我が国の「いじめ・嫌がらせ」対策は世界の笑いもの ― 2012年03月01日 14:56
昨日(2/29)に政府の主催する「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議(堀田力座長 さわやか財団理事長)」の第2回会議があり、6回にわたって行われてきたワーキング・グループ(WG)の報告が承認され、座長試案をプラスしてさらに議論されることとなった。おそらく年度内に結論が出て、「提言」という形になるんだろうと思う。
それに対して、全国安全衛生センターのメンハラ局のメンバーは怒っている。
その理由は、その座長試案が、会社と労組と労働者それぞれが「無くそうね・・」と言っているからだ。
この座長試案は以下にある。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000023zqe-att/2r98520000023zxi.pdf
そこでは、パワハラを以下の通りに定義している。
「職場のパワーハラスメント:同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」
これはこれでいいだろうが、試案を流れる文脈は、明らかに「労働者を含めみんなが被害者や加害者になり得るんだから気を付けて、みんなで無くそうね。」と言うことだ。
確かに職場における年齢や性別のちがいによって、言葉の行き違いが起きることは日常茶飯だと思うが、いわゆるパワハラを考えると、それは組織の意志であることが大半であり、その意を受け、さらに増悪させた上司や同僚のハラスメントで多くの労働者が精神状態を悪化させて潰れていっている。年間自殺3万人の大きな原因は職場における「不適応」をまねくモラルハザードにあることは、だれでも分かることだ。
WGの検討の中でも諸外国の対応について資料が供され、先進国の中では深刻な問題ととらえ、仏の労働法典をはじめ、刑罰と加害責任・管理責任が強化されるとともに、予防のための社会労働制度が施行されているのに、わが日本は政労使が寄って集って「単なる宣言」でお茶を濁す気らしい。
同じ問題としてセクハラを思い出してほしい。H18年に「セクハラ指針」が出され、その後の経緯で「受け手の感情」が最優先にされてきたし、職場の意識も大幅に改善されただろう。ただし根絶はされていないが。
今回の労災補償制度の精神障害認定改訂でも、強姦や強制わいせつ(もちろん刑事犯罪としても重大だが)は、心理的負荷が強烈であることから、業務上認定がいわば無条件で行われることとなった。
よくパワハラのことを話すときに「業務指導がしづらくなる」とか、「職場がギスギスする」という話になるが、じゃあセクハラの指針ができて職場がギスギスしたかというと、むしろ逆にピリッとしたのではないだろうか。
パワハラも全く同様であり、きちんと法律事項にしたり、せめて指針くらいにしないと、努力義務どころか、単に「気持ちの持ちよう」などと言われ、まさにやり放題になるだろう。
じつは「ハラスメント」は最初に小さな演技であっても、だんだんその気になってしまうと言う、いわゆるエスカレートすることが知られている。
いまいろんなところから呼ばれて、主にメンタルと特にハラスメントを話すために、労働判例を眺める機会が多いけど、「どうしてこんなことを同じ人間にできるのか」ということが多い。
民主党政府はもっとまじめに職場のことを考えた方がいいと思う。労働組合もしかりだけど。
あ!これは天つばか?
じゃんじゃん。
それに対して、全国安全衛生センターのメンハラ局のメンバーは怒っている。
その理由は、その座長試案が、会社と労組と労働者それぞれが「無くそうね・・」と言っているからだ。
この座長試案は以下にある。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000023zqe-att/2r98520000023zxi.pdf
そこでは、パワハラを以下の通りに定義している。
「職場のパワーハラスメント:同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」
これはこれでいいだろうが、試案を流れる文脈は、明らかに「労働者を含めみんなが被害者や加害者になり得るんだから気を付けて、みんなで無くそうね。」と言うことだ。
確かに職場における年齢や性別のちがいによって、言葉の行き違いが起きることは日常茶飯だと思うが、いわゆるパワハラを考えると、それは組織の意志であることが大半であり、その意を受け、さらに増悪させた上司や同僚のハラスメントで多くの労働者が精神状態を悪化させて潰れていっている。年間自殺3万人の大きな原因は職場における「不適応」をまねくモラルハザードにあることは、だれでも分かることだ。
WGの検討の中でも諸外国の対応について資料が供され、先進国の中では深刻な問題ととらえ、仏の労働法典をはじめ、刑罰と加害責任・管理責任が強化されるとともに、予防のための社会労働制度が施行されているのに、わが日本は政労使が寄って集って「単なる宣言」でお茶を濁す気らしい。
同じ問題としてセクハラを思い出してほしい。H18年に「セクハラ指針」が出され、その後の経緯で「受け手の感情」が最優先にされてきたし、職場の意識も大幅に改善されただろう。ただし根絶はされていないが。
今回の労災補償制度の精神障害認定改訂でも、強姦や強制わいせつ(もちろん刑事犯罪としても重大だが)は、心理的負荷が強烈であることから、業務上認定がいわば無条件で行われることとなった。
よくパワハラのことを話すときに「業務指導がしづらくなる」とか、「職場がギスギスする」という話になるが、じゃあセクハラの指針ができて職場がギスギスしたかというと、むしろ逆にピリッとしたのではないだろうか。
パワハラも全く同様であり、きちんと法律事項にしたり、せめて指針くらいにしないと、努力義務どころか、単に「気持ちの持ちよう」などと言われ、まさにやり放題になるだろう。
じつは「ハラスメント」は最初に小さな演技であっても、だんだんその気になってしまうと言う、いわゆるエスカレートすることが知られている。
いまいろんなところから呼ばれて、主にメンタルと特にハラスメントを話すために、労働判例を眺める機会が多いけど、「どうしてこんなことを同じ人間にできるのか」ということが多い。
民主党政府はもっとまじめに職場のことを考えた方がいいと思う。労働組合もしかりだけど。
あ!これは天つばか?
じゃんじゃん。
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