5月は1回も更新しませんでした。ごめんなさい。2015年06月04日 10:14

 ほんとに1回もできませんでした。困ったモンです。
 とにかく、19日の年次総会をはさんで、忙しかったのです。

 それで、ニュースですが、センターが引っ越ししました。
 別にどこか遠くに行ったのではなくて、同じビルの4階から5階に移ったのですが。
 したがって、住所は以下の通り、少し変わりました。

 旧住所 北海道札幌市中央区北4条西12丁目 ほくろうビル 4F

 新住所 北海道札幌市中央区北4条西12丁目 ほくろうビル 5F

 というわけで、5階の連合北海道会議室の隣ですから、お近くにお越しの際は、ぜひお寄りください。

 それと、このブログをセンターのHPに載せるかもしれません。うまくいけば。

 お知らせのみ。じゃんじゃん。

ためしてガッテン!膵臓がん 見ました?2015年06月05日 15:24

 先日、やはり連れあいの命令で、ためしてガッテンを見ました。自分には他に見たいものもあったのですが、命令ですからしかたありません。

「 早期の膵臓がんに特徴的な症状はありません。膵臓がんの方が病院へ来られた理由を調べてみますと、最も多いのは胃のあたりや背中が重苦しいとか、何となくおなかの調子がよくないとか、食欲がないなどという漠然としたものです。このほかに、体重の減少などもよく起こります。このような症状は膵臓がんでなくてもいろいろな理由で起こるものです。
 比較的膵臓がんに関連のある症状として、体や白目が黄色くなる黄疸(おうだん)があります。黄疸が出ると、体がかゆくなったり、尿の色が濃くなったりします。黄疸は、膵頭部にがんができて、胆管が詰まってしまったときに起こるのですが、胆石や肝炎などが原因の場合もあります。(ガン情報サービスより http://ganjoho.jp/public/cancer/pancreas/)」

 それで、要約すると、「血液検査を頻繁にしとけば、膵臓炎の早期発見になるかも」と言うことでした。

 そのわけはというと、以下の通りです。

 膵臓は、十二指腸の消化液を出す器官だそうですが、そこに発生する悪性新生物「膵臓がん」は、5年生存率が7%という恐ろしいガンです。肝臓や肺が30%くらいですから、えらく低いと言うことになりますし、聞いたところによると、ちょうど膵臓のあたりは神経がたくさんあるところで、痛みもすごいらしいです。釧路にいた頃、膵臓炎になって、結局がんで死亡した人を知っていましたが、痛みでいつも顔をしかめていました。タクシーの運転手でしたが。

 普通の健診では、膵臓は「エコー」で見ます。しかし専門医によると、ほとんど見えないそうで、見えればラッキーくらいなようです。

 番組では、90才のおばあちゃんが、膵臓がんの早期発見により、すでに11年生存しているとか。まあ、90才自体が長生きですけど。
 ではなぜこのおばあちゃんは、膵臓がんを早期発見できたかというと、もともと糖尿病だそうで、ブドウ糖分のチェックを欠かさなかったことにあるようです。例のHbA1C(ヘモグロビン エーワンシー)をいつも監視していたので、その急上昇に気付いたとのことでした。

 ただし前提条件があります。

① 過食・暴飲した覚えがない。
② 生活環境に変化がほとんど無い。
③ 家族(二親等程度)に膵臓病の人がいない。

 というような平凡な人が、急にHbA1C急上昇があったら、危ないようです。特に糖尿病の人は、糖分が神経の痛みを抑えてしまうので、気付きにくいといってました。

 このような生活の乱れは、医者には分かりません。したがって、セルフチェックが重要となります。
 専門医に相談するときは、消化器系の医者だそうです。

 番組では、見えづらい膵臓をはっきり見えるようにする方法も紹介していました。それは、「ミルク・ティー」を飲んでからエコーをすることだそうです。そうすると、膵臓がよく見えるようになるそうで、「膵臓膿疱」の発見率は22倍に精度が上がると言うことでした。
 そのほか、膵臓がんができるのは膵管にだそうで、MRIでMRCP(胆管膵管撮影)をすると、一番いいようです。

 ということで、膵臓がんでした。アスベストの中皮腫とともに、かかりたくない病気の一つですね。
 じゃんじゃん。

産業衛生学会の報告 その12015年06月09日 15:12

 5月に大阪で開催された標記学会に参加しました。今回から何回かにわたって報告します。

 まず、「シンポ 新しい労働時間規制と疲労対策 勤務間インターバル制度に関連して」という長い名前です。
 今回のこの学会のテーマは、「過労死」と言うことです。どこにもそのようには書いていませんでしたが、メニューを見れば明白です。

 それで、このシンポは、以下の4つが問題提起でした。
① EUの労働時間指令における勤務間インターバル
② 我が国の勤務間インターバル制の実態と課題
③ 過重労働対策の現状と課題
④ 労働者の疲労回復と勤務間インターバル

 詳しく報告したいのですが、なぜか会場内の写真撮影が禁止されていましたので、パワポを撮影記録できませんでした。ので、私のメモが頼りです。あしからず。

① EUの労働時間指令における勤務間インターバルでは、JILPTのH氏がEU労働指令について、6条は時間外を含む週の労働時間が48hまでであり、変形労働時間制でも当該期間の週×48hであること。
 5条は休日労働の禁止(7日ごとに24時間の休息)、3条は、24時間の期間ごとに継続11時間の休息(レスト・ピリオド)を例外規定無しにと言うことになっていますが、この例外規定無しはイギリスが無視しています。
 3条が実現すると、1日24hから11hのインターバルを引き、残りの13hに5条の週労働日は6日を掛けて、週の労働は78hが絶対上限となりますが、さらに6条がありますから、今のところとにかくインターバルは11hをどう実現するかと言うことになります。
 これには適用除外の業種もありますけど、EU裁判所により「同等の代償休憩時間(イエーガー判決)」が求められます。

② 我が国の勤務間インターバル制の実態と課題では、企業名はなかったのですが、いろいろな企業で、インターバル規制がすでにあることが報告されました。
(製造業・電機)メンタル休業による肩代わり長時間労働に対処するため?、インターバル7h。
(運輸業・私鉄)インターバル9hは「運転者の拘束時間規制15hまで」の裏返しとして。
(製造業・IT系)フレックス制のインターバル8hから10hにしたが、7千人のうち10人程度が該当した。そのほか、22:00以降の時間外禁止制度あり。
(ファストフード)インターバルは12h。休日も含むときは32h。アルバイトも含む。
(病院)インターバル20h。夜勤負担を軽減するため。しかしシフトをつくる中間管理職にしわ寄せある。
(建設・情報系)インターバル8~10hは作業者のみ。しかし、定時出勤時間過ぎても気軽にでられることはメリット。
 まとめとして、長時間・時間外・深夜などの労働が動機となっている。が、科学的な裏付けが少ない。一律に法的規制は不可能かとも思う。

③ 過重労働対策の現状と課題では、長時間労働と心臓冠動脈疾患の関係は明確であり、うつ病も時間外が月60h超えると2倍以上になる。労災の認定も時間外の時間に比例している。しかし、多くは心身ともに問題なく働いている。さすがに月100hを超えるとほぼ全てがコントロール悪化となるが、悪化させる要因としては、休みが取りにくいとか、抑うつ傾向が強いなどであり、仕事に意義を感じてコントロールできていれば、100以下だとそんなに問題ない。
 多くの疲労は睡眠悪化が原因となり、慢性化は仕事のパフォーマンス悪化のスパイラルとなる。

④ 労働者の疲労回復と勤務間インターバルでは、「お疲れ様」の挨拶が日常的になっていることからも、疲労が社会にたまっていることは明らかだが、その原因は様々であり、嫌な仕事だとか面白くないという心理的な側面も大きいのではないか。従来の労働時間規制はまさに規制であるが、インターバル規制は睡眠時間の確保が目的である。しかしEUの11hでは、過労死ラインに届くような規制でしかない。
 インターバルの中身も重要であり、例えば、休息中に上司がメールをよこせば、実質的な休息とはならないだろう。事実上の拘束時間だ。ドイツでは「反ストレス法」でこれらを規制している。

 会場から、イ)EU司令の評価は、ロ)疲労からの回復は重要ではないか、ハ)産業保健スタッフの介入は可能か、などの質問があり、それぞれ、
イ)緩和より規制強化の面が大きくある。ただし、救急現場の問題とか、待機時間の算定など課題は残っている。国別でも、イギリスは半数が時間規制がない状態。退勤時間の規制という方向にあるかもしれない。
ロ)疲労が労働条件として認識されてきたが、科学的解明が遅れている。ホリックを規制することには有効であるが、労働条件よりも、安全衛生面の視点が必要だろう。
ハ)ラインの不安定化や人員不足の常態化などで手をこまねいている面はある。
 などと返事がありました。

 相対的に、「こいつら何を言っているのか?」という感想ですが、産業衛生の分野から見ると、過重労働とか過労死とかは、制度よりも、心理的側面が大きいととらえているようです。
 とにかく驚いたのは、時間外が60h~80hくらいが一番働いている人たちと、産業医がしゃあしゃあと言うところは、あきれてしまいました。

 ここで再確認しておきますが、「疲労」とは本人に自覚があり、休息によって回復可能な状態であり、「過労」とは、疲労の域を超えて、本人の自覚もなく、長期の休業以外に回復しない、下手をすると命を奪うことだと言うこと。
 実は産業医や産業スタッフはあまりその辺を意識していないということがよく分かったシンポでした。
 じゃんじゃん。

産業衛生学会の報告 その22015年06月12日 10:31

 さて、日本産業衛生学会の報告です。

 次に参加したのは、シンポ10「夜勤交替勤務の新しい課題」でした。

 産業医大の推計によると、「労働者健康調査」などから、H24年度の雇用労働者の21.8%、1,200万人が深夜業に従事しており、11.6%が何らかのシフト労働に従事しているとされています。
 これから分かるのは、シフト労働でない10%も深夜労働していると言うことです。550万人になります。

 それで、このシンポは、
①労働者の高齢化に対応した夜勤交替勤務による健康障害の予防
②若年者の交替勤務への就業初期での健康影響について
③勤務形態と口腔保健状況の関連性
④夜勤交代制勤務者の健康づくり活動~現状と課題
の四つの柱でした。口腔保健がちょっと変わった柱ですね。

①労働者の高齢化に対応した夜勤交替勤務による健康障害の予防では、まず、高齢化とはということで、55才以上の労働者を産業人口の高齢と考えることにしましたが、60歳以上の高齢者の労働力人口は、平成12年は約919万人でしたが、平成25年には1,250万人に増加しており、今後とも徐々に増加すると予想されています。
 平成25年の60~64歳の労働力率(年齢階級別の人口に占める労働力人口の割合)をみると男76.0%、女47.4%となっています。65才を過ぎるとさすがに男性でも30%以下になりますが。
 この高齢労働者のうち、深夜業に関わっているのは男性20%、女性30%といってました。
 また、これに関わって、ILO178号勧告(夜業)についても触れていました。詳しくは触れませんが、昼間の労働者と同じ労働であれば夜業では短縮するべきだとか、時間外労働はさせるべきでない、休息・食事時間を確保する、交替勤務では高齢者に特別な考慮、ベテラン労働者は昼間に移すべきなどなどです。

 高齢労働者と交替勤務を考えるときには、イ)不適応、ロ)疾病の重症化の二つの視点で考えることが必要で、年代では、若年者は朝が苦手で、夜勤でも眠気が多いという特徴があり、一方高齢者は、夜が苦手で、眠気を感じなくてもミスが多くなることが、作業能力を測定するPVTという検査法で分かっているそうです。
 ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)によると、日勤から夜勤に変わるときが一番睡眠不足になり、男性で40代、女性は30~40代で睡眠不足を感じています。
 これらの結果、寝酒をするのは3交代制呪う同社が一番多く、量も多くなってくる傾向にあります。
 今後の労働社会を考えると、「ルーティンフランツの9原則(次の勤務まで10時間以上あけるなど)」を意識する必要があると言うことでした。

②若年者の交替勤務への就業初期での健康影響について、では、3年以内の就業初期において、まず睡眠と生活リズムに変調があり、次に友人や家族関係が変化する。さらに生活習慣などの疾患が増大すると言うことが分かってきているようです。
 それは、運動する機会が少なくなる、飲酒量が多くなることが原因で、体重も5%以上増加するようです。食事がコンビニ食が多くなったり、野菜不足や高カロリーになるためです。
 これらは、ストレス状態にも影響し、交代制への不適応より、職場不適応が前面に出てくるという調査結果でした。
 ただ、男女でけっこう違いが出て、男性の9%が朝方なのに、女性では33%が朝方と言うことで、交替勤務で影響を受けやすいのは、男性若年労働者と言うことでした。

③勤務形態と口腔保健状況の関連性では、歯科健診の実施率が、20%以下で、歯科の問題は個人の問題と取られがちなのが一番問題とまず指摘しました。
 40代以降は特に歯周病や歯の喪失が多くなりますが、これは、環境因子が大きく影響しており、不規則な生活やストレスという意味で、勤務形態と関連するということでした。

 特徴的には外勤者に口内炎が多く、時間外が多くなると口渇がおきるため、口腔内の清潔が保たれない。特に50代以上は、プラークがたまっており、自浄作用も弱くなるため、歯周病になりやすく、歯周病菌は全身疾患やメタボに影響するのだから歯の健診も広げるべきだというのが趣旨でした。

④夜勤交代制勤務者の健康づくり活動~現状と課題は、東芝四日市工場の保健師の話で、活動量計で、睡眠もはかれるので、活用すべきだというような、一種の宣伝でしたが、女性の交替勤務者も増えているようで、交替勤務が当たり前の環境に産業保健がどうか変わるかでは、初期教育が重要とされました。
 また、交代制を労働者が除く要因には、金銭的なものもあるようで、その兼ね合いも視点としてみなければならないといってました。

 全体として、社会の24時間化に産業保健がどうか変わるかということだけで、24時間化はしかたのないことだと言うことには、一概に賛成できません。

 どうも、その1につづいて、産業衛生学会、とるにたらんか?という気持ちになってきました。
 じゃんじゃん。

T氏の追悼2015年06月22日 13:03

 以前、同じローカルセンターで机を並べていたT氏が、亡くなられました。
 昨年暮れくらいからうつを患っておられたようですが、直近にあった人から聞いたところでは、そんなそぶりは全く感じられなかったと言うことでしたから、まさに寝耳に水で、驚きました。
 私は、北海道新聞のお悔やみ欄で見ましたが、まさかと思って、同姓同名かと。
 しかし、ご本人であるとある人から聞いて、やっぱりと思う前に、どうしてと言うことと、思いもしなかったことに遭遇したというひどいストレスを感じました。

 私が30才で札幌に来て、ローカルセンターにいたとき、T氏とTM氏と私の3人は、よく遅くまで仕事で残っていました。
 ローカルセンターでは、ほぼ定時に帰る人と、毎日何らかの理由を見つけて飲みに行く人と、仕事を続ける私らのようなのと、3っつに分かれました。
 あの頃は、仕事が面白くて、毎日9~10時(会館が10時閉館)まで残っていました。5時頃までは電話がかかってくるなど忙しく、それすぎてから、次にやることの段取りをするのが毎日でしたから。

 T氏の担当は、生活関連か、道民運動かで、特に、障害者団体やアイヌ団体との付き合いが多かったように思います。

 90年に労働戦線統一がなされてからは、それまでのローカルセンターが主に担ってきた環境や平和運動の中心として活躍されました。
 その後、国際関係の民間団体で活動されていましたが、いろいろ苦労されていたと聞いています。

 T氏ととても仲のよい男たちが3~4人いました。彼らは、飲みに行くことはもちろん、旅行や温泉に行くなど、周りからは一種異様な仲の良さでした。みなはよく「○○○コンビ」と言って、ひやかしていました。
その関係はごく最近まで、一人入れ替わりがありましたが、続いており、聞いたところでは、毎週月曜日に「会議」をやっていたと。
 しかし、ある週の月曜日にT氏が顔を見せないので、不思議に思って住居を訪ねると、亡くなっていたと言うことでした。71才でした。
 
 生涯独身で、途中にはいろいろ艶っぽい噂も、あるにはあったのですが、独り身を愛したようです。

 なんというか、何とも心が折れるような出来事です。
 葬儀はご親族で済ませられたようで、「葬儀終了」のお知らせでした。

 別に元同僚とはいえ、賀状の交換をしているわけではなく、たまに顔を合わせたら、「元気ですか、うまくいってますか」くらいの挨拶をする程度の間柄でしたが、私にとっては、時間の一つがそこで切れたように感ずる出来事です。

 道北歌登の出身、郵便局で仕事を始めたと聞いています。生涯独身で、何事にもヒョウヒョウと向き合い、しかし、情熱をもって「マイノリティー」と協働する姿に、今でも尊敬を感じます。

 どうか、安らかにお休みください。

 合掌、じゃんじゃん。