シリーズ 睡眠について その12 夢について2015年10月15日 10:12

◎ 人はなぜ夢を見るのか

 脳は覚醒しているのに、体は休息モードに入っている睡眠のことをレム睡眠といい、夢を見るのはこのレム睡眠の時だと言われています。レム睡眠は睡眠中に何度かにわけて発生し、合計すると一晩に2時間ほどになります。つまり、覚えているかいないかは別にして、人は寝ている間に映画一本分くらいの夢を見ているものなのです。夢を見るレム睡眠は、赤ちゃんがもっとも長く、年をとるにつれて短くなっていきます。

 そもそも、人はなぜ夢を見るのでしょうか。「夢は欲求不満の表れだ」と言う人もいます。ダイエット中に、焼肉を食べきれないくらいに食べて幸せいっぱいになる夢を見たり、何年も恋人がいない人が、理想的な相手とディズニーランドで楽しくデートをする夢を見たりします。こうした夢は、その人の欲求不満がもとになって夢に表れたとも考えられます。

 人間の心には、自分で意識できる部分(顕在意識)と、自分ではまったく意識していない部分(潜在意識)の二つがあります。顕在意識では脳がストップをかけていた行動を、潜在意識の中では思い切って実行してしまった、というのが焼肉の夢の例です。また、デートの夢の例では、普段から恋人がいなくて寂しいという気持ちを、プライドの高さや仕事の忙しさなどで普段は意識的に考えないようにしていても、心の奥底(潜在意識)ではやはり自分は寂しい、ということを夢という形で潜在意識が教えてくれています。

 こうした欲求不満だけが夢を見る原因ではありません。人は日常生活を送っていく中で、多くの人と言葉をかわしたり、新聞、テレビ、雑誌などから膨大な情報を日々吸収しています。潜在意識の中にある膨大な情報のうち一部が、何かのきっかけで夢に登場していると考えられています。

 レム睡眠の時に夢を見ることによって、人間は一日に収集した膨大な情報を整理し、記憶として保存する必要があるものとないものに分類していると言われています。睡眠時間が長くなると当然レム睡眠も長くなり、情報の整理に使える時間が長くなります。ストレスの原因になるいやな出来事も、一晩寝るとスッキリするのは、レム睡眠の間に、そうした不愉快な情報は自分が楽しく生きていくには不要だ、と脳が判断して記憶に定着させないようにしているためと考えられます。

◎ 夢をよく見る人は不眠症?

 身体は休息状態にもかかわらず、脳が浅い睡眠状態にある睡眠のことをレム睡眠といいます。人はこのレム睡眠時に夢を見ることが多いと言われています。(ノンレム睡眠の時に、決して夢を見ないというわけではないようです)レム睡眠の最中に起こされると、自分がたった今夢を見ていたとハッキリと認識できる傾向があります。

 レム睡眠は約90分周期でくり返し発生しますから、8時間眠る人は5回のレム睡眠を体験し、5回の夢を見ていることになります。しかし、起きた時に5種類の夢をすべて覚えているということはなかなかありません。通常、起きたときに覚えているのはせいぜいひとつの夢(ストーリー)ではないでしょうか。それは目覚めの直前のレム睡眠の時に見ていた夢だと考えられます。

 夢を見ることと、夢を覚えているかどうか、ということはまったく別のことなのです。ほとんどの人は夢を見てもそれを覚えていないだけなのです。「昨日は夢を見なかった」という人がいますが、「昨日の夢は覚えていない」と言うのが正確な表現と言えるでしょう。夢ばかり見ていて自分は深く眠っていないのではないか、不眠症ではないか、と悩んでいる人がいますが、夢をよく覚えていることと不眠症はまったく別のことなのです。

◎ 右脳が活発な人はよく夢を見る

 人間の脳は右脳と左脳に分かれています。右脳は直感やイメージを、左脳は計算や論理を担当しています。一般に、女性は右脳と左脳のバランスがよく、両方をうまく使いこなしています。男性の場合は、右脳と左脳の役割分担が非常に明確で、どちらかが優位に働いているケースが多いと言われています。

 何かを考えるときに目が右を向く人は、左脳派。左を向く人は右脳派です。左脳派は考えたり計算したりする仕事が得意で、右脳派はアーティストや建築家など、創造的な仕事に適正がある傾向にあります。睡眠中の脳波を調べてみると、夢を見ている時は右脳が活発に活動しています。右脳派の人のほうが、左脳派の人よりもよりたくさんの夢を見る傾向があるようです。

 また、夢が鮮明なフルカラーであったり、夢の中での視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚といった五感だけでなく、時には感情までもハッキリと覚えている人がいます。しかし夢の中での「音」や「感触」といったものは、当然のことですが実在しているわけではありません。これらの情報はあくまでも脳内で作られたものであり、さまざまな感覚や感情を明確にイメージできる人は、脳が非常に活性化している証拠です。

◎ 夢を記録して脳を活性化する

 夢を見ても何も覚えていない人がいる一方で、夢の内容を非常にリアルに人に話す人がいます。よく夢を覚えている人は一般的に、感受性が強く、積極的で想像力豊かな性格であるようです。そうした人たちの中には、夢の中の映像がとてもリアルなカラー映像であったり、「触った」「触られた」というリアルな感触までも夢の中で体験する人がいます。

 このように、朝起きたときに夢を覚えているためには、どうすればよいのでしょうか。
 レム睡眠の時に夢を見るわけですから、レム睡眠の最中に起こされれば、夢を覚えている可能性は高くなります。しかし、レム睡眠の最中に自分で意識して起きることはできませんし、誰かに起こしてもらうわけにもいきません。
 夢を覚えていたい場合は、単純な話ですが、「夢を覚えておくぞ!」と宣言してから寝るというのが意外と効果的です。自分自身に暗示をかけることによって、少しずつ夢を覚えておくことができるようになってきます。朝起きた瞬間にはいろいろと覚えていても、食事をしたり出かける用意をしているうちに、夢はものすごいスピードで忘れ去られます。寝る前の宣言に加え、枕元にメモ用紙を置いておき、朝起きたときに覚えている夢をすぐにメモすると、記憶を記録にすることができますし、自分の記憶もより安定します。

 夢は人間の潜在意識の働きが大きく関係していると考えられています。夢をしっかりと覚えておいて記録しておくことにより、潜在意識と顕在意識の間の情報のやりとりが活発化し、日常生活の中でもひらめきやカンが冴えてくることがあるのです。日常生活ではなかなか体験しない刺激が脳に送られ、脳機能が活性化してきているのでしょう。

◎ 明晰夢とは

 自分が夢を見ている、と認識しながら夢を見ることを、明晰夢(めいせきむ)を見るといいます。自覚夢と呼ばれることもあります。
 睡眠中にも大脳の一部が活動を続けていて、睡眠中に夢が夢であると認識することから、こうしたことが起きるようです。
 訓練をつめば、自分の好きな夢を見たり、夢のストーリー展開を自在にコントロールすることができるようになるといわれています。
 また、明晰夢の訓練をつむことは、精神疾患の治療にも応用できる可能性があります。

 私の経験をお話しすれば、聞きたくないかもしれませんが、中学の頃、夜に街灯の下で誰かがダンスをしてクルクル回っている夢をよく見ました。今でも覚えています。
 どなたか、夢分析していただけないでしょうか。ただし、悪い話は聞きたくありませんけど。
 じゃんじゃん。

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