにもなりやすくなっています。
 まず必要なのは、「謝罪」です。ミスをしたときほど理性的に対処することが必要なのです。きちんと謝罪すれば許されることも多くあります。
 次に、「なぜそうなったか」を考えてみますが、もしわからなければ、同僚など他の人に聞いてみてもいいかもしれません。
 また、失敗したことを忘れないためにメモを取り、考えついた、あるいはアドバイスをもらった対処法を記入しておきます。

 ということで、家族にADHDがいたときの対処法。おそらく確実に近くにいますから。

 まず「ADHDの夫とのつきあい方」

 夫は家事分担どころか、自分のこともきちんとできず、子供が一人増えたようなものになります。休日の予定も全く自分のペースです。
 職業としては、会社でばりばりできる場合もありますし、転職してばかりいる場合もあって、社会適応には差が大きくあります。
 せっかちで自分中心のため、夫のペースについて行くのは大変でしょう。支配的な側面が強い場合もあります。
 まずごく簡単なレベルから「しつけ」を始めます。
 ものを片付けられない場合は、「夫専用箱」を用意して、とにかく使ったらそこに入れてもらうことはどうでしょうか。
 家族の予定をすぐ忘れてしまう夫には、メールで事前に確認したり、冷蔵庫にボードをつけて必ず見せるようにしてはどうでしょうか。
 うまくできたときはほめることも忘れずに。子供みたいなもんですから。

 次に、「妻がADHDの場合」

 世の中進んだと言っても、女性が家事の中心であることはまだまだその通りでしょう。「できて当然」と言われる家事をきわめて負担に感じる妻もいるでしょう。案外仕事と両立させる方がうまくいく場合もあります。
 「気配り」がにがてなのがADHDですけど、仕事ではうまくいくとほめられることがあり、刺激となることもあるからです。
 一方、家事は「当たり前」と思われたら、ADHDでなくても不満が募ります。
 解決の方法は、夫の協力以外にないかもしれません。育児のため専業主婦になっても、家事が苦手なことに代わりはありませんから、非常に大変です。何とか負担を減らす方法を二人で考えた方が早道でしょう。いままでいろいろ対策してきたように、メモを活用したり、タイマーを使ったり、ルーティン化したりと言うようにして、何とか習慣化すると、少しはうまく回るようになります。

 これは、夫婦間のトラブル解消にも役立ちます。
 性格の異なる夫婦であったとしたら、何かとトラブルが多くなります。

 実はうちの連れ合いも、バリバリのADHDです。
 昔から何となく気付いていたのですが、こうやっていろいろまとめてみると、「やっぱり」と気がつきました。
 まあ、自分にも多少ありますが、向こうの方が強いようです。
 だから、私はあきらめたというか、向こうのペースに当面つきあいながら、少しずつ習慣化しようと思っています。

 一般的な話ですが、もし、どうしても乗り越えられそうもなかったら、第三者を挟んでみるのもいいかもしれませんよ。
 そのとき、これらの知識がお役に立てば幸いです。

 次は最後で、「ADHDの治療」です。
 じゃんじゃん。

 追伸。そのあとは「アスペルガー」についてまとめます。

大人のADHD その6 おわり2016年05月06日 10:39

 さあ、いよいよADHDのまとめ。治療についてです。

 治療すべきかどうかは、本人が自覚して生活や社会活動で困っているか、会社の同僚や家族など周りが困っていれば、治療に向かうべきなのですが、一番困難なのは、「本人の自覚」でしょう。

 いままでまとめてきたとおりでいろいろな不都合があれば、それを本人と話し合うことから始まります。
 そのためには、このシリーズ程度の基礎知識が必要です。

 具体的に治療と言うことになれば、精神科でも「発達障害」を特に標榜するところが一番ですが、なかなかありませんし、あっても子供専門などというところです。
 したがって、大人のADHDは一般の精神科や心療内科で見てもらうことになります。まあその前に精神保健センターに相談することもできます。

<北海道(札幌市を除く)>
〒003-0027
北海道札幌市白石区本通16丁目北6番34号
代表電話011-864-7121
FAX011-864-9546

<札幌市>
札幌こころのセンター(札幌市精神保健福祉センター)
〒060-0042 札幌市中央区大通西19丁目 WEST19 4階
電話番号:011-622-0556
ファクス番号:011-622-5244

 そして、まず「自覚する」ことが成功したら、「心理療法」から始めましょう。
 その他の重篤な精神症状に比べて、深刻ではないかもしれませんが、小さいときから叱責を受けたり、自己評価がいつも低いなど、心理的に弱っている場合が多く、下手をすると二次障害(うつ病など)の可能性もあります。
 ADHDは「困っていること」を修正する「コーチング」で一つずつなおしていきます。「目標設定」と「達成」を繰り返します。

 「家族療法」もありますが、これは、家族だけではなく、医師やカウンセラーが介在して、本人の気付きと家族の困っていることをつきあわせ、改善の方法を探していきます。
 同様なものに、「集団療法」もあって、小グループで専門家が話し合いをサポートします。

「薬物療法」は「コンサータ」と「ストラテラ」という薬を使います。
 「コンサータ」は中枢神経刺激剤で多動性や衝動性を抑える効果があります。
 「ストラテラ」は選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤で、不安や緊張の高い人に向きます。
 どちらが効くかは試してみなければと言うことになります。

 最後に、二次障害の問題に触れます。
 家庭的にあるいは社会的に「特異な」面を持っているのがADHDです。それらが災いして、うつ病や不安障害、強迫性障害などと診断されることがありますが、根底にあるADHDを治療することによってこれらの二次障害が改善されることも多くあります。
 これらの対応を適切に、あるいは円滑に進めるには、「特異面の発揮」の舞台となる家庭と職場の連携が大事です。
 発達障害の治療は「もう遅い」などと言うことはありません。
 困っていれば、専門家に相談してみましょう。

 ということで、ADHDはここまでです。
 とりあえず、次は「アスペルガー」に取り組みます。そのうちに。
 じゃんじゃんと。

大人のADHD その7 追加2016年05月13日 13:01

 次の「アスペルガー(AS)」は、総会準備で忙しいため、先延ばししますが、ADHDも含めて、大人の発達障害で必要とされる「ライフスキル(生きていくすべ)」について、少しふれてみます。

 まずそのためには、ASD (自閉症スペクトラム、自閉症スペクトラム障がいのこと。アスペルガ症候群も含まれる)の人が持っている特性を完全に変えていかなければならないということです。
 これは、ほかの障がいで言い換えると、脊髄損傷の人に立って歩く訓練を、視覚障がいの人に見る訓練を、聴覚障がいの人に聞く訓練を強いることに等しいのではなかろうかということになります。
 
 生きていくスキル、すなわちライフスキルについては、WHOが「ライフスキルの目的は、個人の人権を擁護し、健康問題と社会問題を積極的に予防することによって幸福な生活を営む点にある」(1998)と定義していますが、そのなかみは、

l. 自己認識スキル
2. 共感性のスキル
3. 効果的コミュ二ケーションスキル
4. 対人関係スキル
5. 意志決定スキル
6. 問題解決スキル
7. 創造的思考ができるスキル
8. 批判的思考スキル
9. 感情対処スキル
10. ストレス対処スキル
というふうに、きわめて高いレベルです。

 ソーシャル・スキルを獲得することは望ましいのですが、対人関係に絞ったソーシャル・スキル・トレー二ング(SST)でもASDの人には限界があるのも事実です。
 たとえば、あるアスペルガ一症候群の女性は「買い物スキル」を指導されたところ、30万円の化粧品を買わされた。また別のASDの男性は「友だちのつくり方」を指導され、新興宗教の団体に入らされた、あるいは万引きの仲間にされたという出来事が生じた場合もあります。
 さらに、消費者金融に連れて行かれてはんこを押させ5れた、訪問販売で自己破産をしたという例もあり、必すしも獲得した対人関係スキルが成人社会の場面でうまく対応できないという事例もあります。
 そのようなトラブルに巻き込まれた原因を確認したところ、「何をどのようにしたらいいか分からなかった」「見通しがもてなかった」ということであったようです。
 自立とは何でも一人ででき、人に頼らずに生きていくことではないとおもいます。発達障がいのある人がどのようなことに困っていて、どのような支援ニーズがあるかを確認し、その二一ズに対して適切なサポートを受けることによって自立することも間違いではありません。できないことは人に頼るととも、必要なことなのです。

 では、日ごろのライフスキルを確認するにはどうしたらいいでしょうか。それは、リストを作るとよいでしょうということです。ただ、作成した「ライフスキルチェックリスト」は、あくまでもチェックをするためのリストなので、必すしもそのスキルを獲得しなければならないというものではなく、そのような活動が想定されるだろうという前提をもとにつくったものです。
 チェックする項目は、その人が居住する地域やさまざまな環境によって異なってくるため、個別のライフスキルチェックリストILSC(Individualized Life Skills Checklists)を作成することが必要となります。

 例えば、「運転スキル」について、大都市以外の地方では自動車運転免許を取得し、自分で車を運転することもライフスキルのーつとして必要となるとおもいますが、数年前、栃木県鹿沼市に発達障がい者に特化した自動車教習所が開所して、当初、LD (限局性学習症、学習障がい)を持つ人は読み書きが不得手なため学科試験をクリアするのが困難であり、ASD(自閉スペクトラム症、自閉症スペクトラム障がいのこと。アスペルガー症候群も含む) やADHD (注意欠如-多動症、注意欠陥多動性障がい)の人たちは、不器用さや不注意などの点で実際に車を運転する技能試験の課題が考えられました。
 これらの人たちにとっては、自動車運転免許取得におけるハードスキルが課題となります。
 しかし、確かにLDの人には学科試験の問題を読むことに困難を示しましたが、読み聞かせを行うことで耳から学習でき、学科試験の問題はクリアできました。
 また、技能ではASDの人には不器用さが、ADHDの人には不注意な点が見られましたが、根気よく時聞をかけてゆっくり指導することで、定型発達者よりも時間はかかったものの技能試験にも合格することができました。

 ただこのようなことも起こります。
 あるASDの診断を受けている男子大学生が、免許を取得後に車の運転の練習がてらドライブしたところ、車が故障したということで、教習所に電話をかけてきました。彼を支援しているコーディネーターが故障した車のところまで出向くと、車は故障していませんでしたので、メーターを確認したところ、ガソリンがなくなっていたのでした。自動車教習所では、免許を取得するまでは指導しても、取得後のガソリンの入れ方までは指導していなかったのです。そこで、彼にはガソリンメーターでガソリンの量が真ん中になったところに赤いテープを貼り、メーターの針がその赤いテープのところに来たらガソリンを満タンにするように指導を行いました。

 また、表の「14.上司、同僚に『おはようございます』のあいさつをする」と「20.仕事が終わった後にf失礼します」のあいさつをする」は、両方とも「あいさつ」をすることなので、対人関係スキルが必要となります。

 これもある例です。
 ある知的障がいを伴うASDの人にあいさつの仕方を指導したところ、職場の同僚や上司だけではなく、街行くまったく無関係の人たちにまで「こんにちは、こんにちは…」とあいさつをしまくるので、「変な人がいる」と会社にクレームが来たことがありました。彼にとっては、「この人にはあいさつが必要だが、この人には必要ない」というととが分からなかったのです。
 そこで、コーディネーターは、彼が働く工場の従業員と相談し、あいさつに関して次のような方法を考案しました。彼の保護者からの情報収集により、緑色に特異な興昧を示していることが分かったので、工場の入り口に緑色のテープで四角い枠を作り、毎朝その緑色の枠の中に立つようにしてもらいました。そこに立つと、ちょうど入り口の反対側に緑色の「非常口」の標識が見えるので、その標識に向かって「おはようございます」というような指導を行いました。帰りも同様で、仕事が終わった後に緑色のテープの枠内に立って、非常口の標識に向かい「失礼します」と言うように指導を行いました。この方法でよいかどうかを工場で働く同僚、上司に確認したところ、まったく問題ないとのことでありました。彼は毎日非常口に向かつてあいさっするものの、その後15年間、問題なく働いています。

 このように、企業で働く同僚や上司に理解を得ることができれば、職場のマナーやルールのようなかたちで学習することも、ライフスキルの指導としては獲得できるのではなかろうか。

 発達障害を持つ人は、程度の差こそあれ、実はどこにでもいます。
 それを「変な」と見るか、「ユニーク」と見るかはそれぞれの考えにもよりますけど、このような人たちを社会がどのように「包摂」していくのか。むしろ、「包摂していかなければならない」という観点や視点に立って、人権というものを考え、また、少子高齢の社会を継続させるために必要な「日本社会のためのスキル」ナノではないでしょうか。
 ということで、じゃんじゃん。

初めての札幌ドーム2016年05月16日 10:06

 今日は私事のことです。
 
 14日の土曜日に初めて札幌ドームに行きました。日ハム-西武戦です。 7-3で勝ちました。
 連れ合いがとにかく野球で興奮するものですから、何がおもしろいのかととりあえず連れて行かれましたが、まぁおもしろかったです。
 一番驚いたのは、ピッチャーの球の速さです。特別球の早いピッチャーではなかったようですが、投げたと思ったらすぐにキャッチャーミットに入っていました。
 しかしさらに驚いたのは、そんな速い球をホームランするバッターがいたことでした。西武が3本のホームランを打ちました。
 しかし試合は、西武のピッチャーが3連続押し出しで自滅したのですが。

 この日は「新幹線カラーユニフォーム」が全員に配布される日でしたから、ゲートでもらってそれを着て応援しました。案外周りは静かでしたので、少し気抜けしましたけど。

 初めてのドームでしたから、あちこちにうろうろしてみました。
 というより、まず自分の座席の場所がわからなくて、少しうろうろしました。ゲート前には長蛇の列で、北ゲートは混雑しているので、南ゲートに回れと誘導されて、まずそこら辺から自分の位置がわからなくなり、しょっちゅう案内板を見ることになりました。

 まぁなんとか無事に座席を見つけて座り、「大谷弁当」を食べて、落ち着きましたが、それでもまだ12:30で試合は14:00開始ですから、時間がありましたので、うろうろすることにして、1階ロビーや2階をうろうろ。
 なんと言っても4万1千の満員御礼ですから、人が多いこと多いこと。稚内市の総人口より多く網走市くらいがひとところにいるのですから、トイレは並ぶし、行き会う人はぶつかってくるしで、大変でした。
 基本的にあまり人の多いところは好まないもんですから、少しストレスを感じました。

 試合は前半に西武がぽかんぽかんとホームランを打ってどうなることかと思いましたが、西武のピッチャーが突然乱れてフォアボールだらけになり、押し出し3回。まあなんとか逃げ切って勝ちました。

 帰りはこの大人口が移動するには大変だろうと思いましたが、案外みんな慣れているのか、ぞろぞろと行くうちに地下鉄について何とかうちにたどり着きました。
 11:00に出かけて、19:30に帰り着きましたので、結構疲れましたけど、まぁ、年に一回くらいはいいかなと。そしてできれば、勝ち試合がいいかなと。
 へへで、じゃんじゃん。