復職~スポーツとメンタルヘルス! ― 2014年07月10日 11:25

 「働く人のメンタルヘルスセミナー」の報告です。遅くなりました。
 2月7日に朝日新聞が開催した「心と体の健康づくりを考える2014」に参加していただいた、社福法人“みなみ会アップルミント”の平佐杉子さん(元丸井今井労組、産業カウンセラー・精神保健福祉士)のレポ-トです。

 基調講演は「復職~スポーツとメンタルヘルス」と題して、精神科医で日本産業ストレス学会理事長の夏目誠さんが講演されました。その要旨は以下の通りです。(文責~編集者、下線も)

 現在、「うつ病」と診断されている人は全国で100万人とされているが、受診率は4人に1人と言われてお(厚生労働省)全人口の約6%が「うつ病」であると考えられる。最近の特徴としては「現代型うつ病」の増がある。今まで叱られたりするような経験が少なく、自己愛を傷つけられたと感じ、怒りと落ち込みを覚えるいう“外罰的”な考え方が特徴であるが、ネットに書いてあるブログ等を見て「自分はこれだ!うつ病だ!」病院へ行き「うつ病」と診断されると喜び、医師への訴えは職場や上司の批判(外罰)であるといったものがなくない。今後アスペルガー障害(発達障害)とあわせると精神疾患の半分以上を占めると考えられる。
 これらの精神疾患に対しては、従来の投薬、カウンセリング療法が効きにくいという特徴があるため、スポツを通しての治療の実際を数例挙げてわかりやすい解説があった。「現代型うつ病」の人がヨガやエアロビクス通じて多年代の人と話をする機会が増え、考え方の幅が広がったことで“内省”が起こり、外罰的な考え方が化し回復に至ったケースや、「アスペルガー障害」の人がテニスをすることで、職場では作りにくい仲間をテニというスポーツを介してつくることが出来、状況を読む事が苦手な障害特性は持っているものの、テニスのルルと実践を積むことが学習効果となり、テニスも上達することが出来た。さらに、対人関係も学習することでどんな場面でどのような受け答えをするかを覚え、会社内でも仲間が出来るようになった。この例はアスペルー障害は脳の機能障害の為、障害が無くなったのでも軽くなったわけでもないが、スポーツすることで学習能を引き出し、社会生活がしやすくなった例としてあげている。
 このように、スポーツによる効果は、ノンバーバル(非言語)から入れるため他人との壁が低くなること、適な疲労をもたらす事、目に見える形での達成感を得られ満足感を持てる事などが考えられる。また、復職に不欠である体力と他人とのコミュニケーション力アップも大切な要因である。また、薬などと違い副作用がないが大きな特徴であるとも述べていた。
 最後に復職、再発を繰り返すことが多い「うつ病」に対し、健康レベルを「軽快レベル(日常生活ができる)「出勤可能レベル」「定型業務レベル」「通常業務レベル」「残業可能レベル」にわけて考え、どの段階にあるのを本人と職場と産業医が把握し、よくありがちな「出勤可能レベル」に一歩足を踏み入れた段階で、主治医かの「職場復帰可能」という診断書をそのまま受けてすぐに出勤するのではなく、「定型業務レベル」~「通常業レベル」に至った段階で復職することが、再発防止への近道であると。
 まとめとして、スポーツの効果は、成果が目に見えるため続けやすいこと、挨拶が出来るようになること、調性が芽生える事、忍耐力が向上する事、基礎体力がつく事であり、その事が軽症うつ病、「現代型」うつ病、達障害、パーソナリティー障害に有効な治療となることが多いと締めくくった。はじめはスポーツをすることメンタルヘルスに関係があるのか半信半疑で聞き始めたが、夏目先生自身も、はじめはスポーツにあまり重き置いていなかったとの話から、実際のケースを多くはさみながらの話も多くあり、札幌でスポーツをプログラに取り入れている病院の話も後日聞くことができ、効果を目の当たりにすることも出来た。

 次に、現場報告として、以下の5講演があった。
 (EAPとは従業員支援プログラム(Employee Assistance Program)の略 )

○「スポーツ&EAP復職支援サービス」を専門に行っている (株)フィスメック
 保健指導、医療機関からの診療情報提供書・診断書の内容分析、運動プログラム、学習教材、カウンセリグ・集合学習それぞれを専門的に行うため、5企業で連携分担して行い、医師、保健師、心理カウンセラー、動指導士等がチームとなって心身両面からサポートする仕組みをつくっている。このことにより、診療報酬が幅に削減される入院3ヶ月目以降の退院促進を前提に、復職までのプログラムを作成し、基調講演にあった「常業務レベル」~「残業可能レベル」の状態で復職することを目標とし、自律訓練法、認知行動療法、アサーョンなども集合学習に取り入れて行い、企業からの復職支援を専門に請け負っている。

○「企業内EAP(メンタルヘルスケアにおける従業員支援プログラム)」を行っている SBアットワーク(株)
 企業内にEAPを専門に行う別子会社をつくり、30名で約2万3千人の心身の健康管理をおこなっている。特としては企業内でピアサポーター(社員ボランティアで主に産業カウンセラー・キャリアコンサルタント資格が行っている)制をとり、職場でのメンタル面が気になる人への声かけ、EAPを実施している子会社への橋渡役となり、一次予防に力をいれている。メリットとしては組織、役職を超えての社内コミュニケーションが生れてきたことであるとの内容であった。

○「人材派遣会社でのメンタルヘルスケア」 テクノプロHD(株)
 派遣会社という特性上ラインケアが出来ないため、派遣先から営業・技術担当者が専用シートを利用してメタル不調者報告をもらい、営業担当者が業務内容をみたうえで相談シートをメンタルヘルス担当チームへ提出その後本人と直接面談を行い、結果を労務管理項目に入れて注意すべき点をチェックし、営業担当者から派遣へ提案という相談スキームをつくり、他社で働く自社従業員との信頼関係を保つことでメンタルヘルスケアを化しているという内容であった。相談スキーム実施社員のうち96%は在職、75%は派遣先変更せずというい結果がでていることは、人材派遣業での難しいメンタルヘルス管理をCEO自らがすすんで発信しているとい力のかけ方が成功している事例と感じた。

○「企業マネジメント業種での採用時適性検査によるメンタル不調を防ぐために~」 (株)マネジメントベース
 現在の学生特性として、基調講演でもあったように“叱られる事”が減り、負荷に対して脆弱な若者が増えいる傾向があり、そのことは、年間の学生自殺者が1千人を超えていることでも分かる。加えて就活対策が「ー」と言えない若者をつくり、採用する側は「サークルでは夜まで頑張って全員をまとめてきた」から毎日の業もできると思って採用すると、すぐにメンタル不調となるなど、アンマッチな採用や配置が多くある。メンル不調発症率は【下図】のようになっていることから、採用時の見極めも重要である。また、うつ病の半数にーソナリティ障害が認められるというータもあり、他の精神疾患と併発しやいことは以前から指摘されているとおである。最近の自社ツール開発で見えきたこととして、メンタル不調で通院ている労働者は約9%、自殺企図者9%複数の精神疾患名を持つ者の増加(う病と他の疾患を併せ持っていること+院が変わると病名が変わることが多い)発達障害をもつ人に対する評価は事務では低く、技術系ではあまり変わらなもしくは若干低い、IT業界では非常にく評価される事があり、業種とのマッングを、就職する側や採用する側の両が考えていく必要があると。

○「うつ病治療の新しい選択肢『磁気刺激治療(TMS)』」 新宿メンタルクリニック
 うつ病は脳の血流を調べることにより客観的に判断できる。「うつ病は脳の病気である」というメンタルの不という見方を180度変えるという内容であった。先日TVでも取り上げられていたこともあり、興味を持っ聞きにきた人も多かったと思われる。従来の心理療法、薬物療法、電気療法(電気痙攣療法)の次に当たる療とも言われ、アメリカではうつ病患者の6割に有効というデータもあるとのこと。頭部左側を磁気で刺激し、情をつかさどる“扁桃体”を介して脳の血流の回復を促すというものであった。治療自体については今後に研の余地はあるのであろうが、脳のPETスキャンによる血流画像から、うつ病や双極性障害、統合失調症が判断来ることは、体と心は違う病気という偏見を少しでも変えるきっかけにはなるのではないか。

 3時間半という短い時間ではあったが、現場報告においても、それぞれの専門性と、たゆまぬ努力をしつづる思いが強く伝わる内容であり、「ストレスチェック義務化」(安全衛生法改正)も視野に入れて、企業の様々なみを知る機会であった。しかし、一方では北海道のEAP機関・復職支援機関の少なさ、公務員のうつ病発症率高さ、中小企業の精神疾患による離職率の高さを痛いほど感じるセミナーでもあった。(文責~編集者)

 報告者は、日常の職務で精神障害者と接し自立をサポートしている方です。

 労働安全衛生法の改正がいよいよ成立する中で、ストレスチェックが健診項目に入ろうとしています。
 当初から、いわゆる精神疾患の「スクリーニング」ではないのかとか、異常が明らかなときに誰がどのように対処するのか、さらに、本当のことは反映されない、プライバシーの侵害になるなどの疑問が提起されていましたが、政府は健診業界の圧力をまにうけ、民主党の時代から馬鹿みたいに上程してきたけど、いよいよ実現されるようです。
 本当に一次予防(発症の予防)になればいいけど、どうなんだろうかね。

 それより、諸悪の根源たる労基法36条の特別条項の廃止(長時間労働の撲滅)の方が先だと思うけど。年間1千時間以上もの時間外労働を野放しにして、企業リスクをじゃかじゃか高めていることを許す、今の労働時間規制はまさにザル規制だね。企業もリスクと感じていないような感覚だしね。馬鹿な会社が多いわ、特に大企業と言われるとこは。

 本日午後から、労働審判に関わる「労働法の基礎研修」とやらに参加するけど、労働判例を読めば読むほど、最高裁は「企業活動の自由」オンリーのくだらない判決だらけと感じたし、いったいこの国の人権はどうなっているのかと強く憤りを感じます。
 じゃんじゃん。

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