シリーズ 睡眠について その16 ぐっすり快眠のために その3 ― 2015年10月23日 09:27
◎ タバコは快眠・熟睡の大敵
寝付けないときに、ついタバコに火をつけてしまう人がいますが、これはわざわざ自分から不眠を招いているようなものです。タバコに含まれるニコチンは刺激が強く、しかも効果が非常に早く表れます。(タバコを吸ってから10秒以内にニコチンは脳に到達します)
ニコチンにはアドレナリンの分泌を促して脳を覚醒させる働きがあるため、体は活動モードに切り替わって血圧や心拍数も上がってしまいます。寝つきは悪くなり、眠れたとしても健全な深い眠りを得ることはできません。
安眠のためだと思って、少なくとも寝る1時間前はタバコを吸わないようにしてください。眠るための儀式としてタバコを吸っている人もいます。自分がリラックするできることであれば、睡眠のための儀式は基本的に何でもOKですが、タバコは数少ない例外です。
寝る前の一服は、リラックスするどころか脳を覚醒させ、寝つきを悪くさせるだけです。タバコを吸う人は、吸わない人に比べて、眠りに落ちるまでの時間が15分程度長いという調査結果もあります。
一般的に、喫煙者のほうがタバコを吸わない人と比べて寝付きが悪く、夜中に目を覚ましやすい傾向があり、睡眠時間の長さも短いようです。実はニコチンはコーヒーに含まれるカフェインよりも強い興奮剤で、あらゆる薬物の中でも中毒性は非常に高いレベルに分類されます。
ヘビースモーカーになると2から3時間で「ニコチン切れ」の状態となるため、夜中でも目が覚めてしまいます。目が覚めるたびに、タバコに火をつけていたのでは不眠症になって当然です。不眠症に悩む喫煙者が、数日間禁煙をするだけで、睡眠障害が軽くなったという報告もあります。いきなり禁煙することはなかなか難しいでしょうから、まずは一日に吸う本数を半分、4分の1と少しずつ減らしていきましょう。体が要求するニコチンの量を減らしていけば、ニコチン切れで夜中に目を覚ますこともなくなっていきます。
世界には、禁煙を促すためにタバコの値段を上げている国があります。イギリスでは20本入りの一箱が約800円、ノルウェーでは約1,000円以上と、日本の250円~300円程度とは大きな違いがあります。一箱が1,000円だとすると、一日一箱吸うとすると、タバコ代が月に3万円にもなります。日本でもタバコの値段は上がる流れにありますから、高くなる前に禁煙をしてしまいましょう。
◎ 寝酒は熟睡を遠ざける
ぐっすり熟睡するために、寝る前にビールを一本、ワインを一杯などとアルコールを飲むことを、いわゆる寝酒といいます。(英語ではナイトキャップといいます)
アルコールには確かに鎮静効果や睡眠促進効果がありますが、人間の体はそのアルコール量にすぐに順応してしまい、効かなくなってしまいます。寝酒の習慣を続けているうちに、睡眠促進効果が下がってきて、同じ効果を得るためには必要なアルコール摂取量がどんどん増えてしまいます。下手をすると、これはアルコール依存につながってしまいますから要注意です。
また、アルコールは入眠を誘う効果はありますが、良質な睡眠を持続させる力はありません。自分では認識していなくても、睡眠中に数分間の中途覚醒が起きて、朝までぐっすり眠ることができません。また、深いレム睡眠の割合は増えますが、睡眠時間の合計は変わらずとても非効率な眠りとなってしまいます。
■飲んだ後は実はよく眠れていない
泥酔してから眠りにつくと、自分では「泥のように」深く眠っているような気がするかもしれませんが、実際には健康的に熟睡できていません。アルコールによって体が一時的な麻痺状態になって強制的に眠らされているだけで、そうした睡眠によって疲労回復することはありません。
飲んで帰ったときは、夜中にトイレに起きてしまい、意識が冴えてしまって眠れなくなった経験はないでしょうか。これはアルコールを体内で分解するのに多大なエネルギーを必要とするために、眠りに入っても体が休息できず、眠りが浅くなってしまうからです。「体の休息」の時間であるはずのレム睡眠も減ってしまいます。
■寝酒に依存するのが一番危険
また、寝酒がエスカレートして、アルコールに依存する状態になるとさらに危険です。「飲まないと眠れない」という状態になると深刻な危険信号です。「酒さえあれば眠れるのに」と精神的に依存するようににない、近くの酒屋やコンビニまで夜中に酒を買いに行ってまで飲もうとします。そして深夜まで飲み続けてしまい、翌朝にはアルコールが抜けないので二日酔いとなります。
こんな生活を続けていると次第に仕事も欠勤がちになり、精神的依存に加えて肉体的依存に発展してしまいます。ここまでくると、イライラ感、不安感、体の震えや発汗、発熱、頭痛、吐き気などの症状が常にあらわれて、正常な社会生活が送れなくなってしまいます。
寝酒の習慣のある人は、飲まずにベッドに入ったときはなかなか眠れないことがあります。お酒がなくては眠れない、ということは決してないので、睡眠をアルコールに依存する状態をなんとか脱却してほしいものです。ただし、寝酒の習慣を急にやめるとその急激な変化に心身が抵抗しますから、徐々に量を減らすようにしてください。少ない量に減らしても、かならず次第に眠れるようになります。
■控えめの量なら問題なし
一般的に、アルコールは精神安定剤としては有効でも、眠るための手段としては害になることのほうが多いのが現実です。
アルコールに頼ることは必ずしも悪いことではないので、睡眠のための環境を整えるといった他の手段と並行して、多少のアルコールを利用することは決して悪いことではありません。ビールなら大ビン一本(630ml)、日本酒なら1合弱が目安です。あくまでも「毎日の習慣」にしないことがもっとも大切です。
◎ 寝る前にテレビとゲームは避ける
ごろんと横になりながら、テレビを見るのが好きな人もいるでしょう。そして、テレビを見ながらいつの間にか寝てしまったという経験は誰でもあるでしょう。
一人暮らしの人の中には、テレビをつけっぱなしにしておかないと眠れないという人もいますが、人がテレビから受ける映像・音声の刺激は決して弱いものではありません。寝る直前までテレビを見ていると、脳が興奮した状態で眠りにつくことになり、寝つきが悪くなる原因となります。
また、テレビをつけっぱなしで寝てしまうと、眠りに入ってからも音がずっと聞こえているので、体は寝ていても無意識に脳はずっと刺激され続けることになり、深い眠りに入ることができません。テレビと同様に、ゲームも脳を強く刺激します。寝る直前にゲームをすることは、脳を覚醒し、安眠を妨げてしまいます。
ぐっすり安眠するためには、寝る直前の刺激はできるだけ少なくしましょう。就寝前のテレビやゲームは避けたほうが、より質の高い安眠を手に入れることができます。脳に過剰な刺激と情報を与えなければ、普通の健康体の人は3~10分程度で眠りに入ることができます。
◎ 週末の朝寝坊と寝だめはダメ!
■週末の寝坊は実は逆効果
仕事があまりに忙しくて残業が続き、平日は慢性的な睡眠不足。週末になると待ってましたとばかりに、昼近くまで眠ってしまうというのが、一般的な会社員の生活ではないでしょうか。しかし、人間は長く眠れば眠るほど疲れが取れるという単純なものではありません。多くの人が経験しているように、あまり長い時間寝てしまうと、逆に疲労感を感じることがあります。これはいわゆる寝疲れと呼ばれるもので、普段より多く寝ることによって体内時計と睡眠のリズムが狂ってしまい、不快な疲労感が残ってしまう現象です。
こうした週末のまとめた睡眠は日頃の睡眠不足を補うために良かれと思ってやったとしても、実はまったくの逆効果です。平日の睡眠時間が短い人は、週末は多少の寝坊はかまいませんが、遅くとも平日の起床時間の2時間後までには起きるようにすると、睡眠リズムの乱れを防ぐことができます。週末でも早く起きれば、より充実した休日を過ごすことができるので、夜は健康的にぐっすり熟睡できることでしょう。そうした活力が次の週を乗り切るエネルギーになりますから、週末の過度の朝寝坊はやめましょう。
人がぐっすり熟睡できるのは眠りの最初の段階だけで、眠りに入ってから3時間くらいの間に深い眠り(ノンレム睡眠)は集中的に発生します。その後は、朝の目覚めの時に向けてだんだん眠りは浅くなっていきます。まだ眠くて朝がつらい時も、そこからさらに眠ろうとしても熟睡することはできません。中途半端な睡眠と覚醒を浅いレベルで繰り返すばかりで、眠りの充実感を得ることはできないのです。よって時間的には長く眠ったつもりでも、体はぐったりした上に精神的にも満足感の少ない状態となり、かえって不満が残ってしまいます。
思い切ってベッドを飛び出して一日の活動をスタートし、活動的な一日を過ごすことができれば、夜になれば充実した熟睡を得ることができるようになります。こちらのほうが肉体的にも精神衛生上もずっと良いでしょう。
■寝だめも睡眠サイクルを乱すだけ
中には、来週からも残業が続くからと、前もって土日続けて長時間「寝だめ」をしようとする人もいます。しかし、人間は寝だめをすることはできませんし、土日だけたくさん寝てしまうと体内時計が狂ってしまい、月曜日からの平日の睡眠サイクルも乱れてしまいます。理想的には週末も平日と同じ時間に起きて、日曜の夜はいつもより少し早く眠りにつくといいでしょう。リフレッシュした気分で元気に月曜日を迎えることができます。平日とまったく同じ時間に起きるのがつらいという人は、週末は少々睡眠時間を増やしてもかまいませんが、1時間程度にしましょう。2時間以上長くしてしまうと、一日のサイクルが乱れてしまいます。
◎ 抱き枕で安心してぐっすり熟睡
女性の間で抱き枕(ボディピロー)の人気が上がってきています。さまざまな形のものがありますが、主流派細長いS字流線型のクッションのようなもので、自然に抱きつきやすい形になっています。
人間はもともと、何かをつかんだり抱きついたりすると安心する習性があります。赤ちゃんは母親に抱きつくと安心して眠ってしまいます。実はこれは大人になってからも本質的には変わっておらず、本能的に何かにつかまりたい、抱きつきたいという欲求があります。
不眠に悩む人は、なんらかの理由で心が不安定で、孤独感を感じている場合が少なくありません。抱き枕を抱くことで、そうした不安や孤独感が癒され、安心して眠れるようになることもあります。抱き枕を抱いていると、自然と体が丸まりますが、この姿勢が実は動物的にはもっとも安定した姿勢だと言われており、安心して眠れる姿勢でもあるようです。
また、単純に横向きで寝るよりも、抱き枕に抱きついて寝たほうが、体にかかる負担が分散し物理的にもラクであることもわかっています。
インテリアとしてもおしゃれな抱き枕は、特に一人暮らしの人にとって安眠アイテムとしておすすめです。
◎ カーテンを少し開けて自然な目覚めを
朝日を浴びることで、人間の脳は覚醒し自然に目覚めるようにできています。遮光カーテンやシャッターを使って、日光を完全に遮断した部屋で寝ている人は、日光が脳を刺激してくれないので寝起きがよくない傾向があります。
すっきりと起きることができない人は、カーテンを少し開けてから寝るといいでしょう。朝起きる頃には少しずつ日の光が自然に差し込んでくるので、スムーズに起きられるようになります。自分よりも早く起きる家族がいる場合は、起きる時間の30分ほど前に、カーテンを少し開けてもらうといいでしょう。
急激に強い光を浴びるとストレスに感じますが、少しずつ明るくなっていく光に対してはうまく適応することができます。よって、完全に朝の日光を遮断してしまう遮光カーテンやシャッターを閉めて寝るよりも、ある程度光を通すカーテンを使ったほうが、朝が来たことを体が自然に知ることができ、すっきり起きることができます。
年とともに、本当に睡眠は浅くなります。夏至の頃の早い朝には、いくらカーテンを閉めていても、明るくて目が覚めてしまうのです。
そこで、「遮光カーテン」がおすすめです。
遮光カーテンには1~3級の等級があります。1級はほとんど光が入りませんので、寝坊癖がある人にはまずいですが、3級は人の顔がわかる程度の暗さです。
ちなみにうちの寝室のカーテンは1級ですが、上下の隙間から多少光が入るので、全く真っ暗ということはありませんが、遮光性のない前のカーテンよりずっと睡眠には貢献しています。
おすすめです。年寄りには。
じゃんじゃん。
寝付けないときに、ついタバコに火をつけてしまう人がいますが、これはわざわざ自分から不眠を招いているようなものです。タバコに含まれるニコチンは刺激が強く、しかも効果が非常に早く表れます。(タバコを吸ってから10秒以内にニコチンは脳に到達します)
ニコチンにはアドレナリンの分泌を促して脳を覚醒させる働きがあるため、体は活動モードに切り替わって血圧や心拍数も上がってしまいます。寝つきは悪くなり、眠れたとしても健全な深い眠りを得ることはできません。
安眠のためだと思って、少なくとも寝る1時間前はタバコを吸わないようにしてください。眠るための儀式としてタバコを吸っている人もいます。自分がリラックするできることであれば、睡眠のための儀式は基本的に何でもOKですが、タバコは数少ない例外です。
寝る前の一服は、リラックスするどころか脳を覚醒させ、寝つきを悪くさせるだけです。タバコを吸う人は、吸わない人に比べて、眠りに落ちるまでの時間が15分程度長いという調査結果もあります。
一般的に、喫煙者のほうがタバコを吸わない人と比べて寝付きが悪く、夜中に目を覚ましやすい傾向があり、睡眠時間の長さも短いようです。実はニコチンはコーヒーに含まれるカフェインよりも強い興奮剤で、あらゆる薬物の中でも中毒性は非常に高いレベルに分類されます。
ヘビースモーカーになると2から3時間で「ニコチン切れ」の状態となるため、夜中でも目が覚めてしまいます。目が覚めるたびに、タバコに火をつけていたのでは不眠症になって当然です。不眠症に悩む喫煙者が、数日間禁煙をするだけで、睡眠障害が軽くなったという報告もあります。いきなり禁煙することはなかなか難しいでしょうから、まずは一日に吸う本数を半分、4分の1と少しずつ減らしていきましょう。体が要求するニコチンの量を減らしていけば、ニコチン切れで夜中に目を覚ますこともなくなっていきます。
世界には、禁煙を促すためにタバコの値段を上げている国があります。イギリスでは20本入りの一箱が約800円、ノルウェーでは約1,000円以上と、日本の250円~300円程度とは大きな違いがあります。一箱が1,000円だとすると、一日一箱吸うとすると、タバコ代が月に3万円にもなります。日本でもタバコの値段は上がる流れにありますから、高くなる前に禁煙をしてしまいましょう。
◎ 寝酒は熟睡を遠ざける
ぐっすり熟睡するために、寝る前にビールを一本、ワインを一杯などとアルコールを飲むことを、いわゆる寝酒といいます。(英語ではナイトキャップといいます)
アルコールには確かに鎮静効果や睡眠促進効果がありますが、人間の体はそのアルコール量にすぐに順応してしまい、効かなくなってしまいます。寝酒の習慣を続けているうちに、睡眠促進効果が下がってきて、同じ効果を得るためには必要なアルコール摂取量がどんどん増えてしまいます。下手をすると、これはアルコール依存につながってしまいますから要注意です。
また、アルコールは入眠を誘う効果はありますが、良質な睡眠を持続させる力はありません。自分では認識していなくても、睡眠中に数分間の中途覚醒が起きて、朝までぐっすり眠ることができません。また、深いレム睡眠の割合は増えますが、睡眠時間の合計は変わらずとても非効率な眠りとなってしまいます。
■飲んだ後は実はよく眠れていない
泥酔してから眠りにつくと、自分では「泥のように」深く眠っているような気がするかもしれませんが、実際には健康的に熟睡できていません。アルコールによって体が一時的な麻痺状態になって強制的に眠らされているだけで、そうした睡眠によって疲労回復することはありません。
飲んで帰ったときは、夜中にトイレに起きてしまい、意識が冴えてしまって眠れなくなった経験はないでしょうか。これはアルコールを体内で分解するのに多大なエネルギーを必要とするために、眠りに入っても体が休息できず、眠りが浅くなってしまうからです。「体の休息」の時間であるはずのレム睡眠も減ってしまいます。
■寝酒に依存するのが一番危険
また、寝酒がエスカレートして、アルコールに依存する状態になるとさらに危険です。「飲まないと眠れない」という状態になると深刻な危険信号です。「酒さえあれば眠れるのに」と精神的に依存するようににない、近くの酒屋やコンビニまで夜中に酒を買いに行ってまで飲もうとします。そして深夜まで飲み続けてしまい、翌朝にはアルコールが抜けないので二日酔いとなります。
こんな生活を続けていると次第に仕事も欠勤がちになり、精神的依存に加えて肉体的依存に発展してしまいます。ここまでくると、イライラ感、不安感、体の震えや発汗、発熱、頭痛、吐き気などの症状が常にあらわれて、正常な社会生活が送れなくなってしまいます。
寝酒の習慣のある人は、飲まずにベッドに入ったときはなかなか眠れないことがあります。お酒がなくては眠れない、ということは決してないので、睡眠をアルコールに依存する状態をなんとか脱却してほしいものです。ただし、寝酒の習慣を急にやめるとその急激な変化に心身が抵抗しますから、徐々に量を減らすようにしてください。少ない量に減らしても、かならず次第に眠れるようになります。
■控えめの量なら問題なし
一般的に、アルコールは精神安定剤としては有効でも、眠るための手段としては害になることのほうが多いのが現実です。
アルコールに頼ることは必ずしも悪いことではないので、睡眠のための環境を整えるといった他の手段と並行して、多少のアルコールを利用することは決して悪いことではありません。ビールなら大ビン一本(630ml)、日本酒なら1合弱が目安です。あくまでも「毎日の習慣」にしないことがもっとも大切です。
◎ 寝る前にテレビとゲームは避ける
ごろんと横になりながら、テレビを見るのが好きな人もいるでしょう。そして、テレビを見ながらいつの間にか寝てしまったという経験は誰でもあるでしょう。
一人暮らしの人の中には、テレビをつけっぱなしにしておかないと眠れないという人もいますが、人がテレビから受ける映像・音声の刺激は決して弱いものではありません。寝る直前までテレビを見ていると、脳が興奮した状態で眠りにつくことになり、寝つきが悪くなる原因となります。
また、テレビをつけっぱなしで寝てしまうと、眠りに入ってからも音がずっと聞こえているので、体は寝ていても無意識に脳はずっと刺激され続けることになり、深い眠りに入ることができません。テレビと同様に、ゲームも脳を強く刺激します。寝る直前にゲームをすることは、脳を覚醒し、安眠を妨げてしまいます。
ぐっすり安眠するためには、寝る直前の刺激はできるだけ少なくしましょう。就寝前のテレビやゲームは避けたほうが、より質の高い安眠を手に入れることができます。脳に過剰な刺激と情報を与えなければ、普通の健康体の人は3~10分程度で眠りに入ることができます。
◎ 週末の朝寝坊と寝だめはダメ!
■週末の寝坊は実は逆効果
仕事があまりに忙しくて残業が続き、平日は慢性的な睡眠不足。週末になると待ってましたとばかりに、昼近くまで眠ってしまうというのが、一般的な会社員の生活ではないでしょうか。しかし、人間は長く眠れば眠るほど疲れが取れるという単純なものではありません。多くの人が経験しているように、あまり長い時間寝てしまうと、逆に疲労感を感じることがあります。これはいわゆる寝疲れと呼ばれるもので、普段より多く寝ることによって体内時計と睡眠のリズムが狂ってしまい、不快な疲労感が残ってしまう現象です。
こうした週末のまとめた睡眠は日頃の睡眠不足を補うために良かれと思ってやったとしても、実はまったくの逆効果です。平日の睡眠時間が短い人は、週末は多少の寝坊はかまいませんが、遅くとも平日の起床時間の2時間後までには起きるようにすると、睡眠リズムの乱れを防ぐことができます。週末でも早く起きれば、より充実した休日を過ごすことができるので、夜は健康的にぐっすり熟睡できることでしょう。そうした活力が次の週を乗り切るエネルギーになりますから、週末の過度の朝寝坊はやめましょう。
人がぐっすり熟睡できるのは眠りの最初の段階だけで、眠りに入ってから3時間くらいの間に深い眠り(ノンレム睡眠)は集中的に発生します。その後は、朝の目覚めの時に向けてだんだん眠りは浅くなっていきます。まだ眠くて朝がつらい時も、そこからさらに眠ろうとしても熟睡することはできません。中途半端な睡眠と覚醒を浅いレベルで繰り返すばかりで、眠りの充実感を得ることはできないのです。よって時間的には長く眠ったつもりでも、体はぐったりした上に精神的にも満足感の少ない状態となり、かえって不満が残ってしまいます。
思い切ってベッドを飛び出して一日の活動をスタートし、活動的な一日を過ごすことができれば、夜になれば充実した熟睡を得ることができるようになります。こちらのほうが肉体的にも精神衛生上もずっと良いでしょう。
■寝だめも睡眠サイクルを乱すだけ
中には、来週からも残業が続くからと、前もって土日続けて長時間「寝だめ」をしようとする人もいます。しかし、人間は寝だめをすることはできませんし、土日だけたくさん寝てしまうと体内時計が狂ってしまい、月曜日からの平日の睡眠サイクルも乱れてしまいます。理想的には週末も平日と同じ時間に起きて、日曜の夜はいつもより少し早く眠りにつくといいでしょう。リフレッシュした気分で元気に月曜日を迎えることができます。平日とまったく同じ時間に起きるのがつらいという人は、週末は少々睡眠時間を増やしてもかまいませんが、1時間程度にしましょう。2時間以上長くしてしまうと、一日のサイクルが乱れてしまいます。
◎ 抱き枕で安心してぐっすり熟睡
女性の間で抱き枕(ボディピロー)の人気が上がってきています。さまざまな形のものがありますが、主流派細長いS字流線型のクッションのようなもので、自然に抱きつきやすい形になっています。
人間はもともと、何かをつかんだり抱きついたりすると安心する習性があります。赤ちゃんは母親に抱きつくと安心して眠ってしまいます。実はこれは大人になってからも本質的には変わっておらず、本能的に何かにつかまりたい、抱きつきたいという欲求があります。
不眠に悩む人は、なんらかの理由で心が不安定で、孤独感を感じている場合が少なくありません。抱き枕を抱くことで、そうした不安や孤独感が癒され、安心して眠れるようになることもあります。抱き枕を抱いていると、自然と体が丸まりますが、この姿勢が実は動物的にはもっとも安定した姿勢だと言われており、安心して眠れる姿勢でもあるようです。
また、単純に横向きで寝るよりも、抱き枕に抱きついて寝たほうが、体にかかる負担が分散し物理的にもラクであることもわかっています。
インテリアとしてもおしゃれな抱き枕は、特に一人暮らしの人にとって安眠アイテムとしておすすめです。
◎ カーテンを少し開けて自然な目覚めを
朝日を浴びることで、人間の脳は覚醒し自然に目覚めるようにできています。遮光カーテンやシャッターを使って、日光を完全に遮断した部屋で寝ている人は、日光が脳を刺激してくれないので寝起きがよくない傾向があります。
すっきりと起きることができない人は、カーテンを少し開けてから寝るといいでしょう。朝起きる頃には少しずつ日の光が自然に差し込んでくるので、スムーズに起きられるようになります。自分よりも早く起きる家族がいる場合は、起きる時間の30分ほど前に、カーテンを少し開けてもらうといいでしょう。
急激に強い光を浴びるとストレスに感じますが、少しずつ明るくなっていく光に対してはうまく適応することができます。よって、完全に朝の日光を遮断してしまう遮光カーテンやシャッターを閉めて寝るよりも、ある程度光を通すカーテンを使ったほうが、朝が来たことを体が自然に知ることができ、すっきり起きることができます。
年とともに、本当に睡眠は浅くなります。夏至の頃の早い朝には、いくらカーテンを閉めていても、明るくて目が覚めてしまうのです。
そこで、「遮光カーテン」がおすすめです。
遮光カーテンには1~3級の等級があります。1級はほとんど光が入りませんので、寝坊癖がある人にはまずいですが、3級は人の顔がわかる程度の暗さです。
ちなみにうちの寝室のカーテンは1級ですが、上下の隙間から多少光が入るので、全く真っ暗ということはありませんが、遮光性のない前のカーテンよりずっと睡眠には貢献しています。
おすすめです。年寄りには。
じゃんじゃん。
シリーズ 睡眠について その15 ぐっすり快眠のために その2 ― 2015年10月22日 09:25
◎ 安眠のための呼吸法
寝る前に深呼吸をすることは、安眠のために有効です。息をゆっくりと吐き出すと、筋肉は自然と緩んだ状態となり、副交感神経系にスイッチが切り替わります。ゆっくりと穏かに息を吐き出すことで、心身の緊張をほぐすことができます。
息を吐いていくにつれておなかが凹み、息を吸い込むときにはその空気がおなかが膨らむことをイメージしながら、ゆっくり大きく息を吸い込んでください。この呼吸法のことを腹式呼吸といいますが、一分に5回程度のペースで複式呼吸法を行うと、すぐに心身がリラックスして眠くなってくるでしょう。部屋を暗くして行うと、より効果が期待できます。
他にもヨガの呼吸法も複数種類ありますので、自分が一番ラクに実践できる呼吸法をいくつか知っていると精神的にゆとりが出て、穏かな安眠を手に入れることができます。
◎ 安眠のための自律訓練法(自己催眠)
人間はリラックスしているとき、手足が暖かく重い状態になります。疲労回復やリラックスを目的として、手足が暖かく重い状態であると意識的に自己暗示(自己睡眠)をかけることを自律訓練法といいます。
自律訓練法はストレス解消、疲労回復、能力開発などに対して効果的であることはよく知られていて、神経症や心身症の治療として実際に利用されている方法です。また、安全・簡単で道具もいらず睡眠薬にたよる必要がないため、不眠に悩む人たちからも広く支持されています。
自立訓練は一種の自己催眠ですから、以下にご紹介する「暗示の言葉」を使います。暗示にかかりやすい人には効果がありますが、自己暗示であるために、最初から暗示や睡眠を疑っている人には効果が出にくいようです。
それでは、実際に自律訓練法を体験してみましょう。
声に出さなくてもいいので、以下のステップ1からステップ7まで、心の中で「暗示の言葉」を自分に言い聞かせるように繰り返します。
ゆったりとした気分でリラックスできるようなイスやソファに深く座って、軽く目を閉じましょう。ベッドやフトンの上で仰向けに横になれれば、なお良いでしょう。
ステップ1.『気持ちがとても穏やかになってきた』
体を軽くゆするようにしてゆったりと気持ちが落ち着いている自分をイメージしてください。
(1~2分ほど続けて、気持ちが本当に穏かになったらステップ2へ)
ステップ2.『腕と足がだんだん重くなってきた』
右腕、左腕、右足、左足の順番に、本当に重く感じるまで練習を繰り返します。あまり強く意識してしまうとかえって力が入ってしまうので、だらんと力を抜きましょう。
これを身につけるまでに数週間かかることもあるので、焦らずマイペースでやってください。練習を重ねれば、本当に重いと感じることができるようになります。
ステップ3.『腕と足があたたかくなってきた』
ここでも、右腕、左腕、右足、左足の順番に本当にあたたかくなってくると暗示をかけて、実際にあたたかく感じられるようになるまで練習を繰り返します。あたたかさを実感できるようになると、血流が実際に増えてきます。
ステップ4.『鼓動が穏やかになってきた』
心臓がおだやかに、規則正しく動いていることをイメージしましょう。
ステップ5.『呼吸がラクになってきた』
鼻から空気が静かに入り、その空気が穏かに胸に入っていく様子をイメージしましょう。
ステップ6.『胃のあたりがあたたかくなってきた』
手をみぞおちのあたりに当てて、体の中があたたかくなってくることをイメージしましょう。
ステップ7.『おでこが涼しくなってきた』
足はあたたかいのに、おでこは涼しいという頭寒足熱の状態をイメージしましょう。
静かで気持ちのいいそよ風がおでこにやさしく当たっていることをイメージしましょう。
ひとつの言葉を本当に実感できるまでには、二週間ほどかかるので、気長にいきましょう。相手は自分自身ですから、焦りは禁物です。焦りが潜在意識に働きかけ、自然に催眠状態になることができなくなってしまいます。
ステップ2をマスターしてしまえば、ステップ3から7までは、要領が同じですから簡単に習得できます。
練習を続けていると、気分が良くなってきて緊張もなくなります。「眠らなくてはいけない」という緊張感や強迫観念から解放され、自律訓練法をマスターする頃には、自己暗示によってぐっすりと熟睡できるようになります。
マスターするには、かなり時間がかかりますが、辛抱強く練習を続けてください。毎日5分でも良いので少しずつ練習を続けていると、少しずつ気分がすっきりするようになり、安眠できる頻度が高くなってくるはずです。ただし、「何がなんでも毎日続けるぞ」と気合いを入れるのではなく、肩の力を抜いてラクな気持ちで長く続けていくことがポイントです。
◎ 心配事や不安な気持ちは紙に書き出す
今日仕事で失敗したこと、明日の試験やプレゼンテーションはうまくいくだろうか、などと気になることが頭から離れず、眠れなくなってしまった経験は誰にでもあるでしょう。こうした不安や気になることは、次から次へと頭に浮かんできて、たいていの場合は思考がマイナスの方向に向いてしまいます。そして不安が増長され、ますます眠れなくなってしまうという悪循環に陥ってしまいます。
こうした状況から抜け出して、穏かな眠りに入るために有効な手段は、気になっていること、不安に感じていることを、すべて紙に書き出してしまうことです。
実際に文字にして書き出してみると、頭の中でモヤモヤしていたものが吐き出されるため、驚くくらいにスッキリと晴れ晴れしい気持ちになります。自分が不安に思っていたのは、この項目とこの項目なのか、と自分の目で確認できるため、不安の連鎖がぐるぐると頭の中でうずまいている状況から、一歩引いたところから冷静に状況を見つめることができます。
いざ紙に書き出してみると、「別にいま悩んでも仕方がないな」「それほどたいした問題ではないな」ということが自分で理解でき、また明日になったら考えればいいと思えるようになれます。こうして気持ちを軽くしてしまえば、自然とおだやかな眠気がやってくることでしょう。
◎ 毎晩決まった時間に寝る
梅干を見るだけで唾液が出てくるといった生理現象を条件反射といいます。人の日常生活において、実はこうした条件反射をベースにしている部分が少なくありません。
睡眠もそのひとつで、たとえば毎晩12時になると必ずベッドに入るとか、毎日入浴後に同じジャンルの音楽を30分聴いてから寝るといった習慣のある人は、それらの条件と睡眠の関連性を体が覚えてくれます。12時が近づくにつれて、あるいはいつもの音楽を入浴後に聴いているだけで自然と眠くなってくるようになります。
このように、毎日なんらかの決まった行動パターンを決めてしまうと、それに対する条件反射として自然な眠りに入ることができるのです。不規則な睡眠パターンを繰り返している人は、まずは睡眠前の生活習慣を一定にすることから始めると良いでしょう。
まずは、毎晩決まった時間に寝ることから始めてみてください。
人間は、ごく近い昔にも、たとえば江戸時代でも、暗くなったら寝て、明るくなったら起きる生活をしていました。したがって、早寝早起きは、いうまでもなく、健康のためによいのです。
睡眠導入に有効なリラックス法には簡易筋弛緩法もあります。
これは、顔、腕、背中、腹、足を10秒間緊張させ、20秒間ダラッとゆるめることを3回繰り返します。
これを寝る前に床の上ですると、効果てきめんですよ。
じゃんじゃん。
寝る前に深呼吸をすることは、安眠のために有効です。息をゆっくりと吐き出すと、筋肉は自然と緩んだ状態となり、副交感神経系にスイッチが切り替わります。ゆっくりと穏かに息を吐き出すことで、心身の緊張をほぐすことができます。
息を吐いていくにつれておなかが凹み、息を吸い込むときにはその空気がおなかが膨らむことをイメージしながら、ゆっくり大きく息を吸い込んでください。この呼吸法のことを腹式呼吸といいますが、一分に5回程度のペースで複式呼吸法を行うと、すぐに心身がリラックスして眠くなってくるでしょう。部屋を暗くして行うと、より効果が期待できます。
他にもヨガの呼吸法も複数種類ありますので、自分が一番ラクに実践できる呼吸法をいくつか知っていると精神的にゆとりが出て、穏かな安眠を手に入れることができます。
◎ 安眠のための自律訓練法(自己催眠)
人間はリラックスしているとき、手足が暖かく重い状態になります。疲労回復やリラックスを目的として、手足が暖かく重い状態であると意識的に自己暗示(自己睡眠)をかけることを自律訓練法といいます。
自律訓練法はストレス解消、疲労回復、能力開発などに対して効果的であることはよく知られていて、神経症や心身症の治療として実際に利用されている方法です。また、安全・簡単で道具もいらず睡眠薬にたよる必要がないため、不眠に悩む人たちからも広く支持されています。
自立訓練は一種の自己催眠ですから、以下にご紹介する「暗示の言葉」を使います。暗示にかかりやすい人には効果がありますが、自己暗示であるために、最初から暗示や睡眠を疑っている人には効果が出にくいようです。
それでは、実際に自律訓練法を体験してみましょう。
声に出さなくてもいいので、以下のステップ1からステップ7まで、心の中で「暗示の言葉」を自分に言い聞かせるように繰り返します。
ゆったりとした気分でリラックスできるようなイスやソファに深く座って、軽く目を閉じましょう。ベッドやフトンの上で仰向けに横になれれば、なお良いでしょう。
ステップ1.『気持ちがとても穏やかになってきた』
体を軽くゆするようにしてゆったりと気持ちが落ち着いている自分をイメージしてください。
(1~2分ほど続けて、気持ちが本当に穏かになったらステップ2へ)
ステップ2.『腕と足がだんだん重くなってきた』
右腕、左腕、右足、左足の順番に、本当に重く感じるまで練習を繰り返します。あまり強く意識してしまうとかえって力が入ってしまうので、だらんと力を抜きましょう。
これを身につけるまでに数週間かかることもあるので、焦らずマイペースでやってください。練習を重ねれば、本当に重いと感じることができるようになります。
ステップ3.『腕と足があたたかくなってきた』
ここでも、右腕、左腕、右足、左足の順番に本当にあたたかくなってくると暗示をかけて、実際にあたたかく感じられるようになるまで練習を繰り返します。あたたかさを実感できるようになると、血流が実際に増えてきます。
ステップ4.『鼓動が穏やかになってきた』
心臓がおだやかに、規則正しく動いていることをイメージしましょう。
ステップ5.『呼吸がラクになってきた』
鼻から空気が静かに入り、その空気が穏かに胸に入っていく様子をイメージしましょう。
ステップ6.『胃のあたりがあたたかくなってきた』
手をみぞおちのあたりに当てて、体の中があたたかくなってくることをイメージしましょう。
ステップ7.『おでこが涼しくなってきた』
足はあたたかいのに、おでこは涼しいという頭寒足熱の状態をイメージしましょう。
静かで気持ちのいいそよ風がおでこにやさしく当たっていることをイメージしましょう。
ひとつの言葉を本当に実感できるまでには、二週間ほどかかるので、気長にいきましょう。相手は自分自身ですから、焦りは禁物です。焦りが潜在意識に働きかけ、自然に催眠状態になることができなくなってしまいます。
ステップ2をマスターしてしまえば、ステップ3から7までは、要領が同じですから簡単に習得できます。
練習を続けていると、気分が良くなってきて緊張もなくなります。「眠らなくてはいけない」という緊張感や強迫観念から解放され、自律訓練法をマスターする頃には、自己暗示によってぐっすりと熟睡できるようになります。
マスターするには、かなり時間がかかりますが、辛抱強く練習を続けてください。毎日5分でも良いので少しずつ練習を続けていると、少しずつ気分がすっきりするようになり、安眠できる頻度が高くなってくるはずです。ただし、「何がなんでも毎日続けるぞ」と気合いを入れるのではなく、肩の力を抜いてラクな気持ちで長く続けていくことがポイントです。
◎ 心配事や不安な気持ちは紙に書き出す
今日仕事で失敗したこと、明日の試験やプレゼンテーションはうまくいくだろうか、などと気になることが頭から離れず、眠れなくなってしまった経験は誰にでもあるでしょう。こうした不安や気になることは、次から次へと頭に浮かんできて、たいていの場合は思考がマイナスの方向に向いてしまいます。そして不安が増長され、ますます眠れなくなってしまうという悪循環に陥ってしまいます。
こうした状況から抜け出して、穏かな眠りに入るために有効な手段は、気になっていること、不安に感じていることを、すべて紙に書き出してしまうことです。
実際に文字にして書き出してみると、頭の中でモヤモヤしていたものが吐き出されるため、驚くくらいにスッキリと晴れ晴れしい気持ちになります。自分が不安に思っていたのは、この項目とこの項目なのか、と自分の目で確認できるため、不安の連鎖がぐるぐると頭の中でうずまいている状況から、一歩引いたところから冷静に状況を見つめることができます。
いざ紙に書き出してみると、「別にいま悩んでも仕方がないな」「それほどたいした問題ではないな」ということが自分で理解でき、また明日になったら考えればいいと思えるようになれます。こうして気持ちを軽くしてしまえば、自然とおだやかな眠気がやってくることでしょう。
◎ 毎晩決まった時間に寝る
梅干を見るだけで唾液が出てくるといった生理現象を条件反射といいます。人の日常生活において、実はこうした条件反射をベースにしている部分が少なくありません。
睡眠もそのひとつで、たとえば毎晩12時になると必ずベッドに入るとか、毎日入浴後に同じジャンルの音楽を30分聴いてから寝るといった習慣のある人は、それらの条件と睡眠の関連性を体が覚えてくれます。12時が近づくにつれて、あるいはいつもの音楽を入浴後に聴いているだけで自然と眠くなってくるようになります。
このように、毎日なんらかの決まった行動パターンを決めてしまうと、それに対する条件反射として自然な眠りに入ることができるのです。不規則な睡眠パターンを繰り返している人は、まずは睡眠前の生活習慣を一定にすることから始めると良いでしょう。
まずは、毎晩決まった時間に寝ることから始めてみてください。
人間は、ごく近い昔にも、たとえば江戸時代でも、暗くなったら寝て、明るくなったら起きる生活をしていました。したがって、早寝早起きは、いうまでもなく、健康のためによいのです。
睡眠導入に有効なリラックス法には簡易筋弛緩法もあります。
これは、顔、腕、背中、腹、足を10秒間緊張させ、20秒間ダラッとゆるめることを3回繰り返します。
これを寝る前に床の上ですると、効果てきめんですよ。
じゃんじゃん。
シリーズ 睡眠について その14 ぐっすり快眠のために その1 ― 2015年10月19日 13:15
◎ 安眠のための栄養バランス
ぐっすり睡眠するための食生活の一番のポイントは、やはり栄養バランスです。野菜、果物、炭水化物、脂肪、タンパク質(魚、鶏など)、ビタミン、ミネラルなどをまんべんなくバランスよく摂ることが大切です。
また、食事量については朝は適量、昼にたっぷり、夜は少食が原則です。ダイエットにおいても同じようなことが言われていますが、睡眠に関しても健康的な食生活の原則は同じなのです。
■脂肪や刺激物は安眠の敵
脂肪を摂ることを可能な限り避けましょう。特に揚げ物は、油をたくさん食べてしまいますから、なるべく避けてください。脂肪分を体内で分解するには長い時間が必要で、特に揚げ物を夜遅い時間に食べてしまうと、夜中まで胃が消化活動を続けるため、よく眠れなくなってしまいます。同じように、香辛料の強い刺激的なもの、ニンニクなどは夕食では避けてください。
■黒いものは体に良い
ワカメ、ノリ、昆布、黒ゴマなどの黒い食材は、体の不調をうまく調整してくれます。黒いものは体に良いと考えていいでしょう。
パンは真っ白な食パンよりも胚芽パン、お米は白いお米よりも玄米を選びましょう。
■免疫力の強化
納豆、たまご、かぼちゃは体の免疫力を強化してくれますから、継続的に食べていると病気にかかりにくくなります。
■カルシウムをしっかり摂る
ぐっすり熟睡するために効果的な成分は、カルシウムです。カルシウムには気持ちを落ち着かせて穏かな睡眠に誘導する作用があるためです。
カルシウムは乳製品、大豆食品、小魚、海草などにたっぷり含まれています。
仕事や遊びで忙しい現代人は、なかなか理想的な食生活を送ることができません。繰り返しになりますが、安眠のためにもっとも大切な食の基本は、なんといっても栄養バランスです。特に不眠に悩む人の場合は、ビタミンやミネラルが不足しがちです。
食事だけで上手に栄養バランスを整えることが難しい場合は、サプリメントを上手に利用して、普段の食生活では取り入れることができない栄養素を補うことも良い方法です。なお、サプリメントはできるだけ夜よりも朝に飲んだほうが効果が高いと言われています。
◎ カルシウムとマグネシウムは睡眠の味方
ストレスを受けると人体の中には乳酸がたまってきます。この乳酸は睡眠を誘うカルシウムの働きを弱めたり、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌を妨げたりするため、ストレスを感じているときはぐっすり熟睡できません。
一般的には、乳酸は激しい運動をした後に体内で作られる疲労物質です。しかし、たとえ肉体的に疲れていなくても、精神的ストレスを受けると乳酸が作られ、脳の機能が正常に働かなくなってしまうのです。このように、ストレスは精神面の影響だけでなく、人体に物理的な影響を与えてしまうのです。
カルシウムには気持ちを落ち着かせて穏かな睡眠に誘導する作用がありますが、たくさん摂れば摂るほどいいというものではありません。また、カルシウムと同時にマグネシウムを摂取することが大切です。マグネシウムにはカルシウムの吸収を助ける働きがあるためです。実はマグネシウムとのバランスが大切で、カルシウム:マグネシウム=2:1で割合で摂取するのが理想的です。
マグネシウムは青菜類や種実類に豊富に含まれていて、不眠症やストレスに対して有効に作用します。種実類とは、たとえば以下のようなものです。
ピーナッツ、アーモンド、ゴマ、カシューナッツ、ピスタチオ、マカデミアナッツ、かぼちゃの種、銀杏、栗など。
マグネシウムはカキやホタテなどの貝類にも多く含まれていて、レモンをかけるとカルシウムの吸収力がさらにアップします。カキにレモンをかける習慣にはちゃんと意味があったんですね。
また、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌を助ける脳内物質セロトニンが作られる時にも、マグネシウムは必要な栄養素になるため、マグネシウムは睡眠にとって大きな役割を果たしています。
◎ 外食やコンビニが多い人は要注意
外食やコンビニ弁当は防腐剤などの人工的な添加物が比較的多めに使われています。また、食べたときの満足感を高めるために塩分を増やして味付けを濃くしています。全般的に脂肪分、糖分、塩分が多めに含まれているため、どうしても栄養が偏りがちになります。最近は健康を意識した弁当も登場していますが、まだまだ理想的な食事とは言えません。
こうした外食などでは、特に緑黄色野菜が十分に食べられないことが大きな問題です。ビタミンAやビタミンCなどのビタミン類が不足して体の免疫機能が弱まって風邪を引きやすくなったり、慢性的に体がだるいなどの症状が出てきます。こうした食生活が続けば、当然ながら穏かな睡眠も遠ざかってしまいます。
仕事の都合などやむをえない理由で、外食やコンビニ食が続く場合には、野菜ジュースやサプリメントを利用して、体が必要とする栄養を意識的に摂るようにしましょう。ファミリーレストランでもなるべく野菜を意識して食べるようにしたり、行きつけの定食屋を見つけておくなど、対策はいくらでもあります。定食屋では良質なタンパク質をたっぷり摂れる焼き魚定食などが良いでしょう。
食事は着実に健康に影響を及ぼしますが、毎日のことですからその変化は少しずつしか現れないため注意が必要です。なんとなくちょっと体調が悪いな、などと思う程度であまり深刻に考えないまま、偏った食生活を続けていると、気がついたときには病気になっていた、ということがよくあります。
体調があまり良くないときは、肌にできものができたり、いろいろなところがかゆくなるなど、体はSOSサインを発しています。そうしたサインを見逃さずに、一日でも早く心を入れ替えて食生活を見直せば、体調は回復するはずです。失ってから健康の大切さに気付いても手遅れなのです。
◎ 寝つけない時に食べるもの
夕食を早めに食べてしまって、寝る時間になったらおなかがすいてしまった、という経験は誰にでもあるでしょう。ここで我慢できずに冷蔵庫をガサガサ探してついつい食べてしまうと、寝つきが悪くなってしまいます。そもそも食べるという行為自体が、脳に刺激を与えて活性化してしまうのも原因です。
間違っても肉類など消化の悪いものは食べてはいけません。消化活動にエネルギーを必要として、全身が活動モードになってしまいます。どうしてもおなかが減って眠れないときは、消化の良いあたたかいものを少量食べるといいでしょう。決しておなかいっぱいになるまで食べてはいけません。
消化の良さや体をあたためるという点からも、夜食に一番のおすすめできるのは湯豆腐です。豆腐には睡眠を助けるビタミンB1や、血行を促進する作用があるビタミンEが含まれています。生姜やネギを薬味としてつければ体をあたためてくれるので、さらに効果的です。
また、精神を鎮静させる作用があるクルミを少しつまむのも効果的です。
カルシウム、ビタミン類は、睡眠を誘う効果があると立証されています。睡眠の3時間前に夕食をとり、寝る頃にどうしても小腹がすいて寝つけないというときは、チーズや半熟卵を食べると効果があるようです。
おなかに何かが入ればそれが信号となって脳に伝わりますので、安心して心がおだやかになってきます。
◎ 朝食はしっかり食べる
一人暮らしの若い人を中心として、食欲が湧かない、朝食を食べる時間があれば少しでも長く眠っていたい、などの理由で朝食を食べない人がいます。これらの人は朝食を食べない代わりに、昼と夜にまとめてエネルギーを摂取することになりますから、体に余計な負担をかけてしまい睡眠にも悪影響があります。特に夕食が多くなってしまいがちなのが問題です。
朝食は午前中の活動のエネルギー源ですから、集中力が高くなる午前中の時間を有効に過ごすためには必要なものです。また、噛むことによって脳に刺激が伝わり、これから一日の活動が始まることを体全体に知らせ、心身ともにウォーミングアップの効果もあるので、朝食は必ず食べるようにしましょう。また、朝食は体温を高める役割もあるので、心身ともに覚醒モードにスムーズに切り替えることができます。
ダイエットが目的で朝食を食べない人がいますが、朝食でとったエネルギーはすぐに消費されますから心配ありません。一日を活動的に過ごすためのエネルギー源として、朝食は必ず食べるようにしましょう。
眠っている間も人は体力を消耗しますし、多くのエネルギーを必要とする大脳の活動は睡眠中も続いています。また、朝起きた時には、前日の夕食から10~12時間ほど何も食べていないことになりますから、朝一番は筋肉も脳も極端なエネルギー切れの状態になっています。いわば断食明けとも言えるこのような状態で朝食をとらずに一日を始めてしまっては、充実した一日を過ごせるはずがありません。朝食は一日のうちで、もっとも栄養のある食事であるべきなのです。
朝食をしっかり食べて夕食を控えめにする食生活が定着すれば、睡眠サイクルも安定してきて、自然とぐっすりとよく眠れるようになるはずです。
◎ 朝起きたらまずは日光を浴びよう
目が覚めたらすぐに、眠くてもまずカーテンやシャッターを開けて、太陽の光をおもいっきり浴びましょう。日光が目に入ることにより、脳内ではセロトニンという覚醒をうながすホルモンが分泌されます。セロトニンによって「朝だ!」というメッセージが全身に知らされ、次第にハッキリと目覚めていきます。日光を浴びることにより体内時計をリセットし、本来は25時間サイクルの人体を地球の自転と同じ24時間サイクルに修正することができます。
また、日光が目から入ると、脳の松果体という部分がそれを察知して「朝だ!」と判断して、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌をストップするように指令を出します。こうして、明るい光は覚醒度を一気に上げ、すっきりと眠気が抜けて一日を始めることができるのです。光の量は、人体が眠気を感じたり、脳がスッキリ起きたりすることと深く関係しています。暗くなれば眠くなりますし、明るくなれば目が覚めるというように、非常にシンプルな仕組みになっていることがわかります。朝しっかりと光を浴びておかないと、夜眠くなる時間が遅くにずれ込んでしまいます。
家族と「おはよう」とあいさつを交わすことも、体と脳に朝が来たことを告げるために有効です。一人暮らしの人の場合は、テレビやペットや太陽に向かっておはようのあいさつをしてもいいでしょう。
休みの日に暗い部屋の中で昼まで寝てしまうと、体内時計の調整ができないので、そのまま一日をぼーっとした状態のまま過ごすことになります。寝起きが悪い人は、カーテンを少し開けて寝るといいでしょう。朝カーテンの間から入ってくる太陽の光で自然に起きることができるようになります。
◎ 寝る前のストレッチ・マッサージ・ツボ
寝る前の適度な運動はストレスを解消し、穏かな眠りを誘うためにとても有効です。ただし、運動があまり激しいと、かえって体も神経も興奮してしまいます。
仕事が忙しくてジムに行く時間もないし、なかなか運動の機会がないという人は、寝る前に軽いストレッチをするといいでしょう。寝る前にストレッチをすることで、副交感神経系のスイッチが入り、心身ともにリラックスモードに切り替えることができます。
ストレッチをするときは、「ゆっくり、静かに、おだやかに」という3大原則を忘れないようにしてください。反動をつけずに、ゆっくりと体がほぐれていくことをイメージしながら、背中・腕・足・首の筋肉ををゆっくりと伸ばすようなストレッチをするといいでしょう。
と言うことでしたが、特に「朝に日光を浴びる」ということは、その日の夜の睡眠には重要な意味を持っています。
しかし、今の世の中、2割の人は「夜勤シフト」で働いていますので、そうなると、「朝に帰宅してそれから睡眠・・」と言うことがあるわけです。
もしそのような「夜勤シフト」で働いていたなら、特別に健康には気を付ける必要があります。
労働科学研究所が「シフトワークチャレンジ」という取り組みをしています。参考にしてください。
http://www.isl.or.jp/research/researchcenter/chronicfatigue-c/423-2014-09-17-06-40-46.html
じゃんじゃん。
ぐっすり睡眠するための食生活の一番のポイントは、やはり栄養バランスです。野菜、果物、炭水化物、脂肪、タンパク質(魚、鶏など)、ビタミン、ミネラルなどをまんべんなくバランスよく摂ることが大切です。
また、食事量については朝は適量、昼にたっぷり、夜は少食が原則です。ダイエットにおいても同じようなことが言われていますが、睡眠に関しても健康的な食生活の原則は同じなのです。
■脂肪や刺激物は安眠の敵
脂肪を摂ることを可能な限り避けましょう。特に揚げ物は、油をたくさん食べてしまいますから、なるべく避けてください。脂肪分を体内で分解するには長い時間が必要で、特に揚げ物を夜遅い時間に食べてしまうと、夜中まで胃が消化活動を続けるため、よく眠れなくなってしまいます。同じように、香辛料の強い刺激的なもの、ニンニクなどは夕食では避けてください。
■黒いものは体に良い
ワカメ、ノリ、昆布、黒ゴマなどの黒い食材は、体の不調をうまく調整してくれます。黒いものは体に良いと考えていいでしょう。
パンは真っ白な食パンよりも胚芽パン、お米は白いお米よりも玄米を選びましょう。
■免疫力の強化
納豆、たまご、かぼちゃは体の免疫力を強化してくれますから、継続的に食べていると病気にかかりにくくなります。
■カルシウムをしっかり摂る
ぐっすり熟睡するために効果的な成分は、カルシウムです。カルシウムには気持ちを落ち着かせて穏かな睡眠に誘導する作用があるためです。
カルシウムは乳製品、大豆食品、小魚、海草などにたっぷり含まれています。
仕事や遊びで忙しい現代人は、なかなか理想的な食生活を送ることができません。繰り返しになりますが、安眠のためにもっとも大切な食の基本は、なんといっても栄養バランスです。特に不眠に悩む人の場合は、ビタミンやミネラルが不足しがちです。
食事だけで上手に栄養バランスを整えることが難しい場合は、サプリメントを上手に利用して、普段の食生活では取り入れることができない栄養素を補うことも良い方法です。なお、サプリメントはできるだけ夜よりも朝に飲んだほうが効果が高いと言われています。
◎ カルシウムとマグネシウムは睡眠の味方
ストレスを受けると人体の中には乳酸がたまってきます。この乳酸は睡眠を誘うカルシウムの働きを弱めたり、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌を妨げたりするため、ストレスを感じているときはぐっすり熟睡できません。
一般的には、乳酸は激しい運動をした後に体内で作られる疲労物質です。しかし、たとえ肉体的に疲れていなくても、精神的ストレスを受けると乳酸が作られ、脳の機能が正常に働かなくなってしまうのです。このように、ストレスは精神面の影響だけでなく、人体に物理的な影響を与えてしまうのです。
カルシウムには気持ちを落ち着かせて穏かな睡眠に誘導する作用がありますが、たくさん摂れば摂るほどいいというものではありません。また、カルシウムと同時にマグネシウムを摂取することが大切です。マグネシウムにはカルシウムの吸収を助ける働きがあるためです。実はマグネシウムとのバランスが大切で、カルシウム:マグネシウム=2:1で割合で摂取するのが理想的です。
マグネシウムは青菜類や種実類に豊富に含まれていて、不眠症やストレスに対して有効に作用します。種実類とは、たとえば以下のようなものです。
ピーナッツ、アーモンド、ゴマ、カシューナッツ、ピスタチオ、マカデミアナッツ、かぼちゃの種、銀杏、栗など。
マグネシウムはカキやホタテなどの貝類にも多く含まれていて、レモンをかけるとカルシウムの吸収力がさらにアップします。カキにレモンをかける習慣にはちゃんと意味があったんですね。
また、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌を助ける脳内物質セロトニンが作られる時にも、マグネシウムは必要な栄養素になるため、マグネシウムは睡眠にとって大きな役割を果たしています。
◎ 外食やコンビニが多い人は要注意
外食やコンビニ弁当は防腐剤などの人工的な添加物が比較的多めに使われています。また、食べたときの満足感を高めるために塩分を増やして味付けを濃くしています。全般的に脂肪分、糖分、塩分が多めに含まれているため、どうしても栄養が偏りがちになります。最近は健康を意識した弁当も登場していますが、まだまだ理想的な食事とは言えません。
こうした外食などでは、特に緑黄色野菜が十分に食べられないことが大きな問題です。ビタミンAやビタミンCなどのビタミン類が不足して体の免疫機能が弱まって風邪を引きやすくなったり、慢性的に体がだるいなどの症状が出てきます。こうした食生活が続けば、当然ながら穏かな睡眠も遠ざかってしまいます。
仕事の都合などやむをえない理由で、外食やコンビニ食が続く場合には、野菜ジュースやサプリメントを利用して、体が必要とする栄養を意識的に摂るようにしましょう。ファミリーレストランでもなるべく野菜を意識して食べるようにしたり、行きつけの定食屋を見つけておくなど、対策はいくらでもあります。定食屋では良質なタンパク質をたっぷり摂れる焼き魚定食などが良いでしょう。
食事は着実に健康に影響を及ぼしますが、毎日のことですからその変化は少しずつしか現れないため注意が必要です。なんとなくちょっと体調が悪いな、などと思う程度であまり深刻に考えないまま、偏った食生活を続けていると、気がついたときには病気になっていた、ということがよくあります。
体調があまり良くないときは、肌にできものができたり、いろいろなところがかゆくなるなど、体はSOSサインを発しています。そうしたサインを見逃さずに、一日でも早く心を入れ替えて食生活を見直せば、体調は回復するはずです。失ってから健康の大切さに気付いても手遅れなのです。
◎ 寝つけない時に食べるもの
夕食を早めに食べてしまって、寝る時間になったらおなかがすいてしまった、という経験は誰にでもあるでしょう。ここで我慢できずに冷蔵庫をガサガサ探してついつい食べてしまうと、寝つきが悪くなってしまいます。そもそも食べるという行為自体が、脳に刺激を与えて活性化してしまうのも原因です。
間違っても肉類など消化の悪いものは食べてはいけません。消化活動にエネルギーを必要として、全身が活動モードになってしまいます。どうしてもおなかが減って眠れないときは、消化の良いあたたかいものを少量食べるといいでしょう。決しておなかいっぱいになるまで食べてはいけません。
消化の良さや体をあたためるという点からも、夜食に一番のおすすめできるのは湯豆腐です。豆腐には睡眠を助けるビタミンB1や、血行を促進する作用があるビタミンEが含まれています。生姜やネギを薬味としてつければ体をあたためてくれるので、さらに効果的です。
また、精神を鎮静させる作用があるクルミを少しつまむのも効果的です。
カルシウム、ビタミン類は、睡眠を誘う効果があると立証されています。睡眠の3時間前に夕食をとり、寝る頃にどうしても小腹がすいて寝つけないというときは、チーズや半熟卵を食べると効果があるようです。
おなかに何かが入ればそれが信号となって脳に伝わりますので、安心して心がおだやかになってきます。
◎ 朝食はしっかり食べる
一人暮らしの若い人を中心として、食欲が湧かない、朝食を食べる時間があれば少しでも長く眠っていたい、などの理由で朝食を食べない人がいます。これらの人は朝食を食べない代わりに、昼と夜にまとめてエネルギーを摂取することになりますから、体に余計な負担をかけてしまい睡眠にも悪影響があります。特に夕食が多くなってしまいがちなのが問題です。
朝食は午前中の活動のエネルギー源ですから、集中力が高くなる午前中の時間を有効に過ごすためには必要なものです。また、噛むことによって脳に刺激が伝わり、これから一日の活動が始まることを体全体に知らせ、心身ともにウォーミングアップの効果もあるので、朝食は必ず食べるようにしましょう。また、朝食は体温を高める役割もあるので、心身ともに覚醒モードにスムーズに切り替えることができます。
ダイエットが目的で朝食を食べない人がいますが、朝食でとったエネルギーはすぐに消費されますから心配ありません。一日を活動的に過ごすためのエネルギー源として、朝食は必ず食べるようにしましょう。
眠っている間も人は体力を消耗しますし、多くのエネルギーを必要とする大脳の活動は睡眠中も続いています。また、朝起きた時には、前日の夕食から10~12時間ほど何も食べていないことになりますから、朝一番は筋肉も脳も極端なエネルギー切れの状態になっています。いわば断食明けとも言えるこのような状態で朝食をとらずに一日を始めてしまっては、充実した一日を過ごせるはずがありません。朝食は一日のうちで、もっとも栄養のある食事であるべきなのです。
朝食をしっかり食べて夕食を控えめにする食生活が定着すれば、睡眠サイクルも安定してきて、自然とぐっすりとよく眠れるようになるはずです。
◎ 朝起きたらまずは日光を浴びよう
目が覚めたらすぐに、眠くてもまずカーテンやシャッターを開けて、太陽の光をおもいっきり浴びましょう。日光が目に入ることにより、脳内ではセロトニンという覚醒をうながすホルモンが分泌されます。セロトニンによって「朝だ!」というメッセージが全身に知らされ、次第にハッキリと目覚めていきます。日光を浴びることにより体内時計をリセットし、本来は25時間サイクルの人体を地球の自転と同じ24時間サイクルに修正することができます。
また、日光が目から入ると、脳の松果体という部分がそれを察知して「朝だ!」と判断して、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌をストップするように指令を出します。こうして、明るい光は覚醒度を一気に上げ、すっきりと眠気が抜けて一日を始めることができるのです。光の量は、人体が眠気を感じたり、脳がスッキリ起きたりすることと深く関係しています。暗くなれば眠くなりますし、明るくなれば目が覚めるというように、非常にシンプルな仕組みになっていることがわかります。朝しっかりと光を浴びておかないと、夜眠くなる時間が遅くにずれ込んでしまいます。
家族と「おはよう」とあいさつを交わすことも、体と脳に朝が来たことを告げるために有効です。一人暮らしの人の場合は、テレビやペットや太陽に向かっておはようのあいさつをしてもいいでしょう。
休みの日に暗い部屋の中で昼まで寝てしまうと、体内時計の調整ができないので、そのまま一日をぼーっとした状態のまま過ごすことになります。寝起きが悪い人は、カーテンを少し開けて寝るといいでしょう。朝カーテンの間から入ってくる太陽の光で自然に起きることができるようになります。
◎ 寝る前のストレッチ・マッサージ・ツボ
寝る前の適度な運動はストレスを解消し、穏かな眠りを誘うためにとても有効です。ただし、運動があまり激しいと、かえって体も神経も興奮してしまいます。
仕事が忙しくてジムに行く時間もないし、なかなか運動の機会がないという人は、寝る前に軽いストレッチをするといいでしょう。寝る前にストレッチをすることで、副交感神経系のスイッチが入り、心身ともにリラックスモードに切り替えることができます。
ストレッチをするときは、「ゆっくり、静かに、おだやかに」という3大原則を忘れないようにしてください。反動をつけずに、ゆっくりと体がほぐれていくことをイメージしながら、背中・腕・足・首の筋肉ををゆっくりと伸ばすようなストレッチをするといいでしょう。
と言うことでしたが、特に「朝に日光を浴びる」ということは、その日の夜の睡眠には重要な意味を持っています。
しかし、今の世の中、2割の人は「夜勤シフト」で働いていますので、そうなると、「朝に帰宅してそれから睡眠・・」と言うことがあるわけです。
もしそのような「夜勤シフト」で働いていたなら、特別に健康には気を付ける必要があります。
労働科学研究所が「シフトワークチャレンジ」という取り組みをしています。参考にしてください。
http://www.isl.or.jp/research/researchcenter/chronicfatigue-c/423-2014-09-17-06-40-46.html
じゃんじゃん。
シリーズ 睡眠について その13 睡眠薬 ― 2015年10月16日 09:17
◎ 睡眠薬の種類
睡眠薬には多くの種類があり、それぞれ効用や副作用が異なります。どの種類がどのような作用があるのかをよく理解することが大切です。専門の医師とよく話し合い、自分に一番適した種類を処方してもらいましょう。
睡眠薬は服用を始めるときも、服用をやめるときも医師のアドバイスに従ってください。眠れるようになってきたからと、勝手に服用をやめてしまうと、一種の禁断症状などの副作用が出て体調が崩れる場合があります。
主な睡眠薬の種類は以下です。
■ベンゾジアゼピン系
現在処方される代表的な睡眠薬がベンゾジアゼピン系と呼ばれるものです。本来は不安感を取り除く抗不安薬でしたが、睡眠作用も強いために睡眠薬としても広く利用されるようになりました。脳の中でも感情を司る視床下部などに作用して、不安や緊張を取り除き、鎮静させることによって眠気をもたらす仕組みです。
【長所】
①不安、緊張を軽減する。自然な眠りに近い入眠を導くことから、睡眠導入剤とも呼ばれる。
②耐性が出にくく、数ヶ月同じ量を継続して服用しても効果が変わらないので、量が増えていくことがない。
③精神的、肉体的依存の症状が出にくい。
④服用を急にやめても禁断症状が非常に軽い。
⑤毒性が低いので、比較的安全で副作用もほとんどない。大量服用をしても死ぬ可能性がかなり低い。
【短所】
①筋肉を弛緩させる副作用がある。朝起きたときに脱力感が残る場合がある。
②翌朝まで薬の影響が残り、ふらつくことがあるので、車の運転をする人などは要注意。
③アルコールと同時に服用すると耐性や依存が発生する場合がある。
■バルビタール酸系
バルビタール酸系は最も古いタイプの睡眠薬で、使い方を間違うと非常に危険なため現在はほとんど使われていません。
服用が続くと禁断症状(脱力感、不安感、手の震え、幻覚、錯覚など)が出たり、精神的・肉体的な依存の症状が出やすくなります。アルコールと同時に服用すると、作用が強く表れるので注意が必要です。中枢神経系に作用するため、大量に摂取すると呼吸中枢を麻痺させるため死につながることがあります。
■非バルビタール酸系
バルビタール酸系の欠点を改善したタイプ。睡眠作用が弱いですが、バルビタール酸系よりも気分を高揚させる作用が強いという特徴があります。バルビタール酸系よりも依存度が高く、禁断症状についても改善が見られないため、現在はほとんど使われなくなりました。
◎ 睡眠薬の使い方
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、飲んでから1~2時間程度で血中濃度が最大になるので、寝たい時間の1時間程度前に服用するとちょうどよいでしょう。
服用によって注意力、集中力、反射神経などのレベルが下がるため、自動車の運転、重機の操作などの危険な作業に従事する人は睡眠薬を服用してはいけません。また、深夜を過ぎてからの服用は、薬の影響を翌日に持ち越すことになり、日常生活を送る上で好ましくありません。
医師の指導の下、自分自身にとって効果のある適量を服用することが大切です。また、睡眠薬は常用するのではなく、大切な会議の前日など、どうしても寝なければならない時だけ利用するほうがいいでしょう。あくまでもたまに利用するという程度にすれば、より健全な眠りを手に入れることができます。
飲む量は常に最低限が原則です。多く飲めばよりよく眠れるなどと考えてはいけません。
■医師と薬を信じる
せっかく飲むのですから、睡眠薬の効果を信じることも大切です。「この薬は自分に合っている。よく効く薬だ」と信じるのです。医師や薬に対する不信感があると、出るはずの効果が出ないことがあります。逆に、極端な例ですが、医師と薬を信頼していれば、たとえその薬が睡眠薬ではなく単なるビタミン剤であったとしても、睡眠薬が効いたと信じてよく眠れたという実例があります。
不眠症は心の病ですから、このような心の持ち方ひとつで効果はまったく違ったものになるのです。
■睡眠薬をやめるときの注意点
ベンゾジアゼピン系は長期間服用を継続しても、耐性ができることは通常ありません。しかし、睡眠薬に頼らずに眠れるようになるに越したことはありません。ただし、服用を突然やめてしまうと禁断症状が出てしまう可能性があるので、注意が必要です。急に減らしたりやめたりするのではなく、ゆっくり時間をかけて少しずつ量を減らしていくことが大切です。
一週間あるいは二週間ごとに一日の服用量をを徐々に減らしていきましょう。また、週末は飲まないようにする、一日おきにする、など工夫をこらし、より少ない睡眠薬でも眠れるように、少しずつ体を慣らしていくことが大切です。
◎ 睡眠薬の働き
睡眠薬は中枢神経系や大脳の働きを低下させ、脳を眠りやすい状態に導くことによって睡眠を促します。一種の軽い麻酔にかかって眠らされている状態です。
睡眠薬には、長時間作用型、中間作用型、短時間作用型、超短時間作用型といったように、効き目が持続する長さによって分類できます。この中で自分に合ったものを医師にすすめてもらうためには、あなたの睡眠について医師が質問することに対して正直に話すのが一番です。「眠れない日は週に何日ありますか」「夜中に目が覚めてしまう回数は?」「眠れなくなっている理由に何か心当たりはありますか」といった質問に、なるべく正直に答えましょう。
睡眠薬による睡眠は、正常な睡眠とは別のものです。睡眠薬を使って眠ったとしても、充実した深い眠りを得ることはできません。また、朝に目が覚めた時も寝不足感や脱力感が残ってしまいます。心臓や肝臓に負担をかけるために、吐き気、めまい、頭痛などの症状が出る場合があります。
また、睡眠薬も薬である以上、なんらかの副作用が出る危険性がゼロとは言い切れません。できればこれらの薬に頼らずに不眠症を治すことが大切です。「今夜も睡眠薬を飲まないと眠れない」と精神的に依存するようになるのが、睡眠薬を利用する上での一番大きな問題です。
睡眠薬の中でも副作用の心配が少なく、比較的安心して使えるのが睡眠導入剤と呼ばれているものです。睡眠導入剤は、薬が体内に残らないのが特徴です。
また、症状がより軽い人には、多くの場合は睡眠薬ではなく精神安定剤を使います。その名の通り、心を安定させて睡眠に導くというもので、軽度の不眠の方は精神安定剤で十分に睡眠が改善することがあります。
◎ 睡眠薬は危険ではない
睡眠薬というと、あまり良いイメージが浮かばず、ついマイナスの偏見や先入観を持ってしまいがちです。かつて、睡眠薬は大量に飲んで自殺する手段として知られており、その悪いイメージが定着してしまったようです。副作用などに関する情報が誇大に解釈されて、犯罪などと関連して危険なものとしてイメージされるようになってきたのかもしれません。
不眠症治療のメインはなんといってもやはり睡眠薬であり、不眠を改善させるためにアルコールに頼るくらいならば、睡眠薬のほうがずっと安全で有効だと言う専門家もいます。
また、睡眠薬は飲んでいるうちに効かなくなり、だんだんと量が増えてしまう、というのは昔の話です。最近の睡眠薬は、副作用がなかったり、依存性が低いものであったり、耐性ができにくく服用を続けても量を増やさなくてもよいなど、進化してきています。良い睡眠薬をうまく利用するためには、それなりに知識が必要です。
処方箋がなくても手に入るような睡眠薬を独断で利用したりすると、かえって逆効果になることがあります。睡眠薬は非常に多くの種類が用意されていて、効用や副作用がそれぞれ異なります。専門性の高い医師に相談すれば、自分の不眠の種類や原因がはっきりするでしょう。そうすれば最も自分に合った適当な種類の睡眠薬を処方してもらえます。自分に合った睡眠薬を見つけて適切に使用すれば、これ以上の不眠治療法はありません。
◎ 睡眠薬の副作用
どんな薬にも、程度の違いはありますが、多少の副作用はあります。睡眠薬も薬である以上、何らかの副作用が出る場合があり、その出方には個人差があります。
睡眠薬を服用するにあたっては、副作用について、正しい知識を持つことが大切です。
【睡眠薬の一般的な副作用】
最も広く使われているベンゾジアゼピン系の睡眠薬の一般的な副作用は以下の通りです。
1.依存
ベンゾジアゼピン系の場合、依存は出にくいと言われていますが、まったくないわけではありません。特に服用を長期に続ける場合は、注意が必要です。急に服用をやめたりすると、けいれん、指の震え、不安、幻覚、妄想、不眠などの禁断症状が出る場合があります。
2.肉体的症状
動悸、不整脈、食欲不振、下痢、吐き気、便秘、無気力、皮膚の発疹、頭痛、全身の倦怠感、めまい、ぼんやりする、体重減少など
◎ 睡眠薬の絶対禁止事項
睡眠薬は使い方によっては人間にとって非常に有益な薬ですが、使用法を間違えると非常に危険な面もあります。睡眠薬を利用するにあたって、絶対にやってはいけないことは以下の4点です。
■アルコールといっしょに飲んではいけない。
■指示された量以上に飲んではいけない。
■市販の他の薬と併用してはいけない。
■飲んだ後はクルマの運転はしてはいけない。
また、妊婦の方は絶対に睡眠薬を飲んではいけません。胎児に与える影響が完全にゼロだと証明されている睡眠薬はありません。睡眠薬を常用していた妊婦が生んだ子どもは、生まれながらにして睡眠薬の中毒になっていた例が多く報告されています。不眠症で落ち着きがなく、手足が震えるという禁断症状が子どもに出てしまうことがあります。
ん~ん。よく眠れるようになりたいけど、やはり薬なんだ。
ん~ん、考えて服用しましょう。
だけど、不眠で悩むより使った方がいいと思いますよ。
じゃんじゃん。
睡眠薬には多くの種類があり、それぞれ効用や副作用が異なります。どの種類がどのような作用があるのかをよく理解することが大切です。専門の医師とよく話し合い、自分に一番適した種類を処方してもらいましょう。
睡眠薬は服用を始めるときも、服用をやめるときも医師のアドバイスに従ってください。眠れるようになってきたからと、勝手に服用をやめてしまうと、一種の禁断症状などの副作用が出て体調が崩れる場合があります。
主な睡眠薬の種類は以下です。
■ベンゾジアゼピン系
現在処方される代表的な睡眠薬がベンゾジアゼピン系と呼ばれるものです。本来は不安感を取り除く抗不安薬でしたが、睡眠作用も強いために睡眠薬としても広く利用されるようになりました。脳の中でも感情を司る視床下部などに作用して、不安や緊張を取り除き、鎮静させることによって眠気をもたらす仕組みです。
【長所】
①不安、緊張を軽減する。自然な眠りに近い入眠を導くことから、睡眠導入剤とも呼ばれる。
②耐性が出にくく、数ヶ月同じ量を継続して服用しても効果が変わらないので、量が増えていくことがない。
③精神的、肉体的依存の症状が出にくい。
④服用を急にやめても禁断症状が非常に軽い。
⑤毒性が低いので、比較的安全で副作用もほとんどない。大量服用をしても死ぬ可能性がかなり低い。
【短所】
①筋肉を弛緩させる副作用がある。朝起きたときに脱力感が残る場合がある。
②翌朝まで薬の影響が残り、ふらつくことがあるので、車の運転をする人などは要注意。
③アルコールと同時に服用すると耐性や依存が発生する場合がある。
■バルビタール酸系
バルビタール酸系は最も古いタイプの睡眠薬で、使い方を間違うと非常に危険なため現在はほとんど使われていません。
服用が続くと禁断症状(脱力感、不安感、手の震え、幻覚、錯覚など)が出たり、精神的・肉体的な依存の症状が出やすくなります。アルコールと同時に服用すると、作用が強く表れるので注意が必要です。中枢神経系に作用するため、大量に摂取すると呼吸中枢を麻痺させるため死につながることがあります。
■非バルビタール酸系
バルビタール酸系の欠点を改善したタイプ。睡眠作用が弱いですが、バルビタール酸系よりも気分を高揚させる作用が強いという特徴があります。バルビタール酸系よりも依存度が高く、禁断症状についても改善が見られないため、現在はほとんど使われなくなりました。
◎ 睡眠薬の使い方
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、飲んでから1~2時間程度で血中濃度が最大になるので、寝たい時間の1時間程度前に服用するとちょうどよいでしょう。
服用によって注意力、集中力、反射神経などのレベルが下がるため、自動車の運転、重機の操作などの危険な作業に従事する人は睡眠薬を服用してはいけません。また、深夜を過ぎてからの服用は、薬の影響を翌日に持ち越すことになり、日常生活を送る上で好ましくありません。
医師の指導の下、自分自身にとって効果のある適量を服用することが大切です。また、睡眠薬は常用するのではなく、大切な会議の前日など、どうしても寝なければならない時だけ利用するほうがいいでしょう。あくまでもたまに利用するという程度にすれば、より健全な眠りを手に入れることができます。
飲む量は常に最低限が原則です。多く飲めばよりよく眠れるなどと考えてはいけません。
■医師と薬を信じる
せっかく飲むのですから、睡眠薬の効果を信じることも大切です。「この薬は自分に合っている。よく効く薬だ」と信じるのです。医師や薬に対する不信感があると、出るはずの効果が出ないことがあります。逆に、極端な例ですが、医師と薬を信頼していれば、たとえその薬が睡眠薬ではなく単なるビタミン剤であったとしても、睡眠薬が効いたと信じてよく眠れたという実例があります。
不眠症は心の病ですから、このような心の持ち方ひとつで効果はまったく違ったものになるのです。
■睡眠薬をやめるときの注意点
ベンゾジアゼピン系は長期間服用を継続しても、耐性ができることは通常ありません。しかし、睡眠薬に頼らずに眠れるようになるに越したことはありません。ただし、服用を突然やめてしまうと禁断症状が出てしまう可能性があるので、注意が必要です。急に減らしたりやめたりするのではなく、ゆっくり時間をかけて少しずつ量を減らしていくことが大切です。
一週間あるいは二週間ごとに一日の服用量をを徐々に減らしていきましょう。また、週末は飲まないようにする、一日おきにする、など工夫をこらし、より少ない睡眠薬でも眠れるように、少しずつ体を慣らしていくことが大切です。
◎ 睡眠薬の働き
睡眠薬は中枢神経系や大脳の働きを低下させ、脳を眠りやすい状態に導くことによって睡眠を促します。一種の軽い麻酔にかかって眠らされている状態です。
睡眠薬には、長時間作用型、中間作用型、短時間作用型、超短時間作用型といったように、効き目が持続する長さによって分類できます。この中で自分に合ったものを医師にすすめてもらうためには、あなたの睡眠について医師が質問することに対して正直に話すのが一番です。「眠れない日は週に何日ありますか」「夜中に目が覚めてしまう回数は?」「眠れなくなっている理由に何か心当たりはありますか」といった質問に、なるべく正直に答えましょう。
睡眠薬による睡眠は、正常な睡眠とは別のものです。睡眠薬を使って眠ったとしても、充実した深い眠りを得ることはできません。また、朝に目が覚めた時も寝不足感や脱力感が残ってしまいます。心臓や肝臓に負担をかけるために、吐き気、めまい、頭痛などの症状が出る場合があります。
また、睡眠薬も薬である以上、なんらかの副作用が出る危険性がゼロとは言い切れません。できればこれらの薬に頼らずに不眠症を治すことが大切です。「今夜も睡眠薬を飲まないと眠れない」と精神的に依存するようになるのが、睡眠薬を利用する上での一番大きな問題です。
睡眠薬の中でも副作用の心配が少なく、比較的安心して使えるのが睡眠導入剤と呼ばれているものです。睡眠導入剤は、薬が体内に残らないのが特徴です。
また、症状がより軽い人には、多くの場合は睡眠薬ではなく精神安定剤を使います。その名の通り、心を安定させて睡眠に導くというもので、軽度の不眠の方は精神安定剤で十分に睡眠が改善することがあります。
◎ 睡眠薬は危険ではない
睡眠薬というと、あまり良いイメージが浮かばず、ついマイナスの偏見や先入観を持ってしまいがちです。かつて、睡眠薬は大量に飲んで自殺する手段として知られており、その悪いイメージが定着してしまったようです。副作用などに関する情報が誇大に解釈されて、犯罪などと関連して危険なものとしてイメージされるようになってきたのかもしれません。
不眠症治療のメインはなんといってもやはり睡眠薬であり、不眠を改善させるためにアルコールに頼るくらいならば、睡眠薬のほうがずっと安全で有効だと言う専門家もいます。
また、睡眠薬は飲んでいるうちに効かなくなり、だんだんと量が増えてしまう、というのは昔の話です。最近の睡眠薬は、副作用がなかったり、依存性が低いものであったり、耐性ができにくく服用を続けても量を増やさなくてもよいなど、進化してきています。良い睡眠薬をうまく利用するためには、それなりに知識が必要です。
処方箋がなくても手に入るような睡眠薬を独断で利用したりすると、かえって逆効果になることがあります。睡眠薬は非常に多くの種類が用意されていて、効用や副作用がそれぞれ異なります。専門性の高い医師に相談すれば、自分の不眠の種類や原因がはっきりするでしょう。そうすれば最も自分に合った適当な種類の睡眠薬を処方してもらえます。自分に合った睡眠薬を見つけて適切に使用すれば、これ以上の不眠治療法はありません。
◎ 睡眠薬の副作用
どんな薬にも、程度の違いはありますが、多少の副作用はあります。睡眠薬も薬である以上、何らかの副作用が出る場合があり、その出方には個人差があります。
睡眠薬を服用するにあたっては、副作用について、正しい知識を持つことが大切です。
【睡眠薬の一般的な副作用】
最も広く使われているベンゾジアゼピン系の睡眠薬の一般的な副作用は以下の通りです。
1.依存
ベンゾジアゼピン系の場合、依存は出にくいと言われていますが、まったくないわけではありません。特に服用を長期に続ける場合は、注意が必要です。急に服用をやめたりすると、けいれん、指の震え、不安、幻覚、妄想、不眠などの禁断症状が出る場合があります。
2.肉体的症状
動悸、不整脈、食欲不振、下痢、吐き気、便秘、無気力、皮膚の発疹、頭痛、全身の倦怠感、めまい、ぼんやりする、体重減少など
◎ 睡眠薬の絶対禁止事項
睡眠薬は使い方によっては人間にとって非常に有益な薬ですが、使用法を間違えると非常に危険な面もあります。睡眠薬を利用するにあたって、絶対にやってはいけないことは以下の4点です。
■アルコールといっしょに飲んではいけない。
■指示された量以上に飲んではいけない。
■市販の他の薬と併用してはいけない。
■飲んだ後はクルマの運転はしてはいけない。
また、妊婦の方は絶対に睡眠薬を飲んではいけません。胎児に与える影響が完全にゼロだと証明されている睡眠薬はありません。睡眠薬を常用していた妊婦が生んだ子どもは、生まれながらにして睡眠薬の中毒になっていた例が多く報告されています。不眠症で落ち着きがなく、手足が震えるという禁断症状が子どもに出てしまうことがあります。
ん~ん。よく眠れるようになりたいけど、やはり薬なんだ。
ん~ん、考えて服用しましょう。
だけど、不眠で悩むより使った方がいいと思いますよ。
じゃんじゃん。
シリーズ 睡眠について その12 夢について ― 2015年10月15日 10:12
◎ 人はなぜ夢を見るのか
脳は覚醒しているのに、体は休息モードに入っている睡眠のことをレム睡眠といい、夢を見るのはこのレム睡眠の時だと言われています。レム睡眠は睡眠中に何度かにわけて発生し、合計すると一晩に2時間ほどになります。つまり、覚えているかいないかは別にして、人は寝ている間に映画一本分くらいの夢を見ているものなのです。夢を見るレム睡眠は、赤ちゃんがもっとも長く、年をとるにつれて短くなっていきます。
そもそも、人はなぜ夢を見るのでしょうか。「夢は欲求不満の表れだ」と言う人もいます。ダイエット中に、焼肉を食べきれないくらいに食べて幸せいっぱいになる夢を見たり、何年も恋人がいない人が、理想的な相手とディズニーランドで楽しくデートをする夢を見たりします。こうした夢は、その人の欲求不満がもとになって夢に表れたとも考えられます。
人間の心には、自分で意識できる部分(顕在意識)と、自分ではまったく意識していない部分(潜在意識)の二つがあります。顕在意識では脳がストップをかけていた行動を、潜在意識の中では思い切って実行してしまった、というのが焼肉の夢の例です。また、デートの夢の例では、普段から恋人がいなくて寂しいという気持ちを、プライドの高さや仕事の忙しさなどで普段は意識的に考えないようにしていても、心の奥底(潜在意識)ではやはり自分は寂しい、ということを夢という形で潜在意識が教えてくれています。
こうした欲求不満だけが夢を見る原因ではありません。人は日常生活を送っていく中で、多くの人と言葉をかわしたり、新聞、テレビ、雑誌などから膨大な情報を日々吸収しています。潜在意識の中にある膨大な情報のうち一部が、何かのきっかけで夢に登場していると考えられています。
レム睡眠の時に夢を見ることによって、人間は一日に収集した膨大な情報を整理し、記憶として保存する必要があるものとないものに分類していると言われています。睡眠時間が長くなると当然レム睡眠も長くなり、情報の整理に使える時間が長くなります。ストレスの原因になるいやな出来事も、一晩寝るとスッキリするのは、レム睡眠の間に、そうした不愉快な情報は自分が楽しく生きていくには不要だ、と脳が判断して記憶に定着させないようにしているためと考えられます。
◎ 夢をよく見る人は不眠症?
身体は休息状態にもかかわらず、脳が浅い睡眠状態にある睡眠のことをレム睡眠といいます。人はこのレム睡眠時に夢を見ることが多いと言われています。(ノンレム睡眠の時に、決して夢を見ないというわけではないようです)レム睡眠の最中に起こされると、自分がたった今夢を見ていたとハッキリと認識できる傾向があります。
レム睡眠は約90分周期でくり返し発生しますから、8時間眠る人は5回のレム睡眠を体験し、5回の夢を見ていることになります。しかし、起きた時に5種類の夢をすべて覚えているということはなかなかありません。通常、起きたときに覚えているのはせいぜいひとつの夢(ストーリー)ではないでしょうか。それは目覚めの直前のレム睡眠の時に見ていた夢だと考えられます。
夢を見ることと、夢を覚えているかどうか、ということはまったく別のことなのです。ほとんどの人は夢を見てもそれを覚えていないだけなのです。「昨日は夢を見なかった」という人がいますが、「昨日の夢は覚えていない」と言うのが正確な表現と言えるでしょう。夢ばかり見ていて自分は深く眠っていないのではないか、不眠症ではないか、と悩んでいる人がいますが、夢をよく覚えていることと不眠症はまったく別のことなのです。
◎ 右脳が活発な人はよく夢を見る
人間の脳は右脳と左脳に分かれています。右脳は直感やイメージを、左脳は計算や論理を担当しています。一般に、女性は右脳と左脳のバランスがよく、両方をうまく使いこなしています。男性の場合は、右脳と左脳の役割分担が非常に明確で、どちらかが優位に働いているケースが多いと言われています。
何かを考えるときに目が右を向く人は、左脳派。左を向く人は右脳派です。左脳派は考えたり計算したりする仕事が得意で、右脳派はアーティストや建築家など、創造的な仕事に適正がある傾向にあります。睡眠中の脳波を調べてみると、夢を見ている時は右脳が活発に活動しています。右脳派の人のほうが、左脳派の人よりもよりたくさんの夢を見る傾向があるようです。
また、夢が鮮明なフルカラーであったり、夢の中での視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚といった五感だけでなく、時には感情までもハッキリと覚えている人がいます。しかし夢の中での「音」や「感触」といったものは、当然のことですが実在しているわけではありません。これらの情報はあくまでも脳内で作られたものであり、さまざまな感覚や感情を明確にイメージできる人は、脳が非常に活性化している証拠です。
◎ 夢を記録して脳を活性化する
夢を見ても何も覚えていない人がいる一方で、夢の内容を非常にリアルに人に話す人がいます。よく夢を覚えている人は一般的に、感受性が強く、積極的で想像力豊かな性格であるようです。そうした人たちの中には、夢の中の映像がとてもリアルなカラー映像であったり、「触った」「触られた」というリアルな感触までも夢の中で体験する人がいます。
このように、朝起きたときに夢を覚えているためには、どうすればよいのでしょうか。
レム睡眠の時に夢を見るわけですから、レム睡眠の最中に起こされれば、夢を覚えている可能性は高くなります。しかし、レム睡眠の最中に自分で意識して起きることはできませんし、誰かに起こしてもらうわけにもいきません。
夢を覚えていたい場合は、単純な話ですが、「夢を覚えておくぞ!」と宣言してから寝るというのが意外と効果的です。自分自身に暗示をかけることによって、少しずつ夢を覚えておくことができるようになってきます。朝起きた瞬間にはいろいろと覚えていても、食事をしたり出かける用意をしているうちに、夢はものすごいスピードで忘れ去られます。寝る前の宣言に加え、枕元にメモ用紙を置いておき、朝起きたときに覚えている夢をすぐにメモすると、記憶を記録にすることができますし、自分の記憶もより安定します。
夢は人間の潜在意識の働きが大きく関係していると考えられています。夢をしっかりと覚えておいて記録しておくことにより、潜在意識と顕在意識の間の情報のやりとりが活発化し、日常生活の中でもひらめきやカンが冴えてくることがあるのです。日常生活ではなかなか体験しない刺激が脳に送られ、脳機能が活性化してきているのでしょう。
◎ 明晰夢とは
自分が夢を見ている、と認識しながら夢を見ることを、明晰夢(めいせきむ)を見るといいます。自覚夢と呼ばれることもあります。
睡眠中にも大脳の一部が活動を続けていて、睡眠中に夢が夢であると認識することから、こうしたことが起きるようです。
訓練をつめば、自分の好きな夢を見たり、夢のストーリー展開を自在にコントロールすることができるようになるといわれています。
また、明晰夢の訓練をつむことは、精神疾患の治療にも応用できる可能性があります。
私の経験をお話しすれば、聞きたくないかもしれませんが、中学の頃、夜に街灯の下で誰かがダンスをしてクルクル回っている夢をよく見ました。今でも覚えています。
どなたか、夢分析していただけないでしょうか。ただし、悪い話は聞きたくありませんけど。
じゃんじゃん。
脳は覚醒しているのに、体は休息モードに入っている睡眠のことをレム睡眠といい、夢を見るのはこのレム睡眠の時だと言われています。レム睡眠は睡眠中に何度かにわけて発生し、合計すると一晩に2時間ほどになります。つまり、覚えているかいないかは別にして、人は寝ている間に映画一本分くらいの夢を見ているものなのです。夢を見るレム睡眠は、赤ちゃんがもっとも長く、年をとるにつれて短くなっていきます。
そもそも、人はなぜ夢を見るのでしょうか。「夢は欲求不満の表れだ」と言う人もいます。ダイエット中に、焼肉を食べきれないくらいに食べて幸せいっぱいになる夢を見たり、何年も恋人がいない人が、理想的な相手とディズニーランドで楽しくデートをする夢を見たりします。こうした夢は、その人の欲求不満がもとになって夢に表れたとも考えられます。
人間の心には、自分で意識できる部分(顕在意識)と、自分ではまったく意識していない部分(潜在意識)の二つがあります。顕在意識では脳がストップをかけていた行動を、潜在意識の中では思い切って実行してしまった、というのが焼肉の夢の例です。また、デートの夢の例では、普段から恋人がいなくて寂しいという気持ちを、プライドの高さや仕事の忙しさなどで普段は意識的に考えないようにしていても、心の奥底(潜在意識)ではやはり自分は寂しい、ということを夢という形で潜在意識が教えてくれています。
こうした欲求不満だけが夢を見る原因ではありません。人は日常生活を送っていく中で、多くの人と言葉をかわしたり、新聞、テレビ、雑誌などから膨大な情報を日々吸収しています。潜在意識の中にある膨大な情報のうち一部が、何かのきっかけで夢に登場していると考えられています。
レム睡眠の時に夢を見ることによって、人間は一日に収集した膨大な情報を整理し、記憶として保存する必要があるものとないものに分類していると言われています。睡眠時間が長くなると当然レム睡眠も長くなり、情報の整理に使える時間が長くなります。ストレスの原因になるいやな出来事も、一晩寝るとスッキリするのは、レム睡眠の間に、そうした不愉快な情報は自分が楽しく生きていくには不要だ、と脳が判断して記憶に定着させないようにしているためと考えられます。
◎ 夢をよく見る人は不眠症?
身体は休息状態にもかかわらず、脳が浅い睡眠状態にある睡眠のことをレム睡眠といいます。人はこのレム睡眠時に夢を見ることが多いと言われています。(ノンレム睡眠の時に、決して夢を見ないというわけではないようです)レム睡眠の最中に起こされると、自分がたった今夢を見ていたとハッキリと認識できる傾向があります。
レム睡眠は約90分周期でくり返し発生しますから、8時間眠る人は5回のレム睡眠を体験し、5回の夢を見ていることになります。しかし、起きた時に5種類の夢をすべて覚えているということはなかなかありません。通常、起きたときに覚えているのはせいぜいひとつの夢(ストーリー)ではないでしょうか。それは目覚めの直前のレム睡眠の時に見ていた夢だと考えられます。
夢を見ることと、夢を覚えているかどうか、ということはまったく別のことなのです。ほとんどの人は夢を見てもそれを覚えていないだけなのです。「昨日は夢を見なかった」という人がいますが、「昨日の夢は覚えていない」と言うのが正確な表現と言えるでしょう。夢ばかり見ていて自分は深く眠っていないのではないか、不眠症ではないか、と悩んでいる人がいますが、夢をよく覚えていることと不眠症はまったく別のことなのです。
◎ 右脳が活発な人はよく夢を見る
人間の脳は右脳と左脳に分かれています。右脳は直感やイメージを、左脳は計算や論理を担当しています。一般に、女性は右脳と左脳のバランスがよく、両方をうまく使いこなしています。男性の場合は、右脳と左脳の役割分担が非常に明確で、どちらかが優位に働いているケースが多いと言われています。
何かを考えるときに目が右を向く人は、左脳派。左を向く人は右脳派です。左脳派は考えたり計算したりする仕事が得意で、右脳派はアーティストや建築家など、創造的な仕事に適正がある傾向にあります。睡眠中の脳波を調べてみると、夢を見ている時は右脳が活発に活動しています。右脳派の人のほうが、左脳派の人よりもよりたくさんの夢を見る傾向があるようです。
また、夢が鮮明なフルカラーであったり、夢の中での視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚といった五感だけでなく、時には感情までもハッキリと覚えている人がいます。しかし夢の中での「音」や「感触」といったものは、当然のことですが実在しているわけではありません。これらの情報はあくまでも脳内で作られたものであり、さまざまな感覚や感情を明確にイメージできる人は、脳が非常に活性化している証拠です。
◎ 夢を記録して脳を活性化する
夢を見ても何も覚えていない人がいる一方で、夢の内容を非常にリアルに人に話す人がいます。よく夢を覚えている人は一般的に、感受性が強く、積極的で想像力豊かな性格であるようです。そうした人たちの中には、夢の中の映像がとてもリアルなカラー映像であったり、「触った」「触られた」というリアルな感触までも夢の中で体験する人がいます。
このように、朝起きたときに夢を覚えているためには、どうすればよいのでしょうか。
レム睡眠の時に夢を見るわけですから、レム睡眠の最中に起こされれば、夢を覚えている可能性は高くなります。しかし、レム睡眠の最中に自分で意識して起きることはできませんし、誰かに起こしてもらうわけにもいきません。
夢を覚えていたい場合は、単純な話ですが、「夢を覚えておくぞ!」と宣言してから寝るというのが意外と効果的です。自分自身に暗示をかけることによって、少しずつ夢を覚えておくことができるようになってきます。朝起きた瞬間にはいろいろと覚えていても、食事をしたり出かける用意をしているうちに、夢はものすごいスピードで忘れ去られます。寝る前の宣言に加え、枕元にメモ用紙を置いておき、朝起きたときに覚えている夢をすぐにメモすると、記憶を記録にすることができますし、自分の記憶もより安定します。
夢は人間の潜在意識の働きが大きく関係していると考えられています。夢をしっかりと覚えておいて記録しておくことにより、潜在意識と顕在意識の間の情報のやりとりが活発化し、日常生活の中でもひらめきやカンが冴えてくることがあるのです。日常生活ではなかなか体験しない刺激が脳に送られ、脳機能が活性化してきているのでしょう。
◎ 明晰夢とは
自分が夢を見ている、と認識しながら夢を見ることを、明晰夢(めいせきむ)を見るといいます。自覚夢と呼ばれることもあります。
睡眠中にも大脳の一部が活動を続けていて、睡眠中に夢が夢であると認識することから、こうしたことが起きるようです。
訓練をつめば、自分の好きな夢を見たり、夢のストーリー展開を自在にコントロールすることができるようになるといわれています。
また、明晰夢の訓練をつむことは、精神疾患の治療にも応用できる可能性があります。
私の経験をお話しすれば、聞きたくないかもしれませんが、中学の頃、夜に街灯の下で誰かがダンスをしてクルクル回っている夢をよく見ました。今でも覚えています。
どなたか、夢分析していただけないでしょうか。ただし、悪い話は聞きたくありませんけど。
じゃんじゃん。
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