命って暖かい2013年02月23日 09:31

 我が家の愛犬と最後の晩を過ごしました。連れ合いとの間に置いて、川の字で寝ました。

 昨年の暮れ近くから、ほぼ寝たきりで、ときどき生きてるかどうかを確かめるために、自分の顔を近づけると、餌の臭いがしたり、つぶった目の目蓋がピクピクして、おー生きてると確認できました。
 手足、特に足が冷たいときはなかなか眠れないようで、ワンワンと吠えて、足を暖めてくれいと、要求するのですが、この小さい身体(3Kg)からはびっくりするくらいの大きな声でした。しかたがないから、掛けてある毛布の中に手を入れて、手のひらで包み込んで暖めてやると、だんだんうつろな目になって、やがてスヤスヤと寝るのでした。本当にかわいいのです。 少しご機嫌が悪いときは、顎の下を撫でてやると、これもよく眠らす手でした。

 でも、いまは、もう眠っているのです。

 十日ほど前から、要求で吠える声が迫力を失ってきました。ささやくような疳高い吠え声に変わりました。連れ合いも私も、もうまもなくかなとは思いつつ、口には出しませんが、覚悟しつつありました。
 でも、手足を握ると暖かいのです。命はまもなく終わろうとしているのに、温かいのです。一生懸命生きようとしていました。
 命は温かいのです。大事なのです。この世に生まれ、辛いことがあっても、幸せが薄くても、温かいのです。

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