認知症サポーター その8 終わり ― 2015年12月29日 11:19
最後に、関係する制度についてまとめてみましょう。
● 成年後見制度
すでに判断能力が衰え、現時点ですぐに成年後見の必要があれば「法定後見制度」を、将来判断能力が衰えたときに備えるのであれば「任意後見制度」を利用します。
後見人がつくことで、消費者被害を未然に防ぎ、自分の意思に沿って資産を有効に活用することができます。ただし、医療上の代諾権はありません。
○ 法定後見制度~人の判断能力の程度等により、「後見」「保佐」「補助」のいずれかを選択します。
本人、配偶者、親族、市町村長などの申し立てにより、家庭裁判所が選任した後見人が「財産管理」「身上監護」(介護サービスの手配や施設入所の契約などの手続きをする)を行います。
○ 任意後見制度~元気なうちに、将来、判断能力が低下したとき、誰(後見人)に何(代理権を与える契約の内容)を頼むかを、自分で決めて契約を結びます。実際に能力が低下してしまったら、親族や任意後見人が家庭裁判所に申し立て、後見事務が開始します。
● よりきめ細かな後売を行う市民後見人
一人暮らし高齢者や認知症の高齢者の増加により、身上監設などきめこまやかな対応と支援を行える市民を後見人として育成し活用する「市民後見推進事業」が実施されています。(平成27年度から全市町村実施を目指す)
● 日常生活自立支援事業
社会福祉協議会と契約を結び、低廉な費用で介護サービス利用の援助、日常的な現金管理の援助、通帳、実印などの預かりサービスなどを頼むことができます。本人が契約を結ぶ能力があることが前提となります。
● 高齢者虐待防止法
「高齢者虐待防止法」では、高齢者が「身体的虐待J「介護・世話の放棄・放任(ネグレクト)」「心理的虐待」「性的虐待」「経済的虐待」を受け、「高齢者の生命または身体に重大な危険が生じている」のを発見した場合、市町村に通報しなければならない「義務」がありますし、「生命または身体に重大な危険が生じている」段階にはいたらない場合であっても「努力義務」が定められています。具体的証拠はなくても、虐待が疑われる場合の通報も含まれます。
相談窓口は、市役所または地域包括支援センターなどに設置されています。通報を受けた市役所や地域包括支援センターの職員には「守秘義務」が課されています。
◇ 個人情報保護の対象とはならない場合
金融機関をはじめ企業・団体では顧客の個人情報を本人の承諾なしに取り扱ってはならないことになっていますが、「人の生命、身体又は財産の保護のために必要かある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」は、個人情報保護の対象とはならないと定められています。
そのため虐待や消費者被害などに該当するケースを発見した場合には、地域包括支援センタ一等への情報提供が個人情報保護よりも優先されます。
以上が「認知症サボータ一養成講座標準教材」の全てでした。
つまり、これを全て読まれた方は、認知症サポーターになるというわけです。オレンジリングがもらえます。
実際の研修では、「認知症サポーターキャラバン」のビデオを見ます。
そこでは、「ゴミ出しのルール」を例に、単に「困ったちゃん」としてその高齢者を批判するのか、「なぜルールが理解できないのか=認知症かも?」と考えてちょっとした手助けをするのかを対比して例示しています。もちろん正しいのは後者です。
また、コンビニでの支払いで、小銭をうまく組み合わせできない高齢者に対し、とるべきサポートも示します。
これらの活動は、「認知症サポーターキャラバン運動」として取り組まれています。国はもちろん各自治体や企業がタイアップしています。
まとめ役の「全国キャラバン・メイト連絡協議会」では、「都道府県、市区町村など自治体と全国規模の企業・団体等と協催で認知症サポーター養成講座の講師役(キャラバン・メイト)を養成します。養成されたキャラバン・メイトは自治体事務局等と協働して「認知症サポーター養成講座」を開催します。」と言うことで、今回の講師も「メイト」の方でした。
http://www.caravanmate.com/
この課題は、私の主たる仕事である労働安全衛生と直接大きくは関わらないかもしれませんが、全く関係ないわけはもちろんありません。
少なくとも、社会的組織として、すでにどっぷりつかっている高齢社会のなかで何ができるのかを考えることは、責務であると考えます。
おわかりいただけたでしょうか?
くれぐれも、「おまえが認知症になったときの備えだな」などと勘ぐらないでください。たとえそうだとしても。
じゃんじゃん。
よいお年をお迎えください。
● 成年後見制度
すでに判断能力が衰え、現時点ですぐに成年後見の必要があれば「法定後見制度」を、将来判断能力が衰えたときに備えるのであれば「任意後見制度」を利用します。
後見人がつくことで、消費者被害を未然に防ぎ、自分の意思に沿って資産を有効に活用することができます。ただし、医療上の代諾権はありません。
○ 法定後見制度~人の判断能力の程度等により、「後見」「保佐」「補助」のいずれかを選択します。
本人、配偶者、親族、市町村長などの申し立てにより、家庭裁判所が選任した後見人が「財産管理」「身上監護」(介護サービスの手配や施設入所の契約などの手続きをする)を行います。
○ 任意後見制度~元気なうちに、将来、判断能力が低下したとき、誰(後見人)に何(代理権を与える契約の内容)を頼むかを、自分で決めて契約を結びます。実際に能力が低下してしまったら、親族や任意後見人が家庭裁判所に申し立て、後見事務が開始します。
● よりきめ細かな後売を行う市民後見人
一人暮らし高齢者や認知症の高齢者の増加により、身上監設などきめこまやかな対応と支援を行える市民を後見人として育成し活用する「市民後見推進事業」が実施されています。(平成27年度から全市町村実施を目指す)
● 日常生活自立支援事業
社会福祉協議会と契約を結び、低廉な費用で介護サービス利用の援助、日常的な現金管理の援助、通帳、実印などの預かりサービスなどを頼むことができます。本人が契約を結ぶ能力があることが前提となります。
● 高齢者虐待防止法
「高齢者虐待防止法」では、高齢者が「身体的虐待J「介護・世話の放棄・放任(ネグレクト)」「心理的虐待」「性的虐待」「経済的虐待」を受け、「高齢者の生命または身体に重大な危険が生じている」のを発見した場合、市町村に通報しなければならない「義務」がありますし、「生命または身体に重大な危険が生じている」段階にはいたらない場合であっても「努力義務」が定められています。具体的証拠はなくても、虐待が疑われる場合の通報も含まれます。
相談窓口は、市役所または地域包括支援センターなどに設置されています。通報を受けた市役所や地域包括支援センターの職員には「守秘義務」が課されています。
◇ 個人情報保護の対象とはならない場合
金融機関をはじめ企業・団体では顧客の個人情報を本人の承諾なしに取り扱ってはならないことになっていますが、「人の生命、身体又は財産の保護のために必要かある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」は、個人情報保護の対象とはならないと定められています。
そのため虐待や消費者被害などに該当するケースを発見した場合には、地域包括支援センタ一等への情報提供が個人情報保護よりも優先されます。
以上が「認知症サボータ一養成講座標準教材」の全てでした。
つまり、これを全て読まれた方は、認知症サポーターになるというわけです。オレンジリングがもらえます。
実際の研修では、「認知症サポーターキャラバン」のビデオを見ます。
そこでは、「ゴミ出しのルール」を例に、単に「困ったちゃん」としてその高齢者を批判するのか、「なぜルールが理解できないのか=認知症かも?」と考えてちょっとした手助けをするのかを対比して例示しています。もちろん正しいのは後者です。
また、コンビニでの支払いで、小銭をうまく組み合わせできない高齢者に対し、とるべきサポートも示します。
これらの活動は、「認知症サポーターキャラバン運動」として取り組まれています。国はもちろん各自治体や企業がタイアップしています。
まとめ役の「全国キャラバン・メイト連絡協議会」では、「都道府県、市区町村など自治体と全国規模の企業・団体等と協催で認知症サポーター養成講座の講師役(キャラバン・メイト)を養成します。養成されたキャラバン・メイトは自治体事務局等と協働して「認知症サポーター養成講座」を開催します。」と言うことで、今回の講師も「メイト」の方でした。
http://www.caravanmate.com/
この課題は、私の主たる仕事である労働安全衛生と直接大きくは関わらないかもしれませんが、全く関係ないわけはもちろんありません。
少なくとも、社会的組織として、すでにどっぷりつかっている高齢社会のなかで何ができるのかを考えることは、責務であると考えます。
おわかりいただけたでしょうか?
くれぐれも、「おまえが認知症になったときの備えだな」などと勘ぐらないでください。たとえそうだとしても。
じゃんじゃん。
よいお年をお迎えください。
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